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第十三話 魔法学園で友達ができました

「聞いたよ〜、二人共〜。壁に穴開けたんだって〜?」

「俺も聞いたぞ。結構噂になってるからな。訓練場の壁に穴開けた新入生が二人いるって」


私とアルデーヌは律とフォーカスにいじめられていた。

今は昼休み。

食堂でみんなでご飯を食べる約束をしていたのだが、午前の授業であんな事があったから、二人に若干バカにされている。


「力加減ミスっただけだよ。もう、からかわないでよ〜」

「そんなゆるく言っていい問題なのか?これ」


フォーカスが呆れたように言った。


「だって、全力でってやってみたかったんだもん……」

「全力でやったら壁に穴開くって分かるだろ、普通」

「マジで自分の力量分かってなさすぎて怖いんだけど」


非常にいたたまれなさを感じている私とは対照的に、アルデーヌはピンピンしている。

なんでだ?

私があまりにも不思議そうにしているのに、アルデーヌが気づいた。


「なんですか?」

「いや、こんな風に茶化されても平然としてるの凄いなーと」

「ああ、俺は慣れてるんですよ」

「慣れてる?」

「はい。昔から魔力の制御に失敗して、色々なものを壊してきましたから」


アルデーヌはさらっと言った。

あー、異端児である彼は魔力制御ができてなかった頃、きっと私よりもいろいろなものを壊しているだろう。

実際、王立魔導師団の塔に引き取られたあとも、度々アルデーヌが壁を破壊した、本棚を粉砕した、などの報告は来ていた。

まあ、魔導士団長があんな感じだからよく茶化されてたのかな。


「家に帰ってからも父の執務室の窓とか、庭の石像とか破壊してました」

「結構やらかしてるじゃん……」


律がドン引いている。


「あの頃は魔力の制御が全くできなくて……。でも、今はちゃんと制御できるようになったから、大丈夫です!!」

「いや、今日壁に穴開けてたらしいけど……」


フォーカスがツッコんだ。

あれは制御というより威力では……?


「ところで、お前ら友達はできたか?」


フォーカスが訊いてきた。

律は笑顔で頷いたが、私とアルデーヌは思いっきり顔を背けた。


「王女がボッチってマジかよ」

「ま、まだ二日目だから」

「言っておくが、お前らの状況かなりやばいぞ。壁に穴開けた人間離れした魔力持つ奴らと誰が仲良くなりたがる?」

「それを言ったら終わりなんだよ、フォーカス殿」


私はあまりの状況の悪さに顔をしかめる。

確かに壁に穴開けるほどの魔力持つ人とは進んで仲良くなりたくないよね……。


「えー、でもでも〜!私はすごいと思いましたよ〜!」

「そうね、確かにあれほどの魔力を持っているのはすごいことだもの」

「びっくりしたけどすごかったもんな〜!!」


私を慰めるような言葉が聞こえてきて、私は振り向いた。

そこには教室で見たことのある女の子二人と男の子がいた。

クール系女子とかわいい系女子。

あと元気系男子かな。


「こんにちは!王女殿下、アルデーヌ様、フォーカス様、リリアーナ様!」

「こ、こんにちは……?」

「私はハゲテール伯爵家のメルリ・モア・ハゲテールです!!」

「シシュナ王国第四王女のセレーネ・エラ・シシュナです」

「アバズレー子爵家のオスカー・ガザ・アバズレーでーす!よろしく!!」


もう私はツッコまんぞ。

絶対にツッコまんぞ。

この国の貴族の名前には慣れた。

もう何も感じない。

たぶん。


「えっと、メッチャツオイ王国第一王女のリディール・セア・メッチャツオイです」


私は笑顔で挨拶した。


「わぁ!本物の王女殿下だ!!」


メルリ様が目を輝かせている。


「私、ずっと王女殿下に憧れてたんです!平民差別をなくしたり、異端児を救ったり……すごいです!」

「あ、ありがとう……」


私は照れくさくなった。


「お会いできて光栄です、王女殿下。シシュナ王国にもあなたの噂は届いていますから。尊敬しています」


セレーネ様は上品に微笑んだ。


「俺も尊敬してます!壁に穴開けるとかめちゃくちゃかっこいいじゃん!!」


オスカー様が興奮気味に言った。

なんだろう。

破壊に興味を持つお年頃なのかな?

なら仕方ないけど。


「あれは事故だから……」

「事故でもすごいって!普通の人にはできないもん!すっげぇや!!」


オスカー様は全く引いていない。

むしろ尊敬の眼差しで見ている。

フォーカスと律がマジかよという顔をしているけど気にしないでおこう。

メリル様が私の手を掴んだ。


「アルデーヌ様、王女殿下……。もしよかったら、私達と友達になってください!」

「え?いいの?」


あまりにも突然の申し出に、少し戸惑ってしまう。


「もちろんです!」

「私もぜひ」

「俺も俺も!」


みんなは私に優しい笑顔を向けてくれた。

よかった、怖がらせてなくてよかった。


「じゃ、お……私はこのあと用事があるから先に行くね」

「あ、うん」

「ばいばーい」

「ばいばい、リリアーナ」


律は食器を乗せたおぼんを持ってどこかへ行った。

それより、もしかしてセレーネ様ってセティルド様の妹さん……?


「あの、セレーネ様ってセティルド様の妹さんであってます?」

「ええ」

「兄様は名前を変えて留学していらっしゃるんですか?Sクラスにセティルド様の名前がなくて……」


私がそう訊くとセレーネ様は怪訝な顔をした。


「?お兄様が名前を変えて留学?何のことですか?兄様はもう――」

「セレーネー!!会いたかったぁ!!」


見知らぬ人がセレーネ様に抱きついた。

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