学院生活最初のテストの結果はいかに?
「エリス先生!なぜ最終テストで俺は生徒会長と対戦させられたのでしょうか?」
前から疑問に思っていた。別に強さを発揮していたわけでもないのに学院最強の生徒会長と戦ったのはなぜなのか、俺には理解できなかった。エリス先生はその様子を見てすぐため息をついて、その理由を語る。
「アレス君、そのわざとらしい弱さアピールで騙せるとでも思ったのか···?もろばれだったぞ…」
アレスは焦った。なぜなら自分が強くないことを表沙汰しないようにしていたことが逆に怪しく見えていたとエリス先生に言われたからだ。
「このことってもろバレてましたか···?」
「ん~、フェルトって生徒にはバレていたと思うぞ」
···誰だか知らないがそいつは相当手強い相手になりそうだ…。
「まぁー。今となってはあの学院最強の生徒会長に模擬戦で勝ったんだ、もう手遅れだな!」
エリス先生はアレスの困った表情を見て、今後も面白い展開に期待しているぞ!と言い笑っていた。
エリス先生は時計の針を見てアレスに話しかける。
「もう時間のようだが、アレスは早く教室に戻らないのか?」
アレスは職員室にいるエリス先生を後にし、急いで教室に急ぐ。
「アレス君!君は何で重要な日に限って遅刻するのだよ!早く席に座ってくれ!」
「はい…スミマセン」
···なぜこの学級委員長はいつも朝からこんなに真面目すぎるんだ…。
朝の鐘の音が校内中に響く。
「みんなおはよう!そして、アレス君お・は・よ・う…!」
エリス先生はわざとらしくクラスの視線をアレスに向かせる。
「昨日はアレスには驚かされたな〜!生徒達もそう思わないか?」
クラスの大半が頷く。
1人の生徒が反論する。
「そうか?あんなの生徒会長が手加減しただけだろ!」
エリス先生は冷静に反応する。
「それでも勝ったことには変わりわないと思うが!」
「チッ!!」
エリス先生は昨日のテストの話を始めた。
「今日のホームルームでは昨日の中間能力テストの結果を発表する。昨日の結果は黒板に書き込むので自分で確認するように~!」
黒板に書き込まれた内容は次のようになっていた。
氏名・結果の点数・学級
この3つの内容が書かれている。アレスは自分の結果を見に行く。
「よし!」
クラスがEクラスに変わっていた。
···これで退学阻止出来たってことだよな。良かった〜!あの最終テストで勝てなかったらと思うと危うく勇者に会う前にゲームオーバーになるところだった。
「アレスくんもEクラスに昇級できてるね!良かった~一緒に昇級出来て」
「ということはお前も昇級出来たのか!良かった!」
「ねぇ?前から思っていたんだけどアレスくんは何で僕を呼ぶときは名前でお前で呼ばないの?」
「えっ!そんな呼び方してたか〜···いや、確かに記憶にない。ってか、俺、お前の名前知らないわ…!」
その子は顔を膨らませて上目遣いで怒ってきた。
「もう1ヶ月一緒なのにー!?僕は悲しいよー!」
「僕の名前はエリック・フェルト!入学初日に自己紹介しなかったっけ···?」
「もしかしてエリック・ブライト先輩の兄弟!?」
「言わなかったっけ?」
「言われてないよ。フェルトって呼べばいいの?」
「みんなにはフェトと呼ばれがちだよ」
「分かった。これからはフェトと呼ぶよ!」
···フェトがブライト先輩の弟だったなんて!見た目で判断するのはやめた方がいいかもな…。
フェトは話の続きを話し始める。
「アレスって、何で最終テストに参加したの?」
アレスは当然のように話す。
「そんなのテストなんだから参加するに決まってるだろ?」
フェトとアレスの話が上手く噛み合っていない。
「何を言っているんだい?一年生は鑑定テストとコントロールテストが科目のテストで最終テストは自由なんだよ?」
アレスはフェトの話を聞いて閲覧スキルでもう一度調べる。
······え?閲覧スキルで読んだ内容では鑑定スキル、コントロールテスト、そして決闘が国立魔法学院の中間能力テストでの科目であったはず。
(その年その年で内容が変わる場合もある)
···なんだこれ!?
そこには画面の右下に小さな文字で書かれていた。
···つまりだ、俺はやらなくていい最終テストをエリス先生に上手いことに操られ、生徒会長と対戦していた。俺…結構やらかした···!?
アレスは少し焦りながらもその恥ずかしさを表情に出さないようにする。
「いや〜!でもアレスが学院最強の生徒会長に決闘で勝ってしまうなんて思わなかったよ!!アレスって案外凄いやつだったりして…!」
「いや〜。別に俺が強いわけじゃなくて、先輩が手加減してくれたんだよ〜。はっはっはっー…」
俺は上手く笑えているだろうか?




