第102話 勇者、謎の美女と出会う。
「神黒様!俊足草30個、確かに受け取りました。お約束した報酬です!」
神黒は5000ユリンが入った布袋を受付嬢のフェリアから受け取った。
「今日は疲れたし、宿屋借りてさっさと寝ないか?」
「えぇー!?お腹空いたよ···」
「分かった、行こう!」
結局、神黒たちは衛門亭の料理を食べにドラン国の西側へ向かったのであった。
美味しい衛門亭の料理を食べ終えた神黒たちはテーブルに料金を置き、宿屋を借りに宿屋通りを歩むのであった。
━━━翌朝。
「起きてる~!」
朝早くから騒ぎ立てていたのはアニメのヒロインのようなボディと綺麗な顔立ちをした女性だった。
「···?」
夢か?まだ寝ぼけてるのかもな···。
神黒は再び掛け布団を体にかけて、眠り始める。
その場に呆然と立ち尽くす女性は、少し間を置くと状況を把握して、再び神黒を起こそうと試みる。
「神黒さ~ん!!」
あ~!!誰だこの美少女は〜!?
気が狂いそうになる神黒であったが、一度思考停止したおかげか感情をリセットすることに成功したのだった。
まずは今起きている異常な現象を紐解こう···。目の前にはまさに美少女という言葉が似合う者がいる。しかし、俺はこの者の名前は愚かどこかで見た記憶さえない。
「···失礼ですが、あなたは誰ですか?」
女性は今更何を言っているのかと思わせる顔ぶりをしながら神黒をじっーと見つめた。
「······」
「あなたもしかして、本当に忘れたの?」
「···あなたは誰ですか?」
「私よ私!!か・え・で!色幹楓です!!」
はっ···?この人は何を言っているんだ···?楓···?俺の知っている楓は俺よりも背が低く、こんな美少女でも豊満なボディでもなかったはずだ···。
俺がおかしくなったのか···。きっとそうだ!あの頃のような小さな姿に戻ってくれー!!
神黒の思考が壊れ始めた時だった。扉の向こうから聞き覚えのある声が聞こえ始めた。
「おはよ~神黒さん···」
寝ぼけながら神黒の部屋の扉を開ける。目の前にいる美少女に一瞬膠着状態になる。
「···誰?神黒さんが金で雇った女···!?」
「私ってそんな風に見える···!」
「違う違う〜!!誤解だ~!!」
桜はじっーと女性の顔を見ているとあることに気づく。
「もしかして楓姉ちゃん?」
「そうよ!やっぱり桜はちゃんと気づいたわね!」
「なんとなく楓姉ちゃんの面影を感じて···」
「やっぱり神黒さんがおかしいんじゃん!!」
桜は何か言いかけて飲み込んだ。
「何か言いたそうにしてたけど、どうしたの桜?」
楓の質問に桜は答え始めた。
「楓姉ちゃん···。お言葉だけど、今の楓姉ちゃんの姿を理解しているの?」
「急にどうしたの···」
楓は近くに立てられていた鏡に身を覗かせる。
「な···んなの!?この体······。大人の女性になってる~!!」




