第八話 魔法学園の先生はキャラが濃いです
私は私のところに来た教科書をアルデーヌの前に置いた。
そして、ピシッと手を挙げた。
「先生、すみません。教科書が届いていないのですが……」
……え?
「……あら、本当?ごめんなさいね。すぐに渡すわ」
先生はすぐに私に教科書を渡してくれた。
今、アルデーヌを睨んでたような……。
「さて、みなさん。魔法の仕組みを知っていますか?これは答えてもらいましょう。リディールさん、答えられますか?」
初手私!?
びっくりだな。
子爵、男爵あたりが当てられるものだと思ってたから。
平等であることをアピールしたかったのかな。
私は立ち上がった。
「魔法は自分の魔力を精霊に借りた力と組み合わせて、現象を起こすものです。魔力が多ければ多いほど強力な魔法が使えますが、制御を誤れば暴走します」
「完璧です。まるで模範解答のような解答でした」
「ありがとうございます」
私は席に座った。
こんな基礎的なことはもう知ってるよ。
王族教育で習ったんだよねぇ。
先生が話を続ける。
私は窓の外を眺めながら、先生の話を聞いていた。
中庭には上級生の姿が見える。
あ、あそこにいるのってフォーカス?
二年生であることを象徴する色のマントを羽織っているフォーカスが、何人かの生徒と話している。
『リディール、退屈そうね』
リュミエールが精霊体で私の肩に座った。
「だって、もう知ってることばかりなんだもん」
『仕方ないわね。七年も公務と王族教育の繰り返しだったものね』
「はぁ……今年は楽しい学園生活を送りたいな」
『きっと大丈夫よ』
リュミエールがそう言ってくれるけど、なんだか不安だ。
朝の結界の件もあるし、誰かが何か企んでいるのは確実。
しかも、その誰かはこの学園にいる。
私は教室を見回した。
この中に、結界を張った犯人がいるのかもしれない。
でも、誰が犯人なのかは分からない。
ふと隣を見ると、アルデーヌが真面目に授業を聞いていた。
でも、エルミナ先生がこちらを見たときだけ、アルデーヌは顔を伏せていた。
◇◆◇
一時間ほど授業を受けた後、休憩時間になった。
「それでは、十五分間休憩です」
エルミナ先生が教科書を閉じると、生徒達が一斉に動き出した。
「ねぇねぇ、王女殿下に話しかけていいのかな?」
「無理でしょ。王族だよ?」
またそういう話になってる。
やっぱり王族に話しかけるのは気が引けるのかな。
私が席を立とうとするとアルデーヌは、私の袖を引っ張った。
「……?どうしたの、アルデーヌ?」
「一人にしないでください」
ん?
アルデーヌってこんなキャラだっけ!?
可愛いな、今のセリフもう一回言ってほしい。
「アルデーヌさん」
「…………」
エルミナ先生が私達の元へ来た。
名前を呼ばれたのにアルデーヌは返事をしない。
さっきのアルデーヌの態度といい、もしかしてアルデーヌをいびってた親戚とか!?
あり得る……。
エルミナ先生はアルデーヌにいきなり抱きついた。
「え!?」
「うわぁ……」
「もうっ!アルくんってばなんで私が担任なのに反応してくれないの〜!?」
え?
え?
何が起きてる?
アルデーヌは先生を引き剥がそうとしているが、先生は微動だにしない。
「テメェ、俺の担任だって知ってただろ。どうりで最近テンションが高かったわけだ。とっとと離れろ!!」
今、私の可愛いアルデーヌくんから乱暴な言葉が聞こえたような……。
え?
「やだやだ〜!アルくんと私は一心同体なんだから〜!!」
「キ・モ・イ!早く離れろ!暑苦しい!」
「アルくんは私が担任で嬉しくないの〜?」
「嬉しいわけねぇだろ!触んな!地味なアピールしてくんな!離れろ!!」
「アルくんってば口悪ーい!でもそこが好き〜!婚約して〜!!」
「しねぇよ!!諦めろ!!」
アルデーヌの叫び声が教室中に響き渡った。
Sクラスの生徒達が、ぽかんと口を開けて固まっている。
そりゃそうだ。
入学初日、担任教師が生徒に抱きついて、その生徒は全力で拒絶してる状態なんて、前代未聞だ。
「アルくん、そんなに照れなくてもいいのに〜」
「照れてねぇ!!離れろって言ってんだろ!!」
エルミナ先生はアルデーヌにしがみついたまま、頬ずりしている。
……うん、これは完全に親戚のアレだ。
私はそっとアルデーヌの袖を引いた。
「アルデーヌ、先生……親戚なんだよね?」
「……ええ。父の姉の娘です。コイツ昔からこうなんですよ。俺が嫌がれば嫌がるほど喜ぶタイプの……」
あ、ドMなのね……。
エルミナ先生が私を見た。
「リディール王女殿下〜!ずっと前からお慕いしておりました〜!私のクラスになるんなんて運命ですね〜♡」
「運命じゃないです!!」
私は全力で否定した。
標的にされるのはごめんだ。
ていうか先生のイメージが全然違うんだけど!?
もっとクールだったよね!?
「王女殿下、アルくんのことよろしくお願いしますね〜。この子、昔から可愛くて可愛くて」
「可愛くねぇ!!」
「昔は私の夫になるんだって言ってたのに、今では別に好きな人がいるっていうんですよ〜?薄情だと思いませんか〜?」
「言ってねぇ!!記憶改ざんすんな!!リディール様に変なこと言うな!!」
教室がざわつく。
それによって、どれだけの醜態を自分が晒しているのか、アルデーヌは気づいたようだ。
「アルデーヌ様ってあんなキャラだったの……?」
「もっとクール系かと思ってた……」
「先生にだけ態度違いすぎない?」
アルデーヌは机に突っ伏した。
「もぉぉお゙お゙……死にたい……」
「えっと……アルデーヌ、元気出して」
「無理です……」
流石に可哀想に思えてきた。
先生はアルデーヌから離れた。
「流石に私にも仕事があるし、もう行くね」
「とっとといなくなれ」
「ひっどぉい!!じゃあね、アルくん、リディール王女殿下、可愛い生徒のみんな♡」
嵐のような人だったな……。
みなさん!!新年、あけましておめでとうございます!!明けちゃいましたね〜(笑)私は正直明けてほしくなかったです。小説投稿をしている私ですが、一応は受験生でして……。一月下旬に私立入試、二月下旬に公立入試を控えてるんですよ……。活動休止も考えましたが、なんとか続けたいなと思いました!なので小説投稿と受験勉強、どっちもも頑張りたいと思います!!同じく受験生のみなさんも頑張ってください!!ちなみにおみくじは中吉で学業欄には「成果は出る。努力せよ」って書かれてました。神様に応援されたので、第一志望合格を目指します!!今年もよろしくお願いします!!




