第78話 勇者!やつとまた会う!?
「出れたようだな······」
洞窟から出た頃には神黒たちはボロボロの状態に変わっていた。
「でも、神黒がここまでやれる男とは思わなかったぜ!」
ボロボロになった勇継が言った言葉に一間を置いて神黒は言葉を返す。
「いや、僕だけじゃ無理でしたよ!今でさえ、黒幕と戦っている最中ですから······」
勇継たちは俺の他に助けてくれた者がいたことに驚いていた。
「他にも救援が来ていたのか!?」
「まだ戦っているだと···!?」
勇継たちが神黒に質問攻めしていると、木の影から一人の男が現れた。
この男···。どこかで見たことがあるような······。
「皆さん!お初の方もいらっしゃるので改めて名前を、コホン!私の名前はエリクレール!魔貴族の執事でございます···」
エリクレールと名乗る男は左手を腹付近に右手を背中に置き、深々なお辞儀をした。
そうだ!!この人ちょっと前に屋敷の持ち主と言っていた人だ!いや、鬼か···?
「ここからはキャロック様の指令で護衛をさせて頂きます!」
「誰だキャロックって?」
「あれ?私の想定ではそちらにいる者がキャロック様のことを話したのかと思っていましたが···?」
勇継たちは一斉に神黒に目線を向ける。
「あっえ!なんと申せば······。その僕たちを助けてくれたのが、そのキャロックさんなんですよ」
「そういうことか···」
「皆様!話が終わったのであれば、そろそろ行き先へ行きたいのだが···」
神黒たちは一斉に顔を横に傾ける。
「行き先······?」
「私はあなたたちをお迎えしに来たと言ったではありませんか···」
━━━その頃。
「もうじき神黒たちが洞窟を出たことが連絡される頃だろう。我もそろそろ出るとしようか」
「あなた、ここから出られるとでも思うの?まだその気があるのなら私が徹底的にその気を失くしてあげようかしら」
幼女はそう言うと広大な魔法を展開し始めた。瞬く間に光景は暗い洞窟から日光に照らされた砂漠に変わっていた。
「ここはこの世界に存在していなさそうだが、どこなんだ?」
「そう!この空間はこの世界には存在しない私専用の空間なんだわ!この空間は私の能力を上げ、他人の能力を下げる魔空間だわ!」
「そういう空間なのは分かったが······、さっきから口調が変だぞ。中のオバサンが駄々漏れているぞ······」
「だから、私はオバサンじゃねぇよ!」
キャロックの言葉に怒りを覚えた幼女の顔立ちは老けたオバサンのように変わっていた。
幼女は怒りに任せて、キャロックに向けて魔法を打ち込むのであった。




