第117.5話
「クレハさんって研究中にペトム村になにかの変化って感じました?どんなに小さい変化でも良いので何か覚えていることを教えてください!」
「研究中だったし、思い当たることはあまりないな~、け······」
「そうですか···、ありがとうございました」
神黒はクレハが言い終わる前に店を出たのだった。
「そんなに急いでたのか···。あっ店員さん!!カレー無しにお願いします!」
「神黒さん、上手く情報引き出せましたか?」
「駄目だった、すまん。クレハのやつ研究に集中してたみたいで心当たりが無いらしい」
「やっぱりそうだったんだ···。ここの村で聞き込みはしたけど優良な情報は無かったよ···」
何の情報も獲られなかった神黒たちはとりあえずペトム村へ戻った。
「でも、これからどうするか···」
神黒たちはペトム村の近辺を歩いていると突然、邪悪な霧が漂い始めた。
「これって······」
「原因かもしれないな、とりあえず周囲を癒す術式を展開して安全に進んでいくか」
···ゴクリ。回復術式は繊細な術式だ···。少しでも力を力んだりすると詠唱中に魔法が解けてしまう。深呼吸だ······、スゥー!ハァ。
「自然に愛される者イザナミよ!我らに癒しの羽衣を纏わせたまえ!治癒の羽衣」
呪文が唱え終えると同時にそれぞれの服に羽織るようにイザナミの効力が与えられた。
「よし!行くか···」
神黒は不鮮明な視界の中で一番霧の濃い、エリアへと向かった。
最も霧の濃い場所に着くと霊魂のような物体が空へ浮上していて、邪悪な霧を放出していた。
神黒たちはすぐさま霊魂のような物体を切り裂こうとするものの、殺傷能力のある物はまるで歯が立たなかった。




