この世界のことを学習しに行きます!
「入学試験を受ける方はあちらの受付までお越しください!」
国立魔法学院の門の前で入学試験会場を案内する学生が受験生を手招いている。案内している学生の右腕には生徒会と書かれたアームバンドが装着されていて、受験生との区別化がしっかりできている。
この目で窺えるように生徒会の生徒も教師とともに入試の案内を手伝っているのだろう。
あの場所でここの入学試験を受けられるのか······。入学試験っていつぶりだろう?」
アレスは2年前の冬の頃のことを思い出す。 しかし、入試では良い思い出があまり無く、心苦しさと恥ずかしさが交じり合うような気持ちでいっぱいになってしまった。
アレスは学院の正門を通り、案内をしている者の下へ向かう。
案内役の者の近くにはたくさんの入学希望生が集まっており、入学試験の説明を受けているらしい。
「ようこそ!国立魔法学院の入学試験へ!貴族クラスの方は左側の扉から、一般クラスの方は右側の扉から入学試験会場へ向かってください!」
受付では案内されるだけで受験番号的なものは渡されなかった。受付にいた学生に質問してみると不思議そうな表情を浮かばせながら答える。
「入学試験は希望生の多さから学院に入ったときに魔法で自動的に振り分けられているんですよ」
···誰でも試験を受けられるのは些か安全性に欠けている気がするが俺にとっても都合がいいわけだし、今は言葉に出さないでおこう···。
アレスは受付にいた学生の言う通り、右側の扉を開く。扉の先には数百万人を超えるほどの受験者が列をなして立っていた。
···城近くの学校にもなると受験する人も多くなっていくのか···、自分の力に慢心をしているといると案外、簡単に落ちるかもな······。
アレスは何百万人もの重圧を目の前にして、今頃になって恐縮し始めた。
「···第一試験合格ですね!次の試験会場へ進みなさい。それでは、次の方~!」
流れ作業化した対応のように試験官に呼ばれる。
「これからあなたの魔法適性と魔力量を調べます。魔力量は150よりも高ければ合格です」
···目の前にある水晶玉に魔力を注げばいいのか···。
···注ぎすぎないことがないように、また注ぎすぎないように調節っと!
測定値 150
「え〜と、あなたの魔法適性は土魔法で魔力量は150だね······。君、魔力量を偽装していたりはしていないよな······?」
━━━ゴクリ······。
「偽装なんてしてないですよ···」
周りからの疑いの目が嫌になるほど、アレスの身に刺さる。
「······まぁ、良いでしょう。どうせ入学してしまえば、早かれ遅かれ分かる話なわけだし、次の試験会場へ進め!」
···まずは第一関門突破!った感じか···。この調子で次も突破しよう。
俺は第二の関門であるペーパーテスト、第三の関門である的当てをクリアし、無事入学する権利を得た。
「良かった〜!無事入学することになったわけだけど俺のクラスはどこなんだ?」
···試験時に貰った紙には1のFと書かれているけど、1のFってどこにあるんだ?
アレスは学院のありとあらゆる場所を練り歩くものの、1のFどころか地図さえも見つからない。
学院内を彷徨いていると後ろから一人の女子学生が話しかけてきた。
「ねぇ!もしかして自分のクラスの教室が分からないの?」
「はい···、都会の学校って思ったより広くて学院内の地図がある場所も見つからなくて困っていて···」
「君、もしかして新入生?」
「はい、今年この街へ来たばかりの1年生です!」
女子学生に受験の時の担当教師から渡された教室番号と出席番号の書かれた紙を見せた。
「えっと···、君のクラスはここから右の階段で上に上がり、右へ真っ直ぐ行ったところだね。君は1年生の中で低いクラスのFクラスのようだけど頑張ってね!」
目の前にいる女子学生はFクラスの生徒を可哀想なものを見るような目で見た。
「道、教えてくださりありがとうございました!」
「いいえ、またね!!」
···あの人は誰なんだろう。まぁとりあえずはクラスへ向かうか。
アレスは女子学生に言われた通りにFクラスのある方へ向かったのであった。




