昼飯その後
家は誰もいない。親は仕事か買い物だ。唯一の姉はミュージカルだ。
このミュージカルの終了時間は居間のホワイトボードに書かれている。16時30分終了予定。
「じゃあ帰ってくるのは6時くらいかな」この予定時間は当てにならない。30分遅れて当然だ。帰ってくる時間を足せば1時間半ほど増えてもおかしくない。
しょうがないので冷凍庫のチャーハンを温めてた。4分30秒…。
タラタタタタタララララー♪という音を出し終了を告げる。「熱ちっ」皿を持った瞬間手が焦げそうに鳴ったので、タオルを手に巻いて皿を取った。
ガツガツとすばやく食べたつもりだが20分も掛かってしまった。
部屋に戻り作文の続きを書き始めた。
(下人は太刀を向け何をしていたのか聞こうとします。だけど老婆は顔で下人を殺さんと言わんばかりに見ています。しかし下人は老婆がびくびくしているのを見るなり、口調を緩めた。理由を話せばそれでいいと言った。対し、老婆はかつらを作ろうとしたといった。すると下人はまた怒りだした。)と勢いよく書き上げた。我ながらびっくりする早さだ。
そして腕の色に同化した、チャーハンの焼けてない白い米粒が付いているのに今頃気づいた少年はそれを取って口に入れ飲み込んだ。
さてさてこれからどうやって書くかな?
再び老婆に視線を戻すか。うん。普通にそうだな。(これをみた老婆は、なるほど死人の髪を…)
教科書に書いてあるのを自分風にしてそのまま写した。(こうして自分の罪を老婆は正当化したのだ。)
「さて結構書いたし終わらせるか」
しかしどう終わらせたらいいのか分からなかった。
時間は午後2時だった。おやつの時間には終わらせたい。(小学生か?)後半へ続く。