真・羅生門=向けられた銃口=
「おーい本間」と小さい声で俺は姿が見えない本間を探していた。「ハァハァ・・・」他の2人が荒い息であたりを駆けていた。
男と鬼ごっこをしていながら俺たち4人は体力を消耗させていた。そして途中で本間がいなくなったのだ。
「おーいここだよー」
本間の声が聞こえた。3人で走っていくとそこにはちゃんと本間がいた。
「ハァー遅そいよ」と武田がいった。「ごめんごめん」と大してわびてなさそうに言った。
否。別の感情によって自分の気持ちが束縛されているそんな感じだ。
「どうした顔色がよくないぞ」音椰が心配そうに聞いた。
「・・・皆、落ち着いて聞いてくれ」本間がゆっくり口を開いた。
俺たちは恐怖に心振るわせた。むしろ知らないほうが良かったのかもしれない。
俺たちは数分後羅生門の近くに戻っていた。「やっぱりだ」本間は無我夢中であたりを見渡す」
「本当なのか?」俺は心配で言った。「ここはあの男が勝手に作った電子空間なのか」
沈黙が続いた。しかし穏やかではない。いまとても内心ザワザワしていて気持ち悪いくらいだ。
「ああ」
「電子空間緊急用保護プログラムがもう少しで切れる」と長い沈黙を破り話を始めた。
「緊急用保護プログラム?」武田と音椰が同時に首を傾けた。
「ああ電子空間で痛みを感じないようにするシステムがあるだろ。さっきみたいに銃弾が当たっても痛くないシステム。まあお前のベルトは壊されてるけどな
と俺の腰を指でさして言った。
「通常、電子空間ではこのベルトに常に充電ができるような場所となってるんだ。普通の大気とは違うんだ」「だからここは臭いの」武田これは死臭だ。てか消臭機能使えよ…!!
「まさか、今俺たちは消音機能とかいろいろ使ってるけど、これも使えなくなって…」本間は軽くうなずいた。「そう痛みも感じるようになってくる」
「大正解だ4人の少年たちよ」
俺は背中に冷水をぶっ掛けられた以上の寒気を感じた。
「見つかったか」音椰がいった。「いや違うあいつは俺らの居場所を知っていたんだ」またまた本間が解説を入れようとした。「そうここは俺の電子空間だからな自由に設定できる」
「つまりお前らで遊んでいたんだよ」男は銃口をこっちに向けた。
【現実空間】
「現在、アクセスが不可能となっている電子空間ですが、電子空間管理局によると不正な空間が他の空間と連動して他のとの連絡をすべて遮断しています」
「ちょうどウイルスのような感じで感染しています」
夢なら覚めてくれ…俺たちの前には銃口が向けられている。