第114話 勇者、王様から依頼を受ける。
「明くん!どうなんだい?どう倒したんだい!!」
王様のハイテンションに圧される神黒たちを見た王様の直属の部下が王様に話しかける。
「ジーニクス王、少しはしゃぎすぎではないでしょうか···。勇者様方が困ってらっしゃいますよ······」
王様は取り乱した自身の様子にようやく気づいたのか、咳払いをして冷静さを取り戻す。
「すまぬ、少し取り乱した。君たちをここまで呼んだのには理由がある。ここ最近、妖怪の出現数が例年よりも爆発的に増加している。それを不審に思い、私の直属の部下であるリグレイにこの調査をしてもらった。詳細を勇者様方に話してくれるか」
「はっ!我らの持つ調査機関にて徹底的に国全土を調べた結果、元凶は最南端にある魔島に棲むデスビーストというモノノケが出現してから、急激に増加し始めたのです。今では国内の4割が侵略されそうになっています」
暗い顔を浮かべるリグレイは話し終えると口を閉じる。
「リグレイの言った通りだ。君たちには魔島に棲むデスビーストを討伐して欲しいのだ。勿論、多額の報酬を払うし前報酬も払う。だから、この依頼を受けてくれないか?」
「分かりました!僕たちに任せてください!!」
明は自信満々に依頼を受けた。王様はその応答にとても満足しているようだ。
神黒たちは明の単独での決定に戸惑い、慌ててしまう。
······なぜそこまで自信満々に承諾したんだよ明!!
······あんなにボロボロになっても神黒さんたちが来てくれなかったら倒せなかったモノノケを···、しかも今度は大山蛙よりも強いと言われているデスビースト···?明は何を考えているの!?
「待って下さい王様!!失礼とは承知で発言をしますが、私達は死に物狂いで戦い、ギリギリでモノノケに勝ったのです。今の我らではデスビーストには勝てないのです。だから······」
明は叶の話を遮るように話し始める。
「叶、そう自分を低く見るな。大丈夫だ!僕らには神黒さんがいるのだから!!」
おい、待て!!馬鹿なこと言ってんじゃないよ!!絶対誤解してる、誤解を解かないと。
「明、俺は明が思っているよりも強くないぞ!?」
「神黒さんも自分を低く見すぎですよ!神黒さん自信を持って下さい!!」
駄目だ···。こいつ、完全に狂ってやがる······。
神黒たちは明の暴走によって、デスビースト退治を受けることになった。
用事を終え、城を出ると早くも噂を聞きつけたのか民衆が群がっていた。
「勇者様だわ!」
「新勇者の凱旋だ~!!皆で祝おうじゃないか!!」
シドールの民衆は手におみあげを持って、明たち勇者を迎えた。
「勇者様、家の新鮮な野菜持っててくれ!!」
「家の装飾品も持っててくれ!!」
「私の小説もあげるわ!!」
突然、誰かの言葉に反応した人が驚く。
「おい!!ここにかの有名な小説家アリス・シュートベルグがいるぞー!!」
「まじか!?あのアリス様が···!!」
勇者を見に来た民衆はアリスと言う小説家が来ていることが分かり、アリスの方へ行ってしまった。
「ヤバッ!?」
「神黒さん、あれは助けた方が良いのでは?」
楓の話を聞いた神黒はアリスと言う者を助けるために走り出した。
「アリスさん、こっちです!」
「あっはい!」
神黒は急いでアリスを民衆のいるところから離した。
「大丈夫ですか?」
「あなたは先ほど勇者様と共にいた人。ありがとうございます!助かりました···」
「それでは俺はこれで···」
「あっ!······本当にありがとうございました」
神黒はアリスを救うとすぐに楓たちの下へ帰るのであった。




