第65話 勇者!新たな町へと足を踏み入れる。
「お姫様~!!」
「転移者様!!」
叶とお姫様は再会すると同時に抱き合う。
「転移様生きていましたか。お二方も生きていて良かったです。神黒様ありがとうございます!後程この礼はしたいので私たちの町に来ていただけませんか?」
······まだまだこの世界のことを知らないからお姫様の町へ行くのも良いけど、その場合楓たちをどうするか······。
「良ければそちらにいる方々もお越ししますか?」
「行きたいのは山々だが俺らは元いた村の復興を手伝わなきゃ行けないんでな!」
楓たちは少し寂しそうに両親に着いていく。
両親はその様子を見て、何かを察したのか顔を合わせて楓たちに話しかける。
「楓、桜。行きたいなら神黒さんに着いていってもいいぞ!いいよな母さん?」
「いいわよ」
「ありがとう~!!お父さん~、お母さん~!!」
楓たちは神黒の下へ寄り、お姫様たちと町に向かうのであった。
「行ってらっしゃいー!!」
「行ってきま~す!!」
「お姫様、さっきから思ってたけど何でそんなに生き生きと歩けているの?」
「私にも解りませんが神黒様に会ってから体調がよろしいのです······」
······おそらくこの刀の影響なのだろう。
「着きましたよ!私たちの町、紫の薔薇へ!!」
「ここがお姫様の町······ってあれ、思っていたのと違う······」
町の名前とは遠くかけ離れた緑色の風景に木造建築の家屋が綺麗に整列している。
「私の家はここの通りの一番奥です!!」
まぁ、この町のお姫様と言うんだから、それなりの家に住んでいるか!
「私の家です!!」
ボロくない!?俺が言えるたちばではないが、流石にこれは······。
「神黒様!お礼の品物は豪華なものを用意しておりますので、もちろん転移者様にも用意しておりますよ!!」
流石にこんな状況の相手から礼なんて貰いたくても心が痛んで貰えんよ···。
「俺は何もしてないからお礼なんていいよ······」
「そうですか?それでは転移者様たちだけで···」
「また、困ったことがあればいつでも呼んでくれ!」
神黒たちは少しお話するとお姫様たちと別れ、町の中を歩き回った。
どこを見ても木造建築ばかりで改めてこの世界が良くゲームなどで出てくるファンタジー世界とはかけ離れていることを実感してしまう。
この世界に冒険者ギルド的なところはあるのか?
時代劇の世界に近いし、冒険者というより、お役人?侍?解らないことがたくさんあるな〜。どこかで情報を集めたいが、どこに行けばいいんだ?
神黒は視聴・閲覧スキルのウィンドウを開き、無造作に地図を動かしていると侍処と表示された建物を見つける。
地図を見ながら侍処へと足を進めていると沢山の侍が建物を行き来しているのを見つけた。
神黒はぐいぐいと中へ入っていき、多くの侍が並んでるカウンターの列に並び始める。
「次の方どうぞー!ご用件をどうぞ」
「遠い村から来たのですが、あまり分かっていなくて、出来れば色々と説明していただきたい」
「分かりました!それではまずこの侍処の説明をしましょう。あちらの部屋へ来てもらってもよろしいですか?」
神黒たちは受付の女性に連れられ、奥のお部屋へと案内される。
「私の名前はクイナと申します。ここの専属受付嬢をしています。あなたの質問はこの侍処の説明でよろしいですか?」
「はい」
「侍処は世界各地に出没する妖怪たちを討伐することを目的とした機関です。おそらく、旅の途中でも妖怪を見かけたと思います。それほどに妖怪は多く生息しております」
ダークアントや小鬼たちを倒す機関ということか、転移者のような特別な者のみが請け負っていたわけではないのか。
受付嬢の女性の話を聞いていく内に色々なことが分かってきた。
まず、侍処はいわゆる冒険者ギルド的な場所で役人から発注されたクエストを侍にさせている。
妖怪の強さによってランクを着けていて、一番上がモノノケと呼ばれ、このクラスは片手で数えるくらいの侍しか倒せないらしい。
一般的な妖怪は下級妖怪と呼ばれ、基本的にこの妖怪を倒して生計を立てる侍が多いらしい。
「···これで説明は以上です。良ければ侍登録をしますか?」
神黒たちは侍処で侍登録をして侍になるのであった。




