第95話 勇者、クエストわ受ける。part2
「そろそろ目的の洞窟に着くはずだ···」
神黒たちは目的地まで歩いていると木の影から洞窟の入り口が見え始める。
「あれじゃないの!!」
「そうっぽいな···」
神黒たちは洞窟を中心に半径500m以内の草むらを探し始めた。
「神黒さん!その俊足草って言うのはどんな草なの?」
「依頼書には青く水のように清らかな姿をしているらしい。俺も見たことが無いから詳しいことは分からないが···」
神黒が楓に俊足草の特徴を伝えながら捜索していると、俊足草らしき草が一輪生えていた。
「もしかして、これじゃないか!見てくれ楓!」
「特徴が依頼書と一致するわね」
「とりあえずこれと同じ···」
神黒は誰かの気配を感じ、咄嗟に草むらに潜んだ。
どこからか複数人の足音が聞こえてくる。人数は8人、いや9人か···。良く見るとあれ、オーバーロードの人たちじゃないか!?
「なぁ〜。今日はどんなクエスト受けるんだっけ?」
「勇継様!あなたが持ってきた依頼でしょ!何であなたは依頼の詳細を分かっていないのですか!」
「緊急クエストって書いていたから、早くやらないとと思って······すまん!」
「あなたがそういう人と言うのは分かっていましたから、今回の依頼内容を再確認しましょう」
「ありがとう、稜志は頼りになるな~」
稜志はため息を吐きながら、手持ち袋から依頼書を取り出す。
「今回のクエストはそちらにいる紅蓮の鉄拳さんとの合同クエストです。何やら初級ダンジョンの1層や2層の高層部で侍の消息不明事例が多く挙げられたため、その調査を頼まれたと言うわけです!」
「分かりやすくて頼もしいぜ!」
「勇継様行きますよ!」
「おう!!」
オーバーロードと紅蓮の鉄拳の面々は洞窟の中へ入って行ってしまった。
「ここだったんだな、フェリアの言ってた洞窟って···」
神黒たちはオーバーロードの姿が消え去ると草むらから出て、先ほどまでやっていた俊足草の採取を再開するのであった。
「オーバーロードさん大丈夫ですかね~?」
「ベテランだし、大丈夫だろ···」
無我夢中に俊足草を探し回っていると、洞窟の方向から大きな悲鳴音が響いた。
「本当に大丈夫なのかな···?」
「少し中を覗きに行ってみるか···」
神黒たちは洞窟の中の様子を見るためにダンジョンの入り口へと向かった。
中は悲鳴音が響いたとは思えないほどに誰の姿もいなかった。
「勇継たちが妖怪たちを一掃した時の妖怪の悲鳴音だったのかもな···。戻って俊足草の採取の続きをするか!」
「うん···」
楓は先ほどの悲鳴音を些か気になったものの、神黒と共に洞窟の外へ戻っていったのだった。




