第88話 勇者、完治草を探す。
「見つからないな···」
━━━ガサゴソ、ガサゴソ。
草原で草を探す音が耳近くで鳴り続ける。
神黒は先ほど貰ってきたクエスト用紙の概要をもう一度確認する。
「確かにここには他の草に隠れるように生息していると書かれているのだが···?」
しょうがない!裏技使うか〜。
神黒は右下にひょっこり視線に映るウィンドウを開く。
神黒はウィンドウから表示されるスキル欄から閲覧スキルの派生スキルである鑑定スキルを選択する。
鑑定スキルの効果によって、視界に映る草や木々、動物などの名前が表示された。
「さぁーて、完治草はどこだ~?」
神黒は鑑定スキルを挟んだ視界で色々な物体を見る。
「ユリ草やベリ草、中々完治草が無いな~」
神黒は鑑定スキルを使用しつつ、周りを散策するものの、中々見つけることが出来ない。
「楓~!見つかったか?」
「全然見つからないよ!本当にこんな草存在するの?」
「クエストで掲示されているからあるんだろうけど···」
神黒たちは見つからない完治草を探し続けていると、桜が突然神黒に話しかけた。
「神黒さ~ん!見つけたよ、完治草~」
「マジかー!ナイス!!」
「な·いす···?」
そうか!?この世界の人は和風テイストの人が多いから、ナイスとか言わないのか。
「良く見つけたってこと。ちなみにどこら辺にあった?」
桜は完治草のあった場所を指差した。
指差された場所は少し淀み腐った木や枯れた草が生えている、完治草があるとは思えない場所であった。
神黒は1割も満たない期待を胸に鑑定スキルでその場所を覗き込むと、大量に生えている完治草を発見する。
「おい、マジかよ······」
唖然とする神黒にそっと完治草を受け渡す桜は完治草を摘んだ所へ歩む。
神黒たちも着いていくように進む。
「この完治草、クエスト用紙に載っている絵とはまったく違うんだが···」
ここで何が起こっているか分からないがとりあえずクエスト採取分は摘んどくか···。
神黒たちは完治草を摘み取ると侍処へ戻り、クエスト完了報告をカウンターにいる受付嬢へ言いに向かった。
「確かに完治草10個ありますね!色や形は違いますが、確かに完治草なので報酬の八千ユリンお渡ししますね!」
神黒たちは受付嬢から報酬を貰うと捜索の疲れが出たのか、すぐに宿屋を借りに侍処を出ていくのであった。




