第120話 勇者、旅に出る。
「依頼というのはどのような依頼ですか?」
神黒は商人長から直接依頼された内容を知るために深々とソファに座る商人長に詳細を聞いた。
「簡単に言えば、ペトム村から南方に位置する森に棲むモノノケの調査だな!」
「その調査がペトム村にどんな関係が···?」
「それがその森に棲むと言われるモノノケがなにやらペトム村の異変に関係があるという情報をある村で入手したんだ。だから、そろそろ誰か強力な侍に依頼しようと考えていたんだよ」
「そういうことでしたか······。分かりました!それでは準備もあるので早速、ペトム村に向かいますね···」
神黒たちは商人長と別れ、泊まる宿屋に戻った。
「フローレンいるか?」
「おるぞ!何用かな?」
「フローレンって一様、自然の神みたいな存在だろ。怪しい気配のある場所とか分からないか?」
「うむ、出来なくは無いが···、この能力を発揮すると3日程は私の祝福の効果が無くなるぞ」
「それでも良い、やってくれ······」
「分かった。それでは今から自然捜索を行う。だから、体を一瞬貸してくれ!」
イザナミはみるみるうちに神黒の体に入り込み、神黒の体を奪い取った。
「何だ、これは······」
「すまんな神黒······。古の神に授かりし知恵と技能を行使し、自然たるこの地に存在する邪悪な気配を探り出せ。ネイチャーサーチ······」
イザナミの唱えた呪文はみるみるうちに空間に散りばめられるように浸透していき、イザナミの脳に世界全体の地形を浮かび上がらせた。
イザナミは世界という広大な大地からペトム村周辺を中心に邪悪な気配を捜索し始めた。
「うむうむ、こことここが怪しそうだな······。あらかたは分かったが······」
イザナミの意識は途中で遮断され、神黒の意識が戻る。
「······うぅ、どうなったんだ······?」
「取り戻した!!急にどうしたんですか神黒さん!?」
「いや、ちょっとした立ちくらみだよ···」
「まだ、休んでおきますか?」
「いや、大丈夫だ。行こう!」
イザナミ。聞こえるか?
あぁ、聞こえておるぞ。さっきのサーチで2つの邪悪な気配を感じた。1つ目はさっきの商人長が言っていた森の中だ。そしてもう1つは······ここだ。
「···エッ!」
「どうしました神黒さん?」
おい!ここって今いるこの街ってこと!?
あぁ、そうだ···。しかもこの邪悪な気配はさっき行ったばかりの商業処だった。




