勇者!新しい仲間が増える!?
サイアが声をかけたのはさらさらな水色の髪にご立派な立ち姿、メリッサに負けじと豊満な体型の少女だった。
「ミレトアさん。組む組がなければで良いんですが僕達の組に入ってもらうことは出来ませんか?」
フェトは驚いた。その様子を見てアレスは首を傾げる。
「サイアくん!ちょっとこっち…」
「何だ?ごめんなさい、ミレトアさん。少し待っててください…」
「何でEクラスにミレトア家の令嬢がいるんですか!?」
フェトは慌てふためいている。
「ミレトアさんは成績優秀で運動もできる。でも、貴族コースに入ると勉強と訓練の他に貴族のたしなみや日常生活の礼儀作法も学ぶんだ。それが嫌だったっていうのと……ミレトアさんってあの容姿じゃん…。貴族出身の生徒から求婚をたくさん迫られて困ったから一般コースを受けたらしい…」
アレスは話についていけないがミレトアがどこかの貴族令嬢であることだけは理解したようで驚く。
「···なぜ貴族令嬢が…?」
「だから!貴族の授業と貴族の生徒に嫌気が差して一般コースで入学したの!!」
「そういうことか…」
「お話中すみません…。話は終わりましたか?」
「あー!すみません!ほったらかしにしてしまって!」
サイアはめずらしく慌てふためいている。
「あなた方が良ければ入ってもよろしいですか!」
明るい口調でハキハキと言葉を発した。
「ありがとう!なら今回はよろしくね…!」
ありがたみの反面、後ずさりするような様子もうかがえる。
━━━翌日━━━
「おはようございま〜す!アレスさん」
昨日知り合ったばかりのミレトアが朝から挨拶をしてきた。
「おはよう~!」
━━━ミレトアさんって社交的な人なんだな〜。最初は貴族令嬢だから少しでも気に障ることをしたらいじめに遭うのかと思ったけど、案外優しかったりして。
「昨日は班に入れて下さりありがとうございます…。丁度組む人がいなくて困ってたんですよ~…」
「別に良いよ〜!僕らも困ってた訳だし…」
アレスとミレトアは意外にも話が合うようで、教室の中に入ってもずっと隣で話し続けていた。
「アレスさん!私あなたみたいな気軽に話せる人が欲しかったんです!」
「俺もそうだよ!」
二人の世界に入っている様子のアレスとミレトア。