第81話 勇者、村の朝を迎える。
太陽の眩しい光に起こされるように眼を覚ました神黒は、ルーティン化した朝の作業に勤しむ。
歯磨きと朝の準備体操を終わらせた神黒は宿屋から出て、村人が朝食を食べに集まる小食堂に向かって歩いていった。
向かっている途中でボーッとしながら歩く楓たちが小食堂へ向かっているところに出くわした。
「おはようございます神黒さん······」
「おはよう、楓たちは良く眠れたか?」
「それなりには···」
他愛もない話をしながら小食堂へ向かっていく。
小食堂に辿り着き、引き扉である玄関から中へ入るとたくさんの村人たちが賑やかに食べたり、話などをしていた。
「お〜、黒の兄ちゃん!今日は何を食べるんだい?」
「今日はニラドリの卵を使った卵焼きとキノコのスープの朝食定食で!」
「私は卵チャーハンで!」
「僕も卵チャーハンが良い!」
「了解!テーブル席でお待ちな!」
料理人は注文された料理を作るために調理場に戻っていった。
「···楓たち、お前たちはまたここで前みたいに暮らしたいか?」
神黒は楓と桜の様子を窺う。
「ここに住みたい···と前までは思ってたけど、今は神黒さんと共に冒険をしたいと考えているよ!」
「僕もー!!」
「そうか···分かった!」
神黒はこの時、昨日勇継に聞かれたことについて決断することが出来た。
「お待ちどう!ニラドリの卵を使った卵焼きとキノコのスープの朝食定食と卵チャーハン2つだよ!」
「いただきまーす!!」
神黒たちはテーブルに置いてある料理を美味しそうに食べ進める。
「やっぱ美味しいなぁ、ここの朝食は···。ニラドリの卵の甘味と旨味が米にとっても合う。キノコのスープも旨味が良く染みてて美味しい!」
「卵チャーハンも美味しい!」
料理場で少し微笑む料理人の顔が想像できる。
料理を食べ終える神黒たちはお金をテーブルに残し、小食堂の外へ出た。
宿屋に戻ると勇継たちの姿を見る。どうやら村を出るための準備を整えているようだ。おそらく今日中に王都に旅立つだろう。
「勇継さん!」
「おはよう、神黒!急だが昨日聞いた話だが、今日旅立つことにしたんだ。だから、今聞かせてくれないか?」
「僕たちも着いていきます!これからもよろしくお願いします!」
「分かった!そうと決まれば、すぐに準備を整えて来てくれ!」
神黒たちは自分の部屋に戻り、旅立つための準備を整え、勇継たち(Aランクパーティー・オーバーロード)と共に楓たちの故郷である色炉村を出て、王都へ旅立つのであった。




