生徒会長は手強いです!
受付に行くとそこでは騒ぎが起きていた。
「おい!マジかよ!なんで学院最強の生徒会長が入学したてのFクラスの生徒と対戦することになってんだよー!」
···どういうことだ?Fクラスの生徒が学院最強の生徒会長と対戦する?俺のクラスにそんなに強いやつなんていたか?
壁沿いをつたって受付へ行く。受付に着くと、受付の職員が鬼気迫る表情で待ち構えていた。
「アレス・フォーカーさんで合っていますでしょうか?」
「はい…?」
「あなたと対戦したいと所望する方がいまして、それがフォーチュン・アリスと言うものなのですが…」
周囲の視線がこちらに向けられる。
「もしかして、あそこにいる男子生徒が噂の対戦相手なのか!?」
「強そうには見えないが?」
周囲がざわつく。
「対戦しますか···?」
「最終テストの対戦相手が決まりましたか。良かった···見つからなくてダメになったのかと…その人でお願いします!」
「分かりました。両者の了解も取れましたので、この対戦を許可します」
受付の方は少し可哀想な人を見つめるような表情をしながら見送った。
···誰だろうな〜。フォーチュン・アリス先輩って、やっぱり強いのかな〜?でも、ここで結果を出さなきゃ即退学になってしまうし、頑張らないと!
「次の対戦カードは学院トップの生徒会長フォーチュン・アリスVS無名の一年生アレス・フォーカーだ〜!アレス・フォーカー選手は何秒耐えきれるのかがみどころだ~!」
···流石にそこまで弱いと思われてんのかFクラスの生徒は…。
「対戦始め!」
笛の音と共に対戦が始まる。対戦相手は速攻でレイピアの剣先をアレスの胴体に向けて放つ。
アレスもそれに反応して素早く避ける。
···結構速いな。反応できないほどではないが少し気を抜けば、一瞬で胴体がもってかれそうだ。
対戦相手は何回かレイピアを放っていると、突然手を止めてアレスに話しかける。
「あなたはやっぱり只者ではないわね。エリス先生に頼まれてやむなく、対戦相手にしてあげたけど、あなたはエリス先生が言っていた通り力を隠していたのね」
「何の話だ?」
「良いのよ。別にあなたには関係のない話だから!」
「さっぱり言っていることが理解出来ないが、俺はここで結果を出さないと退学になってしまうので全力を出させてもらいます!」
···もちろん本気を出すわけにもいかないし、今の状態じゃ出せないから嘘だけど。
「来なさい!本気で!」