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視聴天性  作者: おらた
大山蛙退治編
62/167

勇者!妖怪と対決する。第二十一章

 ━━━オーガ、オーガ、オォーガー!!

 鬼の言葉は独自性があって聞き取れない。何を伝えたいのかは解らないが行動的にバレてはならないものが見つかり、焦っているのだろう。

 鬼の力強く振り上げた刀の攻撃は一瞬にして神黒の腕をもっていく。

「痛ったー!!」

 腕もげたー!!痛い、痛い、痛い!!

 神黒は斬られた腕を持ち、傷口を押さえながら狼狽える。

「神黒さーん!落ち着いて」

 狼狽える神黒に呼びかける楓は少し唖然としている。

 楓の表情に気を取られている神黒はいつの間にか痛みが消えているということに気が付いていない。

「神黒さん前!?」

 神黒が気づいた時には鬼は持っている刀で神黒の首を目掛けて振っていた。

 ······あっぶない!?

 神黒はギリギリのところで反応速度向上のスキルで刀を避ける。

「このままでは身体がもたない······」

 神黒はボロボロであろう身体を見てそう言おうとする。

 ······傷が···ない?

 なぜだ。なぜか切断された腕がくっついていて、傷だらけだった身体も綺麗に修復している。

 戸惑いながらも今の状況を冷静に整理する。

 ······いや、無理なんだが!鬼が攻撃してくる中で、超再生的な能力が発現する···。いや思考が追いつかない!!

 そもそも情報量多すぎだろう!?

「神黒さ〜ん!気を取り直して~!!」

 楓の言葉を聞いて思考の追い付いていない神黒は気を取り戻す。

 ······そうだ!今はこの鬼に集中しろ!?妖刀術と黒刀術、大気一体のスキルを行使してどうにか太刀打ちできるように······。

 神黒は前世で手に入れた付与魔法と兼ね合わせて色々試す。

 これまで使った黒刀術や妖刀術、炎刃などを使う。だが、ダメージは入るものの改心の一撃にはならなかった。

 ······っく!ほとんどの攻撃避けられちまう······。刀の刃さえ見きられなければ対応出来るんだが······。

 待てよ、俺の持っているスキルには身体を大気と一体化できるスキルがあったはず、でも、身体全体を隠すと身体の魔力がオーラとして出てバレてしまう······。なら、刀だけに透明化をすれば······!!

 神黒は鬼が攻撃していない隙を狙い刀を大気一体のスキルで透明化させ、鬼の左肩から右腰にかけて黒刀術で高熱化させ黒炎の纏った影之一零式・改で切り裂く。

 鬼は黒炎の渦に巻きこまれ、高熱によって切り裂かれた胴体が次々に溶かされていく。

━━━ボァー!!

「倒せた······」

 魔力枯渇寸前となった神黒は戦闘を終えると意気消沈して、地面に倒れ混んだ。

「神黒さん!?」

 楓は急いで神黒の下へ近づくとすぐに疲れて寝てしまったことに気づき安堵するのであった。

「お母さん、お父さん!」

 両親の下へ行き、久しぶりの再会を果たす楓と桜だったが隣で倒れ混んだままの姫を見て、急いで起こした。

「お姫様!お姫様!」

「ふぅ······はぁん?あなたたちはどなたでしょうか?」

 お姫様の質問に楓たちは少し困ってしまう。

 何かを察したのか、お姫様は奥で起きている出来事について追求してきた。

「······という訳なんです」

「これからどうしましょう。私は呪いのせいであまり動けません。唯一の頼りである神黒様はこのように倒れ混んでいます。どうしましょう?」

 数十分考えていると途中で神黒が目を覚ます。

「神黒さん!良かった~!」

「みんな無事か?」

「はい」

「良かった。後はここから出るだけだが、多分外では戦闘が起きているだろう。だから、静かに俺たちが通ってきた裏口から出るぞ!」

「解りました」

 神黒たちは大気一体を使って静かに戦闘中のメインホールを横切り、裏口から外へ出るのであった。

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