第84話 勇者、王様に合う。
謎の男に連れられ、王城に向かうことになった神黒たち。
「そろそろ説明くらいしてくれても良いんじゃないんですか?」
謎の男は沈黙を貫く。黙り込んだ謎の男は無言で王城の門を叩き出した。
「何者だ!」
「秘書のダイモンだ!開けてはくれないか?」
「ダイモン様でありましたか!?これは失敬、今すぐ門を開けるんだ」
門番は頭上にいる兵士に門を開けるように命令すると、大きな門が開かれる。
「話は後程じっくりするので今は王子様の下へ共に来てください!!」
ダイモンという男に連れられ、王子様のいる部屋へ連れてかれる。
━━━コンコン···。
「誰だ!」
「秘書のダイモンでございます。殿下にお伝えしたいことがあり、参上した次第です」
「入ってよい!」
「ありがたき幸せ!もう一つ願いがあります。お伝えの件について関係者を呼んでいます、その方も立ち入ることを許して頂きたいのですがよろしいでしょうか?」
「分かった、そ奴も入って良い!」
「寛大なお言葉ありがとうございます。それでは行くぞ神黒くん」
神黒はダイモンと共に重々しい扉の向こうに入り込んだ。中は黄金の家具に高級そうな絵画が複数置かれていた。
「我もあまり時間が取れない、手短に話して貰えぬか?」
「分かりました。お伝えする内容はドラント様の遺言書の発見です」
髪型を整えていた王子様がドラントさんの名を聞いた瞬間、目を見開きながらこちらを向いた。
「それは本当か!?ドラント王の遺言書と言うのは···」
「本当でございます。鬼山の洞窟にて生涯を終えたことが確認されています」
「そうであったか、連絡ありがとう!遺言書を見せてはくれないか?」
神黒は手に持っていた遺言書を王子様に渡す。
「ふむふむ。そなたがこの手紙をここまで持って来てくれたのか。ありがとう!ドラント王に、代わって感謝する!」
「いえいえ、ドラント王にはお世話になったので、当然の行いをしたまでですよ!」
「それではこれから遺言書に基づき、王城の新当主の誕生を祝した御茶会を開きましょう。その際は神黒さんにも来ていただきたい。それでは私たちはこれから開催する御茶会の準備を致しますので、また後でお会いしましょう」
そう言うと神黒は部屋から追い出されてしまった。
「おい、俺一人をここに置いていかないでくれよ。とりあえず門の前で待っている楓たちと合流しよう」
神黒は楓たちと合流するために門の方へ向かった。
「神黒さ〜ん!大丈夫でしたか~?」
「大丈夫だ!心配させてすまない」
「あの人は誰なんですか?」
「この国の王の秘書らしい。なぜか王城の新当主の誕生を祝してこれから御茶会を開くらしいんだが俺たちも呼ばれてしまったから行くことになった」
「えー!?」
楓たちは王さまからの招待にびっくりしてしまったようだ。




