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視聴天性  作者: おらた
国立魔法学院編 ━━第三部━━
27/168

勇者!洞窟に迷いこむ…。第四章

「勇者様!勇者のこと平斗さんって呼んで良いですか?」

 アレスは前から勇者様は堅苦しいのではと考えており、名前で呼ぼうか迷っていた。

「いいよ!その方が馴染みやすいから」

 勇者平斗は嬉しそうな表情を浮かべ、アレスに問いかける。

「さっき、他の三人にはついていけないからって言ってたけど、何でこの合同訓練に来たの?」

 ━━━勇者平斗の言うことは正しい…。そもそもついていけないと分かっていれば、今回の合同訓練に来なくても良かった。成績とはいえ、アレスはこれまでに嫌というほど間違った選択をして、好成績を叩き出している。今回の合同訓練に来なくたって退学にはならないだろう…。また、ここに来てから分かったとしても合同訓練を見学していればいい話だ。だが、俺には勇者達の行動を追尾し、手助けするという大事なことがある。誰1人でさえ、目を離すわけにはいかないのだ。

 アレスはこんなことを思うも本当のことなんて言えるはずもなく、簡単に理由を考えて返事をした。

 

 ······洞窟に入ってから幾分経つ。中は何通りにも分かれた道が存在し、明かりの一つもない(俺らは平斗の能力で暗視可能)。魔物や古代兵器の気配も一度もしなかった。洞窟の雰囲気は禍々しいのに……。

 アレスと勇者平斗は洞窟の最深部へと進んでいく。進むにつれて禍々しい雰囲気は濃くなっていく。

「平斗さん、本当にこの先にいるのはオークなのでしょうか?」

 ━━━さっきから感じるこの禍々しさは確実にオークの魔力を遥かに超えている。おふざけで入って来てしまったものの、本当に危なくなってきた。どうしよう···今からでも引き返すか…。

 アレスと平斗は向かっている先を見て立ち尽くしている。その時だった━━━。

 背後から地響きを起こしながらすり寄ってくる影が写る。

 ······どうしよう?こんなところで戦闘なんて始めたら戦いにくくて先に控える強敵とで挟み撃ちになりかねん。

 アレスと平斗は急いで広い空間へと飛び出す。そこは一見して何もない空間だが、魔力の波動や禍々しい空気が立ちこめている。

「あそこにスライムジェネラルがいます!」

 平斗がそのように話す。

 スライムジェネラルとは、スライムの将軍であり、どんな物体でも一液で溶かしてしまう最強スライムだ。

 ━━━正直に言って戦って勝てるような相手ではない!だが、ここで戦わないと確実に死ぬだろう。······やるしかないか…。

 アレスと平斗はボスの足元へ飛び込む。スライムジェネラルはオークやウルフとは違って反応速度やスピードが遅い。

 アレスと平斗に向けて溶解液を放つスライムジェネラルは雄叫びを上げている。

 アレスたちは溶解液に当たらないように避けようとするものの平斗が避けきれず、右肩に掛かってしまう。

 平斗は激痛に耐えきれず狼狽えてしまう。

「あぁ〜!!痛いっー!!」

 平斗は恐る恐る自分の肩を見ようとしてしまう。······だが、そこには無傷の右肩があった…。

「痛かったのに···掛かったはずなのに···無傷…?」

 本人でさえ信じられないほどに驚いている。だが、アレスは驚かなかった。なぜなら、アレスの疑惑が真実へと変わったからだ。平斗は転移してきたのにも関わらず、平均的なステータス、特殊なスキルも確認されていない。···なのに、暗視はできるし体も軽くなる。

 ━━━平斗はデバフになること全てを無効化する━━━。だが、どうしよう。このことを平斗に言うべきか······。いや、今は隠しておこう……あいつ自身が自分で見つけないと意味がない。あいつの能力は他人にも効果があるから言わずにどうにか能力を借りたい…。

 アレスは平斗から能力の影響を受けたいと思い平斗に問いかける。

「平斗っ!攻撃を受けても何ともないイメージをして俺に触れてくれっ!!」

 平斗は困惑しながらもアレスに言われた通りに想像しながらアレスに触れた。

 アレスは自分のステータスを確認する。

 案の定、ステータスにはダメージ無効のバフがかけられていた。

 ━━━よしっ!これで思いっきり戦える!!

 アレスは全力疾走でスライムジェネラルへと走っていく。スライムジェネラルはアレスを目掛けて溶解液を何発も放つ。アレスは溶解液をものともせずに走り続ける。

 アレスは片手に持った片手剣に付与する魔法で光魔法を乗せる。

「グラントスペル!ホワイトライトニングっ!!」

 剣に流れる白い雷はスライムジェネラルの体に激しい電流が流れる。スライムジェネラルの体は液体でできているため、素早く体に電流が広がっていく。

 スライムジェネラルはアレスの光魔法によって身体は縮み麻痺を起こす。

「行けっ!!ストーンフォールっ!!」

 アレスのくり出した大きな石はスライムジェネラルの核を粉砕して、スライムジェネラルの動きを止めた。

「━━━勝ったのか…。俺達は…」

 アレスは荒れた息を整える。平斗は途中から何が起きているのか分からずに困惑していた。

「━━━スライムジェネラルに勝つ…?1人で…??光魔法を使って倒した……???」

 平斗の感情は?でいっぱいになってしまった。

 ━━━ドスドスドスッ!!

 洞窟中に響く巨大な足音がどんどん近づいてくる。

「そうだ…。俺達にはもう1つ敵がいるんだった……」

 アレスは空気が足りなくて手足が全く動かない。

 アレスたちはこのピンチをどう切り抜けるのか!!

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