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ワガママ無双 ~面倒くさがりが転生したら、必要なスキルが勝手に生えて街と国ができていた件~  作者: 七瀬ミコト


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第12話 海の街は、だいたい察していた

 海洋都市・マレア。


 港を見下ろす高台の建物で、

 数人の男と女が円卓を囲んでいた。


 全員、派手さはない。

 だが、

 身に着けているものは質がいい。


「……内陸で、

 生魚が流通しているそうだ」


 白髪交じりの男が、

 淡々と言った。


「魔導保冷箱の応用か?」


「いいえ」


 別の男が首を振る。


「量が合わない。

 損耗率も低すぎる」


 卓の上に、

 一枚の紙が置かれる。


 流通記録。


「ノアんとこ――

 現在は“ハブリス”と

 呼ばれている街です」


「……名前、

 もう付いてるのか」


 小さな苦笑が、

 卓を巡った。


「問題は、

 魚そのものではない」


 女が、

 指で紙を叩く。


「再現され始めていることよ」


「中継」


「複数の商人」


「護衛込みのルート」


 どれも、

 見覚えのある単語だ。


「誰が主導している?」


 白髪の男が聞く。


「……それが」


 報告役が、

 少し言い淀んだ。


「特定できません」


「……?」


「街の運営者は分散。

 冒険者、商人、職人が

 勝手に動いている」


「中心は?」


「一人、

 ノアという冒険者がいます」


 その名に、

 反応した者はいない。


 それが、

 逆に異常だった。


「力の集中は?」


「確認できず」


「命令系統は?」


「不明」


「独占?」


「していません」


 白髪の男が、

 ゆっくり息を吐く。


「……厄介だな」


「排除する?」


 誰かが言った。


 即座に、

 否定が飛ぶ。


「理由がない」


「敵意がない」


「利益は出ている」


 沈黙。


 そして、

 女が言った。


「使うべきでしょう」


「だが」


 白髪の男が、

 釘を刺す。


「主導権は渡すな」


「彼らは、

 “楽な方”を選ぶ」


「それは、

 我々にとっても同じだ」


 誰も、

 反論しなかった。


「接触は?」


「まだ不要です」


「まずは、

 様子を見る」


「数字を追え」


 それが、

 結論だった。


 一方。


 ノアんとこ――ハブリス。


 ノアは、

 宿の一階で

 のんびり飯を食っていた。


「魚、

 今日は多いですね」


 宿の主人が言う。


「そうですね」


「最近、

 安定してきまして」


 それは、

 良いことだ。


 少なくとも、

 ノアにとっては。


 リリアが、

 小声で言った。


「……海の街、

 動いてます」


「そうですか」


「気にしてます」


「でしょうね」


 それだけだ。


 ノアは、

 スープを一口飲んだ。


「……まだ、

 来ませんよ」


「え?」


「本気なら、

 もう来てます」


 リリアは、

 少しだけ考え、

 頷いた。


「……確かに」


 この日。


 海洋都市は、

 敵でも味方でもない

 位置を取った。


 それが、

 一番賢い選択だと

 分かっていたからだ。


 そしてノアは、

 そのことを

 特に気にしていなかった。


 魚がうまければ、

 それでいい。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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