真・羅生門=Who is a traveler"契約編"=
誰だよ次完結って言ったの?勘違いも大概にしろよ自分。
なんか勘違いしてたらしい。まだ終わりません。
「面白くない。何も面白くない」少年が一人パソコンの前で呟いていた。面白ゲーム集というキーワード検索でゲームを探す。やる。面白くない。の繰り返しである。
もう辛い。生きてるのがしんどい。たかだか自分のゲームに対する欲求が満たされないためにイライラしていた。
こんな身勝手な少年に友人などあまりいなかった。毎日が面白くない。なんでこんなにおもしろくないんだろう。何か人生を変えるくらいのことが起きないかな。
「俺と契約しないか?」そこにいたのは誰?まあ単刀直入に言えば男だ。20代か30代しか知らないが変な男がそこにいた。どこから沸いてきたんだ?
「誰だお前」少年は大焦りで聞いた。
「誰だっていいだろ。どうだ少年よお前の願いを叶えてやる。面白くないこの世界から離れたいのだろ」男は淡々と言う。
「…ああ」少年は恐る恐るしかし好奇心に駆られた少年のような目を…少年か。
まあともかくだ、救世主が少年の前に現れたといっても過言ではない。怪しいことを除けばそれはさぞかし神々しいのであろう。だが少年は神とは存在が怪しいのだから別段姿が怪しくてもおかしくないのではないのだろうという変な理屈を作成し1人で勝手に納得したのだった。
「で、どうだ契約するのかしないのか」
「契約?」男の"契約"という言葉の意味が分からない。
「契約の内容を話していなかったな。まあ簡単に言えばお前の一番大切なものを俺がもらうのだ。そうすればお前は面白くないというものから開放されるのだ。どうだおいしい話だろ」男はプロのセールスマンのような巧みな言葉で少年の心を動かすのだった。
「俺の大切なもの。えーっと」早くも契約に応じたらしく部屋を見渡す。
「ハハッ」男はあざ笑うかのような笑いを見せた。その笑いに続けて
「お前の願いが叶ってから出ないとそれは分からないのだ」と男がいった。
「俺の願いが分からないとだめ」少年はなんともいえない顔で不服そうに頬を若干膨らませた。が、すぐに直った。何に今自分が不服を感じたか分からないが、そんなのはどうでも良いのだ。少年の脳内は1つのことに支配されていた。"願いを叶えたい"ただそれだけだ。
「いいよ。契約するよ」少年は嬉しさを表そうとしたが普段嬉しさを表したことがない。結果壊れた人形のような妙な動きをした。
「承知した。お前を今と同じような環境でで面白い世界へ送る」"世界へ送る"という言葉に何かしら寂しさを感じたが、もはやどうでも良い。少年はその世界へと送られた。