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ワガママ無双 ~面倒くさがりが転生したら、必要なスキルが勝手に生えて街と国ができていた件~  作者: 七瀬ミコト


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第2話 売っただけなのに、街が元気になりました

 翌朝。


 街が、少しうるさかった。


 いや、正確には――

 人の声が増えていた。


「……?」


 宿の窓から外を見ると、

 露店の前に人が集まっている。


(朝から?)


 昨日までは、

 こんな光景はなかったはずだ。


 宿の食堂に降りる。


「おはようございます!」


 宿の主人が、やけに元気だ。


「……何かありました?」


「肉ですよ、肉!」


 主人は笑顔で言った。


「昨日、大量に入ったでしょう?

 あれのおかげで仕込みが楽で!」


 テーブルに置かれた皿を見る。


 スープ。

 パン。

 厚めの肉。


「……昨日まで、

 こんな量じゃなかったですよね」


「ええ!

 久しぶりですよ、こんなの!」


 主人は楽しそうだった。


(……俺のせいか)


 だが、

 困っている様子はない。


 なら問題ない。


 街を歩く。


 露店が増えている。


 昨日まで閉まっていた店が、

 開いている。


 肉屋。

 革屋。

 簡易防具屋。


「素材が安くなったらしくてな!」


 商人が、

 声を張り上げている。


「今日は仕入れが多い!」


(……昨日、

 そんなに売ったか?)


 数は覚えていない。

 数えるのが面倒だった。


 ギルドに顔を出す。


 中が、少し騒がしい。


「依頼が増えてる……?」


「素材があると、

 冒険者も動けるな」


 受付の女性が、

 俺を見るなり苦笑した。


「……ノアさん」


「はい」


「昨日の件ですが」


「はい」


「しばらく、

 ダンジョンの間引きは

 余裕ができました」


「それは、

 良かったです」


 それ以上でも、

 それ以下でもない。


 昼。


 露店の前で、

 子どもたちが肉串を食べている。


「うまっ!」


「久しぶりに腹いっぱい!」


 笑っている。


(……まあ)


 悪い気はしない。


 だが、

 それ以上でもない。


 午後。


 商人に声をかけられた。


「あんた、昨日の冒険者だろ?」


「はい」


「今日も行くのか?」


「たぶん」


「助かるよ」


 それだけ言って、

 商人は去っていった。


(……助かる、か)


 俺は、

 助けるつもりで

 やったわけじゃない。


 処分しただけだ。


 夕方。


 街の外れに、

 簡易的な解体場が作られていた。


 木の柵。

 作業台。


 人が集まって、

 手分けしている。


「……早いな」


 誰に指示された様子もない。


 必要だから、

 勝手に出来た。


 それが、

 一番効率がいい。


 夜。


 宿で、

 いつもより賑やかな夕食。


「最近、

 街が少し明るいな」


 誰かが、そう言った。


「気のせいだろ」


「でも、

 悪くない」


 俺は、黙って肉を食べた。


 うまい。


 それだけで、

 今日は十分だ。


 この日。


 まだ誰も、

 街の名前を変えようとは

 思っていなかった。


 だが、

 確実に一つ。


 この街は、

 昨日までの街ではなくなっていた。


 原因は一つ。


 俺が、

 「面倒だから」

 ダンジョンに行っただけ。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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