第89話 勇者、まさかの人物?に合う。
神黒は借りた宿屋の一室でただ一輪の花を見ていた。
なぜかと言うと遡ること一時間前···。
俺は今日の完治草のクエストで蓄えた疲れを解消するためにクエスト成功証明を素早く終わらせて、すぐに宿屋を借りに向かった。
宿屋の部屋を二室借りた俺らはすぐにベッドに横たわった。
俺はゆっくりと眼を閉じようとすると視界の右側が突然輝きだしたんだ。
輝いた方を向くと俺のリュックが光っていたから光るものを取り出すと今日摘んだ完治草が輝いていた。
「何だよ、眩しすぎて何も見えない!!」
徐々に光が弱くなっていって、光っていた完治草の姿は青く澄んだ色に変わっていた。
「クエスト用紙の情報と一致した色合いだ!だが、なぜ今頃?」
神黒は自身の持つ鑑定スキルを使用して、完治草を調べ直した。
━━━━━━━━━
【完治草】イザナミの姿
イザナミの祝福を受けた完治草の本当の姿。イザナミの祝福を受けた完治草はどんな病もキズだって一瞬で治してしまう。
【ウェポンスキル】
・イザナミの祝福
・完全治癒
━━━━━━━━━
「完全治癒!?イザナミの祝福!?」
神黒は突然のことに動揺してしまった。
━━━コンコン!
部屋の扉の方からノック音が聞こえてきた。
神黒がベッドから降りて、扉をゆっくりと開くと宿屋の主人が立っていた。
「なんでしょうか?」
「お客様···もう少し音量を下げてくれますか!」
「申し訳ありません···。以後気を付けます」
神黒は静かにベッドの下へ戻るのであった。ベッドにゆっくりと座り、完治草をじっと見ていると草の根から何かが伸びてくる。
何だ!
草の根から人の顔のようなものが伸びてきだすと、口から言葉を喋りだした。
「やぁ!名も知らぬ者よ我が祝福を施されし草を摘んでくれてありがとう!」
「あの、あなたは誰なんですか?」
神黒は誰なのか予想はできたが外れて欲しくて聞いてみた。
「我が名はイザナミ。訳あってこの完治草に魂を宿らせている」
神黒は酷く落ち込んでしまった。
「なぜそんなに落ち込む?」
「完全治癒を与えるほどに凄い神だと思っていたのに、こんな小さい草に宿っているなんて···」
「そんなに落ち込むことか、そこは?」
「大事だ!」
━━━ゴンゴン!!
「ごめんなさい···」
「とりあえず、何のようで生えてきた?」
「それはもちろん君に私の力を授けるためだ。もう我も前線を退いた者よ、力は他人に譲渡するべきだと思っていたのだ!適正者を探しておったんじゃが、中々おらんくてのぉ〜。そんな時に君に摘まれたのじゃ!」
俺は適正者に選ばれたのか···。なぜ選ばれたのかは分からないが少しこの神様の話を聞いておこう。
「どんな能力何ですか、その譲渡するものは?」
「貰う気になったのか!良いじゃろう、今から君に譲渡するのは、回復術式と自然開花じゃ!回復術式は名の通り、回復術の唱え方と言うわけだ。もう一つの自然開花は水、土に関する術の力を扱えるようになるに連れて、通常とは桁違いの膨大な魔力を手に入れられる能力じゃ!中々良い能力であろう。譲渡を受け入れるか?」
「お願いします!俺にその能力を···!」
「分かった!そなたの希望承った、我の力を少し人に与える。この力を与えたものに祝福を!!」
イザナミが意味の分からない呪文を唱えると周りが光り始めた。




