第101話 勇者、悪魔と決着を着ける。
「グハッ!」
エルドランは地上に落ち、地面に突きつけられる。
「やったか!?」
エルドランは地上に倒れこみ、何も発しなくなった。
「ようやく倒せたのか?」
「ありがとう神黒!神黒が助けに来てくれて良かった!」
勇継が神黒を褒め称えていると背後から何とも気持ち悪い音を響かせながら、おぞましいオーラを出し始める。
「何だ、今の嫌な音は······!耳から脳を引っ張られているように痛い!」
嫌な音に苦しめられる一行はその発音元の方向を向く。そこには先ほどいた悪魔の原型など残していないスライム状の液体だけが残っていた。
「あれがこの奇妙な音を発しているのか···?」
スライム状の液体は徐々に人形に変形していき、元の悪魔の姿へ戻ろうとしていた。
神黒たちは嫌な予感が浮かんだため、急ぎ人形になろうとする液体に刀を振り下ろす。しかし、刀は人形へと戻ろうとする液体を止めることはなかった。
液体は悪魔の姿を取り戻し、再びオーバーロードたちの顔に向けて黒い球を撃ち放つ。
これは避けられない!?
オーバーロードたちは急いで左右に避けようと動くものの目の前の黒い球の速さに間に合わず、すべての侍が灰に変わろうとした時だった。
一瞬の隙にオーバーロードたちと神黒は洞窟の壁際に横たわっていた。
「今の一瞬で何が起きたんだ···?」
「黒い球に当たったはずだが、なぜ生きているんだ?」
そこにいた全員が何が起きたか分からず、この場の空気が凍った。
謎の現象に救われた神黒たちはこの好機を見逃さずに全ての力を悪魔に撃ち込んだ。
強烈な攻撃を受けた悪魔は先ほどのスライム状の姿にならずに砂のようにさらさらと粉々になって消えていったのだった。
「今度こそやったのか···?」
少しの時間経ってもエルドランの姿は現れなかった。
「やったようだな···。やっと、終わった~!!」
勇継は腕を広げて背中から倒れ込んだ。それぞれが体力を回復させたり、息を整える。
こうしてクエストを完了させたオーバーローたちはドラン国へ帰還しに行ったのだった。
その時、神黒たちはというと······。
「私たち、また俊足草採るの~!?」
「しょうがないじゃないか、さっきと戦闘で散々使っちまったんだから······」
愚痴を吐きながら俊足草を採取する楓たちを説得する神黒は黙々と洞窟付近を移動しながら俊足草を採取するのであった。
神黒たちはどうにか日が沈む前までに依頼達成数である30個を採取することができ、報酬を受け取りにドラン国にある侍処へ向かったのであった。




