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視聴天性  作者: おらた
国立魔法学院編 ━━第四部━━
34/128

勇者!自分の素性を明かしてしまう!?

「よし!行くぞお前ら~!」

 騎士団長の掛け声と共に騎士団員達が魔兵士に向かって全力前進で立ち向かっていく。

 生徒達の援護魔法を受けた騎士団長率いる騎士団員達は魔兵士と戦闘に持ち込むがやはり、勇者達のいる場所へ向かうことができない。

 ━━━戦闘が始まった以上、アレスは本来の目的である先導騎士との戦闘に参加したい訳だが、騎士団の援護魔法を唱え続ける以上、この場を離れることはできない…。

 アレスは思考しながら勇者達のいる先導騎士の方向を見ているとふと気づく。

 ━━━勇者平斗の姿が見つからない···?異世界から転移した者達は全員勇者と見なされるため、先導騎士との戦いでは参加していないとおかしい…。

 すると突然、背後から一つの気配が現れた。

「············アレスさんじゃ、ありませんか!!」

 ━━━びっくりした!!なぜ魔兵士に囲まれたこの場所に平斗がいるんだ···?お前の能力なら、勇者として勇者達を援護できるはずなのに…。

 気配の無さに驚愕するアレスは平斗へ聞いた。

「平斗さん!丁度良いタイミングですよ!」

「ふん···?」

 アレスは平斗の胸ぐらを掴み、勇者のいる場所へ向かっていく。

「おい!君〜!どこに行くのだ!!」

「ちょっと勇者を送ってきます!!」

 騎士団員は不思議そうに僕らを眺める。魔兵士は容赦なく、騎士団員を攻撃する。騎士団員は「危な~!」と叫ぶ声が聞こえてくる。

 アレスは平斗を掴み、先導騎士の元へ連れていく。平斗は「やめろ~!!」と叫び続けているがアレスはその発言に耳を貸さない。

 勇者達の戦う戦場に辿り着くとアレスは平斗を勇者達のいる場所まで届くほどの力を腕に集め、平斗を投げる。

「わぁ~あぅぁ~!」

 平斗は突然飛ばされ、向こう側にいる勇者達を一生懸命になって掴もうと試みる。

━━━ドガァッン!!

 大きな物音によって、空間が一瞬凍る。

「何だ!」

 先導騎士や勇者達は物音が鳴った方を向く。物音が鳴った先では勇者平斗と勇者祐司が壊れかけの壁に横たわっていた。

「祐司ー!!」

 由衣と一樹の叫び声と先導騎士の笑い声が空間を包み込んだ。

「ハッハッハッ!弱すぎて自滅するとは!!」

「祐司っ!大丈夫?起きてよ祐司~!!」

「祐司…なんで突然飛ばされた?」

「······分からない…痛っ!」

「大丈夫!?」

 隣で横たわっていた平斗が説明し始める。

「祐司さん!大丈夫ですか?」

「平斗こそ大丈夫か?飛ばされてきたけど…」

「僕は大丈夫です!!傷一つ無いです!」

「凄いな、俺なんてこんなにボロボロなの···に?」

 祐司は自分の身体を見て驚愕した。何一つケガはしていないどころか痛みもない。

「本当だ!壁はボコボコになっているのに…」

「何でなんでしょうね…。アレスくんは何か知っていそうですが···?」

「アレスくんって誰だ?」

「1人でスライムジェネラルを倒した学院生徒です!」

 勇者達が話していると背後から1人の生徒が現れる。

「···大丈夫だったみたいですね!」

「アレスくん!!」

 勇者達はアレスを見て、びっくりした。なぜなら、勇者の初期スキルに気配を感じる内容のスキルがあるが全くそのスキルに引っ掛からなかったからだ。

「いつからそこにいた?」

「ついさっきですよ?」

「君がアレスくんかい?」

「そうですよ!というより、元勇者と言うべきかも…?」

「元勇者?」

「僕は異世界の勇者だったものです!」

「???」

 アレスはオブラートに包みながらあらかたの説明を勇者達に話した。

「アレスくんって元勇者だったんですね!元の世界に戻るためにこの世界にいる先導騎士を倒しに来たんだ~!」

「アレスくんにも手伝って貰わない?」

「それは良い考えだ!!アレスくんが入ればどんな相手にでも勝てる!!」

「平斗をそこまで言わせられるなら、信頼はできそうだし、共に戦ってくれないか?」

「分かりました!でも、僕は学院の生徒でも有りますから騎士団の方が危なくなったらそっちを優先しますね」

「それで構わないよ!」

 アレスと勇者達は目の前にいる先導騎士を倒すために一戦だけの共同戦線を組むことにした。

「終わったかな話し合いは?」

「終わったぜ!ここからの俺らはさっきまでとは一味違うぜ!」

「それは良い情報だ!俺を本気にさせてくれよ!!」

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