勇者!先導騎士の戦闘を開始する。
「おりゃ~!」
祐司は光魔法を付与していた剣で先導騎士に斬り込んでいくが驚異的な速度で回復していく。斬り込まれた部分はどんどん白く輝き出していく。
「もっとだ!もっと俺を楽しませろ!!」
狂乱している先導騎士は時が進むほどに狂い度合いが高くなっていく。
━━━何かやってないか…こいつ。
徐々に怖さを感じてしまうアレスであった。
「俺たちも行くぜっ!!」
自信満々に先導騎士に立ち向かう一樹だったが呆気なく跳ね返される。光魔法を使えない一樹では先導騎士にはダメージさえ届かないのだろう。逆に由衣の魔法は先導騎士に効いていて、先導騎士は由衣の魔法を厄介視しているっぽい。
「アレスくん···僕はどうするべきなのかな…?」
「平斗さんはみんなのサポートをすれば良いんですよ!!勇者のパーティーとしてバランスが良くなります!(知らんけど)」
アレスのアドバイスを実行するように平斗は祐司や一樹、由衣をサポートしに向かっていった。
━━━そろそろ俺も······行くべきか。だいたい短い時間で先導騎士の特徴は把握したが、一番苦しいのは再生する際に前よりも頑丈に再生することだ。白く輝いているのは鉄のように硬かった身体が鋼のように硬くなっていることが理由なのだろう。だから、決めるなら一発で急所に大技で一撃だな。
「···やるか…!」
アレスは最終テストのことを思い出す。
━━━アリス先輩との闘いで使った付与魔法は土の魔法だった。あの一撃があったから俺はアリス先輩に勝てた。ならいっそう光魔法を付与すれば良いのでは?
アレスは先導騎士の隙を伺って、光魔法を付与したペンを先導騎士の眼球にぶっ放す。
「痛っ!!」
先導騎士は驚いた様子でアレスを見た。
「お前は誰だ!!急に眼球にペンを投げる輩がいるか!!」
「この手にペンが有ったから…?」
「クソが!!ぶっ倒す!」
怒り狂った先導騎士が他の勇者達を差し置いて、アレスの元へ駆け寄っていった。腕に持たれた魔剣がアレスの首もとを斬りかける。間一髪のところでアレスは避けるものの肩を負傷する。
「痛って!」
すかさず先導騎士は心臓を狙って魔剣を突き刺そうとする。
アレスは急いで先導騎士の眼球に刺さっているペンを抜いて土魔法で強化し、突き刺そうとする魔剣を止める。
━━━危な~!?ペン取らなかったら終わってたわ〜。
「良くこの剣をペンで止められたな〜!もしや、君も勇者なのかな~?」
先導騎士はいっそうアレスに対する戦闘意識を上げてきたのだった。