勇者!妖怪と対決する。第二章 (+α)
その頃、転移者たちはというと…。
「こっちで合ってるの?」
「合っているはずさ!後から付け足したような書き込みにそう書かれているから!」
手紙の右端に血で書き込まれた字には、鬼山で待っているという内容が書かれていた。
「そうなの…」
「僕たちってこれから敵と戦う訳ですけど、僕らって敵の顔を知らなくないですか···?」
「···そうだな…」
「そうだな…じゃなくて、敵の顔知らないのにどう確認取るんですか?」
「···悪い顔をしてるやつから倒していく···?」
「······はぁ、まずは聞き込みをしましょう!」
眼鏡をくいっと上げ、自慢気に笑みを浮かべるのだった。他の転移者は自慢気にしている転移者を流し、先へ進むのであった。
「この場所を右に行ってっと……」
「······って見てないし…」
眼鏡を掛けている転移者はやれやれとため息をつくと、追いかけるように走りだした。
転移者たちは鬼山に向かっている最中にあることに気づいた。
「···あれ、俺たち戦える武器持ってなくね?」
転移者たちは衝撃的なことに気づき、慌てて来た道を引き返そうとしたとき、目の前に小さな角つきの小鬼に出会う。
「グギャー!!」
襲ってきた小鬼は乱暴に棍棒を振り回して暴れる。それになす術なく、逃げることしか出来なかった転移者たちは森の中で路頭に迷ってしまった。
「どうしよう…道に迷ってしまった。ここからどうしてよいやら…」
━━━これはやるしかない!!
「お二方!これから私たちは自給自足の旅に出ましょう!」
「自給自足の旅?」
「俺らにはそんな暇ねぇよ!今すぐにでも助けに行かなくちゃ!」
「一度冷静になってください!僕たちは今、道に迷い、武器を所持していない。こんな状況で突っ込んだところでただの屍にしかなりません!自給自足の力を付けて、自分を強めていくのです!」
説得力皆無なごり押し戦法で他の転移者を黙らせて話を聞かせる。
「一から物を作り、作った物で敵を倒す。この繰り返しが出来るようになれば、自分で自分を強めることが出来る!」
「そう言われても、何から手を出せば…」
「そんなのお決まりですよ!まずは武器作り!近場にあるほどほどの木の枝を探し、先を尖らせ、槍を作り、作った槍で妖怪を討伐していく!これですよ」
眼鏡くんのRPGオタクトークの炸裂はその場の空気を凍らせるほどに長く、つまらない内容だった。話が終わるのに夕方まで掛かり、二人ともヘトヘトだ。
「······ということでありまして、この方法が妥当なのです!」
「お~、すごいですね…」
「そんなに誉めないで下さいよ!エヘヘ、エヘヘ!」
二人の転移者は悟ってしまったのだ。この眼鏡くんが変なことに…。




