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視聴天性  作者: おらた
大山蛙退治編
92/168

第92話 勇者、水色の生物と戦う。

「炎刃!」

 神黒の放った炎の刃は山賊たちの曲刀を切り裂く。

「秘技、月の輝き!」

 オリオンという名の男は自身の刀を黄色く輝かせる。山賊たちは男の持つ刀の光に目をやられる。オリオンはその隙に山賊たちに斬りかかる。

 両者ともとてつもない速度で次々と山賊を狩っていく神黒と男は遂にすべての山賊を倒してしまった。

「助太刀感謝する!お名前を聞いてもよろしいか?」

「俺は一風神黒!俺と共に旅をしている楓と桜だ。クエストを受けて、目的地へ向かっている最中に山賊に襲われているあなたを見かけて助太刀した」

「もし時間があるのなら、お礼がしたいところ何だが、今は少々急いでいてな。すまない!」

「あんまり気にするな!あんた、姫さんを追わなきゃ行けないだろ···」

 オリオンという男は神黒に向かってお辞儀をして先ほどお姫様が逃げていった王都側へ走って行った。

「俺らも行くか!」

 神黒は楓たちを連れて、北の草原へと歩きだした。


「着いたようだな···」

 神黒たちの目の前に広がっていたのは果てしない草原に1本の樹木が天高く伸びていた。

 依頼書によると水魔の特徴は体の組織がすべて液体で出来ているため、形が自由自在に変わることができ、炎や風の系統の術が効かず、剣などの斬撃にも強いらしい。だが、物理攻撃に弱いため、初段の俺らでも安全に倒すことが出来るらしい。

 もう一つのパラリシス草は麻痺ポーションの原材料となる草で、湿地に面している場所で生えることが多い。採取する際は直接触らずに何かを挟んで採ることをオススメすると書かれていた。

「とりあえず湿地を探すか!水魔も居そうにないし···」

 神黒たちはパラリシス草を探しに歩き回った。川沿いに湿地帯が良くあるため、神黒たちは川を探す。

「全然見つからないよ!川なんてあるの、この草原の中に···」

「まぁ、この草原一面の場所から少しずつ探すのは無理もあるか、とりあえず山のある方向へ行くか」

 神黒は楓たちを引き連れ、北の山脈付近を目印に歩いていく。

「全然無いな~···」

「無いね···」

「もう探すの止める?」

「クエストどうするのよ!」

「まぁまぁ、ちょっと待ってろ!」

 神黒は視界の端に点在しているタブを開き、ここ一帯の地図を広げる。地図には正確な地名や方位などが示されている。

 神黒は地図の中から湿地帯でありそうな場所を探した。少しの時間地図内で探していると湿地帯らしき場所を見つけたため、神黒は楓たちを呼び、湿地帯のある場所へ向かった。

 神黒の向かった場所にはちゃんと湿地があり、鑑定スキルを使うと至るところにパラリシス草が生えていた。

 依頼書通り20個のパラリシス草を採取し、湿地帯から出ようと神黒たちが動いた時だった。

 目の前に青く澄んだ色の謎の生物が歩いていた。

━━━ニョロニョロニョロ。

 周りにある草を溶かしながら、ゆっくりと進んでいる。

「もしやあれが水魔という妖怪では!!」

 神黒たちは未知の存在と出会ったため、依頼書に記載された特徴と一致するかもう一度、再確認した。思った通り、そこにいたのは紛れもなく水魔の特徴を持った生物であったため、神黒たちはゆっくりと無形の生物に近づいて行く。

「水魔は逃げ足も早いから、狩る時は気付かれないように一撃で決めるんだぞ」

「分かった!」

 楓は忍び足で水魔に近づき、左手に持っている盾で水魔を押し潰す。

 押し潰された水魔は四方に分散していき、小さな宝石のような物体が現れた。

「これって魔石!」

「そうだな、この魔石を集めて侍処に持っていけば、クエストの達成報告が完了できる」

 こうして神黒たちは数時間の時を経て、水魔を10匹退治することに成功した。

 神黒たちは討伐した水魔からドロップした魔石を持って、ドラン国へと戻るのであった。

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