真・羅生門=9=
その恐怖心の象徴とでも言うべき外見をしたそいつはズカズカと近づき治虫が持っているエネジクトクリスタルとやらをとった。そいつは1人で来たのだろう。よく分からんが俺らにとって適とでも言うべき存在らしい。ならば話は早い。
俺の思考で考えた結論を真っ先に実行した奴がいた。体格がいい田中裕次郎だ。外見とは打って変わって身軽な動きだ。
その拳は見事にそいつの腹部に入った。ボンと音がしてやつの体がビクリと動いた。と思ったら頭部にもその鉄槌を下した。
その謎のやつはガシャンといって倒れこんだ。
「わっ」誰もが驚愕の声を出した。皮膚が裂けていた。中に見えるのは機械?
「ヒューマノイド?」本間みたいな宮元は本間と同時に声を発した。ヒューマノイドとは人間みたいなロボットだ。まあこんな外見もヒューマノイドに入るんじゃないかと思う。
「シューバロッド?」あほの聞き間違いによりこいつの名前はシューバロッドになった。まあなんとタイピングしにくい単語なんだ。
「こんなのがいっぱいいたんだろ」床に倒れているガラクタのようになったシューバロッドに指を刺して田中が聞いてきた。俺は後ろにたため1人しか見てないが武田が数人いたと証言した。
「ようするにやつらの知能が低くない限りまたくると。それも今度は3人くらいで」シューバロッドは武器らしきものは持っていなかった。なんか袴着ているんだが…服装はどういう規準でこうなったんだ。「しかし、こんなの誰が作り出したんだ」そうそうそれだよ。
「たぶん、あの男じゃない」結局俺が答えをいったような感じになった。俺が言ったこの言葉に賛成者が自分合わせて7人だったからだ。
という訳だ。どうするか簡単ではないか。壁を破ったら人がいた。ということは…。
そろそろ飽きただろうから走っている間のことは短縮しよう。突き破った先からもれて来たのは…光ではなく闇だった。ここにもいるんだな。多分。
「お・いー」どう考えてもアクセントがおかしいだろ。このすばらしい声を出してくれたのば治虫だ。
すると向こうから返事らしきものが返ってきた。
喉に異物感がある。苦しい。菓子を飲み込んじまった。飴なら溶けるだろうが豆けいだからな。もしくは空気が詰まったかだ。
どうするかな。