この世界の学校の校則が鬼畜すぎます!
「入学は出来たものの勇者達にはまだ会えてないんだよな~」
俺はいつも泊まっている安い宿から学校へ登校している。学校では魔法の授業が多く、剣術や武術、工業の授業は半月に一回程度だ。授業自体1日に3つしかない。
毎日登校を繰り返す日常は異世界転移以来なため久しく感じる。
━━━とある空が晴天のある日━━━
「来週からは中間能力テスト期間だ。しっかりとこれまでの技量をテストで発揮できるように準備するようにな」
「来週からだね、中間能力テスト!」
「そうだな、噂では鑑定テストとコントロールテスト、そして上級生との決闘らしいな」
「そうなの!?上級生との決闘って勝てる見込み無いじゃん!」
「まぁ、上級生は先生が選出した生徒だろうし、手加減するだろうけど」
「どうしよう、僕全然攻撃系の魔法覚えて無いんだけど~!」
「まぁこの一週間でなんとかするしかない!」
「え〜!!…でもなんでそこまで情報持ってるの?」
「だから、噂で知ったんだよ!」
━━━本当は閲覧スキルで今回の中間能力テストの内容をカンニングしただけだけど…。まぁそのことは内緒にしておこう…。
━━━中間能力テスト当日━━━
「まずは君達にはテストを行う前に言って置かないといけない事がある!」
深刻そうな表情をしながらエリス先生は少し黙り込んでしまうものの、すぐに言葉の続きを話し始める。
「君達はこのままでは残り10日で、この学校を去らないといけなくなる······」
エリス先生の話を聞いた生徒達はただ唖然とすることしか出来なかった。ただ一人この空気の中で冷静を装い、エリス先生に理由を聞くものが出てくる。
「なぜ僕達は残り10日で退学になるのでしょうか?」
Fクラスの学級委員長だ。名前はイーシス・カリフォード、真面目で勤勉な学院生だ。
「この学院の決まり事だ。最初のテストを終えてから10日、つまり入学してから1ヶ月でFクラスのものを即退学にすることが!」
「なぜそのような校則が表立たずに存在しているんですか?」
「この学院は国直属の国立学校だ。国の軍として40名派遣することがある。それは分かっているか?」
「それは説明会の時に聞きました!」
「つまりだ、生徒の腕を上げて置かなくてはいけない。そんな中で能力が上がらない平民のお前らを間違っても戦場には行かせてはならないのだよ。だから、入学して1ヶ月たった時に能力的に最底辺のお前らは退学してもらわなければならないというわけさ」
━━━至極真っ当の返答だ。弱い生徒を戦場に繰り出すなんて死にに行かせているようなものだからな。だが、俺は勇者達に会うためにここまで来たんだ。そう簡単に諦めたくはない。テスト前にこの話をするということはこのテストで強さを証明しなければ生き残る方法はないってことだよな。
「やってやるぜ!」
拳を握り、やる気満々に中間能力テストに挑むのであった。