勇者!休日を謳歌する!! 前編
「はぁ〜!……朝ごはんにでも食べに行くか…」
宿屋のベッドから飛び起き、木でできた簡素な扉を開き、一階へと続く階段を下る。
「兄ちゃん、起きたのかい!朝のご飯はそこの机に置いたから食べてきな!」
いつもなぜか朝だけ朝食を作りに来る謎の姉さんがキッチンで朝ごはんの調理をしていた。いつも通りキッチンの前にあるカウンターに座り、姉さんの作った朝食を黙々と食べる。中身は綺麗な黄色に焼かれた卵焼きに一口サイズに切られたホーンボアの肉には宿屋特製のソースがかけられている。
食べ終えるとトレーを戻して、宿屋の扉を開いて外へと出た。
「まいど!行ってらっしゃい~!」
姉さんの声を背中で受け止め、ゆっくりと街を歩いていく。
「今日は何をしよう···」
今日は久しぶりの休日だ。合同訓練の次の日を休みにすることは義務化されているらしい。
アレスは久しぶりの休日に何をしようか考えているようだ。
「武器や防具の修理や新品の武器を見るがそこら辺はすぐに終わってしまうし、今日は何をしよう…」
考えていたら武器屋に着いてしまった。
アレスは武器屋の扉を開き、中へと入る。中は剣や鎧、兜などがたくさん置かれており、金属の匂いが建物内中に充満している。
「おい!そこの兄ちゃん何か用があるのかい…!」
気さくに話しかけてきたのは30代前半くらいの少し老けたオッサンだった。
「剣と防具の仕立てをお願いしたいんです」
「おう!この2つなら1時間もしない内に終わるぜ!」
武器屋のオッサンは剣と防具を持って裏へと行ってしまった。
アレスは武器の仕立てが終わるまで街を回ることにした。
「確か最近アイスクレーベというスイーツが人気とフェトが言ってたな~」
頭に浮かんでいたのは元いた世界のアイスクリームだった。
━━━久しぶりに食べたいが、この世界にはあるのだろうか?
疑問に思いつつもアイスクレーベの売っている屋台に着き、買うために列へ並ぶ。列には色んな年齢層が並んでおり、たくさんの人に食べられていることが分かる。
「次の御方~!」
アレスの番になり、店頭に置かれている注文メニューを拝見する。
記載されていたのは少し餅っぽいアイスっぽい食べ物に色々なソースがかけられているものだった。
アレスはシンプルなアイスクレーベを頼む。
「お待ちどう!アイスクレーベだよ!!」
店員さんから渡されたのは、雪のように真っ白でプニプニしている。食べてみると食感はスライムでミルクと砂糖の甘味を感じる。
アレスはアイスクレーベを食べながら街を歩くのだった。




