新スキルで新勇者達のサポートをしていきたい!
━━━今は何時だろう。ここに閉じ込められてから何日経っただろう。ここに閉じ込められてから一度も外に出れていない…。
暗闇にいるのにも慣れる。
ふとあの時の不思議な音声のことを思い出す。
「あの時のことが本当ならクリア報酬が送られていることになる。ここでは魔法が使えないしやることがない。暇だし見るかー。」
自分のアイテムボックスの中を探る。だが、新しく増えたものはなかった。
━━━アイテムボックスにないのならステータスの変化か?
すぐさまステータス画面を開く。ステータス画面にはステータスが隠されるように大文字でクリアと書かれている。
下にスワイプするとスキルに視聴・閲覧が追加されていた。
視聴・閲覧と書かれた部分をタップすると詳細が写し出される。
クリア前の勇者の様子を視聴できます。また、数多くの世界の書籍を閲覧できます。と表示されている。
━━━これは最高の報酬ではないか!こんなに良いものを俺が貰って良いのか?
でもこれをきっかけにすれば今の俺の感情を変えられるかも。
━━━とりあえずこの「視聴」っていうスキルを使ってみよう!
俺は六の好奇心と四の警戒心を持って、人差し指を「視聴」と書かれた文字に触れる。
すると、「視聴開始」ボタンが出てくる。
ぞくぞくするなかで手が震える指を抑えながらボタンを押す。
画面には西洋のお城の雰囲気を感じる風景に魔法陣の光が輝く。画面上には複数人の召喚術師と王様が映っていた。
「勇者様!私達の召喚に応じてくださりありがとうございます!」
「ここはどこなんだー!お前らは誰だ!」と一人の男子高校生が言い返す。
「アクンの国第一魔法師召喚隊の隊長アビル・クレイと申します。あなた達にはこれから勇者として旅をして貰いたいのです」
アビルという人の話しによるとこの国では先導騎士による襲撃が加速的に件数が増加しているらしい。先導騎士というのはカリア地方にあるセミンス帝国の八騎の鉄の隊長らしい。自由奔放で帝国でも制御出来ていないらしい。
「こいつらは俺の時みたく魔王を倒すのではなく、この先導騎士っていうのを撃退することが召喚された理由なのか~」
この勇者たちにはこれから頑張っていってほしい。
······4日後
こいつら、どれだけ王城に籠っているつもりだ!?
俺は3日間こいつらの行動を観察していた。
初日はステータスの鑑定やこの世界の常識などを国の講師に教えてもらっていた。
2日目は国の騎士団に稽古をつけてもらっていた。
3日目で旅に行くのかと思いきや王城の高級そうなベッドで寝ていたり、美味しそうな食べ物を食べていたり、中庭で寝ていたりして終わっていた。
「俺の時なんて召喚早々に魔王倒せと城下町から追い出されたんだが!?」
ふと考える。
━━━もしかして俺の時はおかしかったのでは?
透明なスクリーン状の板には左下に3つのタブが存在する。
一つ目は「閲覧」前にも言ったが数多くの世界の書籍を閲覧できる。
二つ目は「言伝て」あちら側の勇者のみに1日一度だけ私の声を聞かせることができる。(ちなみにあちら側から質問をされても答えることができない。)
三つ目は「C・O」(キャラクターオペレーションの略。)
一体の村人を召喚し操作することが出来る。
俺は画面上にある閲覧のタブを開く。
検索ワードを入力する場所や関連ワードなどが表示されている。
━━━まずはこいつらの名前とステータスを知らないと何も出来ないな。えっと〜ここに名前・ステータスっと。
先ほどまで検索画面だったページが詳細画面に映った。
━━━名前は高崎祐司。大人しい男子高校生らしい。見た目はかっこよく、女子・男子共に好感度が高く剣術と体術がSランク。ぷらすで光・熱の魔法が得意のようだ。次に川崎由衣。成績優秀で学校一の美少女の女子高校生。得意属性は全属性でこの若さで賢者の称号を与えられている。
三人目は石井一樹、運動部部長の三年生。剣術・体術・武術・デバフ耐性がSランク。ごりごりの運動部系な体格を持つ。
四人目は稲区平斗。目立つ特徴は無く、普通の男子高校生。
━━━こいつは一般的なステータスだな?基本的な情報は手に入ったけど、これからどうやって手助けしようか〜?
とりあえずこの新スキルで出来ることをしてみよう!
だが、その前にこのスキルの画面、この部屋では光すぎるから、部屋に明かりを灯すか!