第73話 勇者!幼女と怪しい隠れ家にたどり着く。
「どこまで行くの~!!」
幼女に連れられるまま、森の中心部まで行ってしまう。
「もう歩いて一時間は経過してるぞ!どこに行っているかくらいは教えてくれよ!」
神黒の反応はとても困惑していて、その様子を理解したのか、今向かっている場所を教えてくれた。
「君たちのことはおおよそ理解している。誰かを探しにこの森に来たことや妖怪を討伐するためにここへ来たことは分かっているわ!だから、私なりにまずは信用してもらえるような行動が良いと思うの······」
幼女は話す声を途中で中断し、足を止める。神黒たちも幼女が止まると同時に足を止め、正面に写る景色を見る。
森にポツリと立つ鉄の檻の入り口。誰が見ても恐ろしいオーラを放ちそうな扉は今にも開かれそうなくらいにキシキシと音を鳴らしている。
「······行くわよ!!」
幼女は少しも日和ることなく、はち切れそうな扉を開く。
幼女が扉を開いた途端、中に籠っていた魔力のオーラが外へ放出されてくる。
この中に入るのか···?尋常じゃないほどの魔力の波動が流れてるぞ!
「神黒くん!」
「何でしょうか?」
「もう分かってると思うけど、ここにオーバーロードの面々がいるわ!助けたいのなら、この先に行くしかないわね······」
幼女は至極当然のようにオーバーロードがここにいることを神黒に伝えた。
この先にオーバーロードたちがいるのか······。
神黒たちは幼女の後ろを着いていくように入り口に足を踏み入れたのだった。
━━━━その頃。
「誰か〜!生きている人はいませんか~!!」
恵里は暗い牢獄に囚われていた。両手で押しても引いてもびくともしない鉄の檻に、少しぬかるい地面。檻の中には人一人分のサイズのベッドと小型の桶トイレ。とても汚い壁や屋根は離れていても鼻にくる悪臭が漂っている。
「ここは何処なのよ······」
私は全然来る様子のない仲間を探すために森の中へ入り込んでいたら、急激に妖怪が増えてきて、その多さに呑まれそうになっていた時に······。どうしても思い出せない!なんだろうこのモヤモヤ···。
恵里は謎のモヤモヤに一部の記憶を書き消され、悩まされてしまう。
「とりあえず、この檻から出る方法を探さないと!」
恵里は出る方法を探すために檻の外の様子を見に顔を鉄格子の間から出すと隣に良く見たことのある面々が顔を並べていた。
「あれ、勇継さん!?」
勇継も恵里の声に気づいたのか声を荒げて驚く。
「恵里!?何でここにいるんだ···」
恵里はここまでの経緯を勇継に話した。
「そうか···、恵里も俺らと同じ状況なんだな···」
「勇継、ここにいつ頃から囚われていたの?」
「俺たちは三日前からここに囚われているんだが、何も進展がない···」
勇継たちも気づいた頃にはここで囚われていて、三日も出ることが出来ないらしい。
恵里はそのことに少し絶望してしまうのであった。




