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1品目:フラモンド(鹿肉)のローストビーフ


不味い。不味い不味い不味い不味い。

不味すぎる!!!!


なんなんだ、この世界の食べ物は!!!食えたもんじゃない。そもそも食べていいものなのかも分からない!!!!


いや、別に食いたくないならその食べ物を食わなければいいというのはわかる。大いに分かる。しかしそうも言っていられないのだ。

なぜなら、全てのものが不味すぎるから!!!!!


何故不味いと感じるか、と言われれば話はとても長くなるから端折りに端折って話せば私には前世がある。前世は魔物なんていなかったし、魔法も使わなかった。そもそもそんな物は小説の中の話かアニメだ。

だから私が前世があると気付いた時、異世界転生したという事実、魔法があるという事実にとても喜んだ。しかしそれと同時に、この世界の食べ物が全て不味いと感じるようになったんだ。


「もう、アーネット。またご飯を噛んで戻すなんてはしたない」

「だって!!!」

「また母さんのご飯が美味しくない、なんて言うなよ?アーネット」


「う…だってぇ」

「母さんの料理は元々王宮料理人の人も習いに来るほどの腕前なんだぞ?罰当たりめ」

「ごめんなさぁい…」


王宮料理人の人が習いに来るほど。となればお母さんはとても料理が得意だったし上手いってことはそもそもの食文化がこの国は悪いという事になる。

なら、私がその食文化を変えない限り、私はこの世界で餓死するかもしれないって事、だよね!?


「今日だって父さんが頑張ってフラモンドを倒してきたんだろ?美味しいじゃん!」


フラモンドというのは、魔獣のことだけど鹿に似ている姿かたち、そして肉質も鹿だけどとても臭い。ジビエ料理を前世では美味しい美味しいと食べていた私だけど、これは物凄く不味い。


お母さんは、しっかりと火を通して前世で言う塩コショウのようなものをかけて、特製ソースをかけて食べるけど臭みは消えてないし、消そうと頑張っている特製ソースは酸っぱすぎてもはや邪魔。


「…なんでこんなに不味いの」

「っっ!!!そんなこと言うのならもう作りません!アーネットは自分で作りなさい!!」


私がずっと不味い不味いばかり言ってしまったせいでお母さんは激おこ。ついには自分で作れと言われた。

なら、作ってみませうか!

まず、キッチンには調味料が全くありません。塩コショウのようなものだけ。あとは木の実で味を作るけどそれが根本として間違えている。


「私、ちょっと外行ってくる!」

「っ!?父さんも行かなくていいか?」

「大丈夫!ちょっとそこまで!」


心配性のお父さんを放っておいて庭先へ行けば、目当てのものはある。

前にマークしていて、絶対これハーブの一種だ。と思っていたもの。ちゃんと匂いも味も確認したらローズマリーとローリエに似ている。レモングラスに似た者もあれば良かったのに、それは無かった。残念。


「…よし、これで材料はOK」

「…何しようとしているの?アーネット」


お母さんも心配そうに見ているけれど、確かに庭先に生えていた雑草みたいなものを持ってきて料理を始めようとしている我が子を見たら確かに心配にもなるか…。


「大丈夫、私に任せて!」


まずはじめにお肉にフォークで穴を開ける。その後に塩コショウに似た調味料のシーショウを揉みこんで、油を揉み込む。

それから魔道冷却庫にお肉を入れて15分。15分経ったらお鍋に水を入れて沸騰させながらお肉を白くなるまで茹でる。その時に水は少し、雑草と言われているローリエに似たロワーノ、ローズマリーに似たロゼアを一緒に入れるのを忘れずに。


「…よし、これくらいでOK」

「え…?」


お肉が白くなればそのまま火を止めて鍋に蓋をして、20分置いておく。

20分たったらお湯と草たちを出して、お肉の表面を順番に焼いていく。

粗熱をとったら、いつも包んでいる葉でお肉を包んでまた魔道冷却庫の中へ1時間。


「…まだなのか?」

「もうすぐでできるから!」

「アーネット…何を作ろうとしているの?」


心配そうなお父さんとお母さんに出来てからのお楽しみ!って言って、魔道冷却庫の中に入れている間にソースも作ってみる。


ソースは果物を元にしてみようと思って、甘めのものを作ってみる。

野いちごと砂糖、レモンに味が似ているレモットを潰してよく混ぜて完成。ジャムみたいで、お肉の表面にはシーショウが揉みこまれてて辛いから甘くなっててちょうどいいかも。


よし、ちょうどソースができる頃合いにお肉も出来上がったから取り出して薄めに切る。


「っ!?中が少し赤いじゃない!!お腹壊すわよ?」

「壊さないから、大丈夫っ!」

「えぇ……?」


お皿に並べてソースを添えて完成。名付けてフラモンドのローストビーフ!


「さ、お父さんもお母さんも食べてみて!」

「え…?あなた…」

「せっかくアーネットが作ってくれたんだ。食べてみよう」


お父さんもお母さんも恐る恐る食べてみる。私は味が分かっているように食べてみると、やっぱり美味しい!お肉の臭さもなければ甘いジャムもアクセントになっているし、お肉が柔らかい。


「っ!!美味しいわ…!」

「あぁ、いつもの癖がないな…食べやすい」

「だから言ったでしょ!」


お父さんにもお母さんにもどうやら好評で、今回は大成功になった。

お母さんからは私が料理を作るのは別にいいけれど突拍子も無いことをしないで。と叱られ、お父さんはしばらくずっとフラモンドを狩ってきては私にローストビーフを作るように言いに来ていたのは、とても面白い話である。


【フラモンド(鹿肉)のローストビーフ】


「材料」

・鹿肉ブロック・・・400g

・塩コショウ・・・少々

・ローズマリー・・・小さな袋に入れれる程度

・ローリエ・・・小さな袋に入れれる程度

(あるといいもの→ニンニク)

・オリーブオイル・・・小さじ1



「手順」

①鹿肉は冷蔵庫から1時間前には出しておきます

ニンニクがあればすり潰しておく

②鹿肉をフォークで穴を開け、耐熱性の保存袋の中へ入れる。塩コショウ、ニンニク、オリーブオイルを入れてよく揉み込むその後に冷蔵庫で15分ほど置いておく

③鍋に水を肉が浸かるほど入れ、②を保存袋ごと、ローズマリーとローリエを入れて中火で肉が白っぽくなるまで茹でる

④白っぽくなったら火を止めて鍋の蓋をして20分ほど置いておく

⑤保存袋からニンニクを取り出してフライパンに入れ、オリーブオイルを1/2入れて弱火にかける。

ニンニクが香りだったら、鹿肉を入れて中火で転がしながら全体に焼き色を入れる

⑥取り出して粗熱が取れたらラップで包み冷蔵庫へ1時間以上置く。

食べる際は好きな大きさに切って食べる!



ソースは市販のローストビーフ用のソースを使うといいかもしれないです…!

鹿肉のローストビーフ、実際に作って食べてみましたが、臭みは個体差あるかもしれません

(1回目→美味しい、2回目→なんか臭い? となりました)

ハーブは排水溝ネットのような穴が空いているようなものを使うと後処理が楽ですよ!


以上、鹿肉のローストビーフでした!

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