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ワガママ無双 ~面倒くさがりが転生したら、必要なスキルが勝手に生えて街と国ができていた件~  作者: 七瀬ミコト


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第31話 街同士が、勝手につながり始める

 変化は、

 会議室では起きなかった。


 宣言もない。

 通達もない。


 ただ――

 道だった。


 朝。


 ハブリスの東門。


 門番が、

 首を傾げた。


「……今日、

 馬車多くないか?」


「多いですね」


 しかも、

 向かう先が

 同じだ。


 パンを積んだ馬車。

 木材を積んだ馬車。

 鉄材を積んだ馬車。


 来て、

 降ろして、

 また出ていく。


 方向は、

 ばらばらなのに。


 必ず、

 ハブリスを通る。


 市場。


 商人同士の会話。


「レグナから?」


「ああ、

 でも直接じゃない」


「ハブリス経由だ」


「……だよな」


 それが、

 当たり前の言い方だった。


 昼。


 ギルド。


 地図係が、

 机に地図を広げていた。


 線が、

 増えている。


 赤。

 青。

 緑。


 交易路。

 人の流れ。

 情報の流れ。


「……あれ?」


 彼は、

 思わず声を出した。


 線のほとんどが、

 一点に集まっている。


 ハブリスだ。


「こんなはず、

 なかったよな……」


 昔は、

 ただの中継点だった。


 選択肢の一つ。

 通っても、

 通らなくてもいい街。


 今は違う。


「ここ通らないと、

 遠回りになる」


 それだけで、

 人は選ぶ。


 午後。


 リリアは、

 報告書を見ていた。


「交易量、

 増えてます」


「はい」


「でも、

 特別な契約は

 結んでいません」


「はい」


「……なのに」


 数字だけが、

 正直だった。


「ノアさん」


 地図を持って、

 声をかける。


「これ、

 見てください」


 ノアは、

 地図を一瞥した。


「……線、

 増えましたね」


「はい」


「理由、

 分かりますか?」


 ノアは、

 少しだけ考えた。


 本当に、

 少しだけ。


「……近道だから、

 でしょうね」


 それだけだった。


 夕方。


 街の外れ。


 新しい宿が、

 建ち始めている。


 理由は単純。


「泊まると、

 翌日どこへでも

 行きやすい」


 それが、

 評判になった。


 別の街。


 村の寄り合い。


「市場へ行くなら?」


「ハブリス経由」


「危なくないか?」


「安全だ」


 もう、

 議論にならない。


 夜。


 宿の部屋。


 ノアは、

 ベッドに転がりながら

 天井を見る。


「……道って」


 独り言。


「人を

 正直にするな」


 遠回りは、

 嫌われる。


 面倒だからだ。


 この日。


 ハブリスは、

 線の中心になった。


 まだ、

 誰も「経済圏」とは

 呼んでいない。


 だが――

 地図は、

 もうそう描いていた。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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