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視聴天性  作者: おらた
大山蛙退治編
61/168

勇者!妖怪と対決する。第二十章

━━━厨房入り口。

······なんだ今の音は?

 正面の入り口から扉を豪快に開く音が城内中に響きわたる。

 神黒は手に持っていた刀をもう一度握り直して、再び警戒心を高める。

「誰かがこの城に入って来た······?」

 神黒たちは正面入り口で起きている出来事を知るためにメインホールへ続く扉を少し開け、隙間から覗き込む。

 そこには三人の人間に武器を構えている大勢の鬼という構図が生まれていた。

 鬼たちの中にいた一人の鬼が魔法使いっぽい格好をしている女の子の目の前で倒れこんでいた。

 少し時間が経つと奥の部屋からたくさんいる鬼の中でも格段に大きい鬼が出てくる。

 その鬼は三人の人間の所へ足を運ばせていく。

 神黒たちはこの予想外な好機を無駄にしないために、鬼が先ほどまでいた部屋の中へ忍び込んだ。

 中にはたくさん財宝や豪華そうな家具、鬼の巣とは思えないほどに貴族的な雰囲気を感じる。

「凄~い!!」

 桜は部屋の中の豪華さにキラキラした目で見ている。

「お母さ~ん、お父さ~ん!!」

 楓は部屋中に聞こえる声で呼んでも、その声に返事が返ってくることはなかった。

 神黒たちは部屋の中を隈無く探しても人を監禁していそうな部屋への扉は見つからない。

「楓、桜、一度この部屋から出よう。別の場所に囚われているかもしれない」

 神黒たちは戦闘をしている鬼たちに気付かれないようにゆっくりと扉を開き、その部屋を出たのであった。

······長らしき鬼の部屋にいないのか、どこにいるんだよ!楓たちの両親は······。

 そんな時だった。三人の人間と戦う鬼たちの中に一匹だけ隅にある横の扉を開き、どこかへ向かおうとしている。

 気が付いた神黒は楓たちを連れて、どこかへ行ってしまう鬼を後ろから着いていく。

 ━━━ヤバイヤバイヤバイ!?早く捕らえた人間どもをどうにかしないと俺がやられてしまう······!

 どこかへ向かっている鬼は少し焦り気味で向こう側にある扉へと進んでいく。

······あそこにいるのか······?。

 鬼は扉の鍵を開いて、扉を傾けた。そこには楓たちの両親らしい人間と清楚な服を着た女性が寝たおれていた。

 焦り気味の鬼は右手から小さい黒炎を生み出し、三人の身体へ放とうとする。

「止めてー!!」

━━━シュー···。

 鬼の放った黒炎は楓の水魔法によって冷やされ、消えてしまった。

「誰だっ!?」

 水魔法の発動により、鬼は神黒たちが追いかけて来たことに気付き、腰に入れていた大きな刀を引き抜き、神黒たちに向けるのであった。

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