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ワガママ無双 ~面倒くさがりが転生したら、必要なスキルが勝手に生えて街と国ができていた件~  作者: 七瀬ミコト


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第44話 助けなかったから、前に進めた

 時間は、

 解決しなかった。


 だが――

 整理はした。


 あの街では、

 大きな改革は止められた。


 代わりに、

 小さな話から

 一つずつ始めた。


「自治は、

 倉庫から」


「物流は、

 一つの通りだけ」


「責任者は、

 三人に絞る」


 派手さはない。

 だが、

 誰も迷わなかった。


「……前より」


 市場の商人が言う。


「話し合う時間、

 増えたな」


「決まるのは、

 遅いけど」


「納得は、

 してる」


 街は、

 まだ不便だ。


 カリクスほど、

 回らない。


 だが――

 止まらなくなった。


 評議会。


 以前は、

 誰かの言葉を

 待っていた。


 今は違う。


「これで、

 いこう」


「失敗したら、

 戻せばいい」


「次は、

 どこだ?」


 “正解”は、

 探さなくなった。


 ある日。


 小さな問題が起きた。


 倉庫の分配。


 揉めた。


 だが――

 壊れなかった。


「……カリクスなら」


 誰かが、

 口にしかけて。


 やめた。


「……いや」


「うちは、

 うちだ」


 それで、

 話は進んだ。


 一週間後。


 視察団の一人が、

 静かに言った。


「……ノアは」


「正しかったな」


 誰も、

 反論しなかった。


 その報告は、

 ハブリスにも届いた。


 短い一文だ。


「外の街、

自走を開始」


 リリアが、

 それを読み上げる。


「……助けなくて、

 良かったですね」


 ノアは、

 市場で野菜を選びながら

 答えた。


「……助けたら」


「多分、

 止まってました」


 それだけだった。


 夜。


 宿の部屋。


 ノアは、

 いつものように

 ベッドに倒れる。


「……面倒って」


 独り言。


「避けると、

 強くなることも

 あるんだな」


 自分の話ではない。


 だが――

 どこか、

 重なっていた。


 この日。


 世界は、

 一つ学んだ。


 カリクスは、

 答えを出す場所ではない。


 考える余地を

 残す場所だ。


 ノアは、

 その評価に

 興味がなかった。


 だが――

 それが、

 一番厄介な影響力だと

 世界は気づき始めている。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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