第99話 勇者、敵との戦闘に参加する。
「ゴゥギャー!!」
オーバーロードたちの攻撃は次々と謎の化け物の生命力を削っていく。
「この調子なら、本当に勝てるんじゃない!!」
「いや、こいつはまだ本気じゃない···」
楓は勇継の言う意味を勇継に問い始めようとした時、偶然にもその答えを見ることになった。
「ギャローン!!」
謎の化け物は突然、大声で吠え始めた。その瞬間、洞窟内にいる謎の化け物以外の者の時間が遅くなった。
何?この体が重く感じるのは。
「これがあの化け物の本気だ。自身の声で時空を歪ませ、他者の時間を遅くする」
「これじゃあ、攻撃するどころか守りさえ十分に出来ないじゃない···」
オーバーロードたちや楓が遅い時間に苦しんでいる中、謎の化け物は容赦なく楓たちに襲いかかる。
━━━カキーン!!
謎の化け物の攻撃を何者かが跳ね返した。
「どういうことだ?」
何もないところから、うっすらと神黒の姿が現れた。
「たまたま俺にはその効果が反映されていないようだな···」
神黒は謎の化け物の額に影之一零式・改を打ち付ける。
謎の化け物は神黒の攻撃によって後ろへ倒れる。その瞬間時間が遅く感じていた楓たちの体は元のように動き始めた。
「元に戻った!?」
「攻撃を当てたからなのか?」
「それよりも、どうして神黒には効果が無かったんだ?」
「恐らくだがあの化け物の視界にいる者の時間を遅くするんじゃないか···」
神黒が言い終えると誰にも話す猶予を与えずに謎の化け物が再び大声で吠え始めようとしていた。
「みんな!あいつの視界に入るな!!」
神黒と勇継で洞窟内にいる侍たちに呼びかけ、みなで避ける。
神黒の予想通り、謎の化け物が吠えても変化が起こる様子は無かった。
「よし!これなら戦える!」
次々と侍が謎の化け物に攻撃を与えていく。化け物の体力は確実に減っていき、化け物の反応も体力が減っていくに連れて遅くなっていった。
「この調子で倒そう!!」
オーバーロードたちの攻撃は化け物の体力を削り、どんどん化け物を追い込んでいく。
「これで終わりだ~!!」
勇継が決めの攻撃を当てようとした時だった。謎の化け物が謎の光に包まれた。
「カッカッカッカ!!」
光の方向から謎の声が聞こえ始める。
「君たち!よくぞ我のペットを死ぬ寸前まで追い込んだ!!その強さを称え、我が相手をしようじゃないか!」
顔に二本の角と長い爪を生やした者が空を飛びながら話しかけてきた。
「お前は誰だ!」
勇継ぐの言葉を理解したらしく、答え始める。
「我の名はエルドラン。闇の中から這い昇ってきた特級悪魔である」
「あ・く・ま?何だそのふざけた名前は!!」
「ふざけてなどない!お前らは誇り高き悪魔族を知らない下等種族か!!」
「こいつと話しているとイラついてくる!何だこのセンスのない服を着たやつは!!」
「今我を侮辱したな!悪魔でさえ分かることは分かるぞ!!」
「とりあえずこいつが主犯なら、倒すしかないな···」
紅蓮の鉄拳のリーダーであるケルディールの言うことに頷くエルドラン。
「そうだ!この事件を起こしたのは私である!下等生物よ抗い続けろ!!」
エルドランがそう言うと、次々と黒い球を神黒たちのいる方向へ撃ち込むのであった。




