表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
視聴天性  作者: おらた
国立魔法学院編 ━━第三部━━
25/167

勇者!合同訓練に参加する。 第二章

「勇者御一行様が参りました!」

 大きな門が開き、扉の先から4人の勇者が堂々と重そうな武具を持って歩いてきた。

 それはそれは金ぴかな鎧に包まれた格好は金に溺れた人間を表しているように見える。

 騎士やメイドが勇者の召使いのように使われている姿を見て、1年次の生徒の三分一が引いてしまった。

「みんな!!今日は勇者である私が合同訓練の司会者をしてあげよう!」

 勇者は偉そうな態度で物事を進めていく。

「お〜い。名前言わなきゃ!」

 隣に佇んでいた勇者が返した。

「そうだなー!!俺の名前は大勇者高崎祐司だ!!」

 ━━━━あいつ、自分で「大勇者」と自称してるんだが、このまま任せて大丈夫なのか…?

「私は川崎由衣です。このパーティーで唯一の女子です!」

 川崎由衣の美顔に浴びせられた男子達はことごとく勇者由衣に惚れる。

━━━━こいつらの反応分かりやす…!

 全ての女子生徒がその反応を見て、表情を歪める。

「俺は石井一樹だ!武術のことなら俺に任せろ!!」

 ━━━━こいつはこの中で一番まともそうな感じだな。

「俺と訓練すればすぐに強くなれるぞっ!」

 やる気のある生徒は早速石井一樹に教えを乞いにいく。

「お願いします!」

「分かった!!じゃあ決闘だ〜!!やるぞー!!」

 突然勇者一樹は決闘を始める。

 ━━━━これあれだ。典型的な筋肉バカだ。きっとそうだ!あまり石井一樹には近付かないようにしよう!

 勇者それぞれ特殊ではあるが勇者の文字通り、強さは本物だ。

 ············あれ?誰か忘れているような…。

 アレスは腑に落ちないこの心のモヤモヤを晴らしたくてしょうがない。

 一度考えるため練習場の端にあるベンチに腰を掛けた。

「よっこいしょ!あっ!!ごめんな…さい?」

 座る瞬間誰かにぶつかった感触を覚える。

 ぶつかった方を見るとそこには見たことのあるようなないような顔をしている人がベンチに座っていた。

「すみません!大丈夫ですか?」

「いえ、大丈夫です!」

 顔は髪の毛や眼鏡で隠れて見えないが、他3人のようなアウトドア系ではなくインドア系っぽい青年だ。

 アレスは失礼を承知の上で名前を聞く。

「すみません、あなたは誰なのでしょうか?」

「僕!?稲区平斗だよ、勇者の!」

 ━━━━そうだ!稲区平斗だ!ステータスは普通で勇者なのか定かではない人だ!

「稲区さんは訓練しないんですか?」

 アレスが年下の後輩のような口調で問いかける。それに応じるように勇者平斗は答える。

「僕はあの3人の足手まといにしかならないからね━━━」

 寂しそうな顔を伺わせるがすぐに表情をもとに戻す。

 俺は何も分かっていなかった。

 勇者は目的が一緒だったら、強制的に協力的になると思っていた。逆に主観的に行動するものだとも思っていた。それに対してどうだこの勇者平斗は、主観的ではなく客観的に自分を抑えている…。

 そもそも突出した能力を持っていない異世界人なんて巻き込まれたも同然だ。

 戻せないと言われた時はきっと絶望しただろう…。だが、物事を進めるために自分を出すのを控えていたんだ。

 俺は思った。この人に会うことはきっと今後に役に立つだろうと…。

「勇者平斗さん!!訓練相手になってくれませんか?」

 勇者平斗は不思議そうにアレスを見る。

「今の話聞いてた!僕は足手まといにしかならないって話!!」

「僕、あまり戦うのが苦手なんですよ!だから、勇者様3人に追いつける気がしなくて…」

 ━━━もちろん戦いが苦手ということはウソだ。だが、これで教えを乞えるのであれば安いものだ。

 勇者平斗は渋々アレスの頼みを受け入れるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ