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迷宮学園の落第生  作者: 桐地栄人


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第六十九話 生徒会

次の日の放課後、俺は昨日会った星空のパーティーメンバー達と会っていた。

その先頭にはマントをつけた右京が腰に手を当てて笑っていた。


「はーっはっは!貴様、昨日の今日で我の眷属になりに来たのか?頭を下げるのなら考えてやらんこともないぞ!」

「……お前、今日何のために集まったか聞いてないのか?」

「聞いとるわ!」


じゃあ何で今の言葉が出てくるんだよ。


「まあまあ!今日は部活作りをする仲間なんだから仲良くしよう!」

「そうだったな。今日はよろしく頼む」

「ふん!それでよいのだ!」


不遜な態度でそう言ってくる右京を見ながら、俺は四人に聞く。


「それにしても、お前ら、俺の昼のクーラーのために悪いな」

「別にいいよー!私達も専用の撮影部屋欲しかったしー!」

「うんうん!だからワン君は気にしなくていいですよ!」


清水と春宮が頷いているのを見て、俺は疑問を抱く。


「Aクラスがいる寮の部屋は俺らの部屋より広いって聞いたが、自室じゃダメなのか?」

「うーん、私達が住んでる赤虎寮の部屋って1DKなんだけど、部屋で動画撮るスペースって寝室か台所になっちゃうんだよねー」

「ちょっと狭いか」

「うーん、狭いのもあるけど、やっぱりちゃんと撮影するならちゃんとした撮影部屋が欲しいわけなんですよ、動画配信者としては」


なるほど。配信専用部屋か。俺は配信者ではないのでよく分からないが、確かに寝室で配信している、などという配信者は聞いたことないな。


まあ俺はソファーとクーラーさえあればいいので、それ以外の部屋の模様替えは好きにしてくれて構わない。多分俺より彼女達が使う時間のほうが長いだろうしな。


「そういうわけだから、ワン君はどっしり構えてればいいよ!」

「分かった」


星空がそこまでいうのならば秘策があるのだろう。俺は後ろについていって、彼女達のおこぼれに預かるだけだ。


「んじゃ、このまま五人で行くか」

「いや、生徒会室に行くのは私とワン君だけだよ」

「え?」


てっきり五人で行くのかと思っていたのに。


「五人でゾロゾロ行くのは流石に多いかもです!」

「うんうん!ワン君、私達の分まで頑張ってきてください!」

「我が眷属として恥じぬ働きを期待する!」


……ええー。




結局、星空と二人で五人の名前が記載された部活動設立届けを持って生徒会室まで行く。


生徒会室の前まで歩き、扉の前に立つ。


そして、星空が扉をノックすると、中から入室を許可する声が聞こえてくる。


「失礼します」


そう言って中に入ると、この東迷学園の生徒会のメンバーである七人が座っていた。

二人で部屋の中に入ると、その中央に座っている男が、口を開く。


「こんにちは。そちらのワン君、もとい小鳥遊君はお久しぶりだね」

「ん?どこかで会いました?」


見覚えがある様なない様な。


俺がそう聞くと、その男子生徒はガクリとして困った顔をする。


「ありゃりゃ、忘れられちゃったか。まあしょうがない、ちょっと軽く挨拶しただけだしね」

「すみませんね。忘れっぽくて」


男子生徒の口振からして言葉を交わしたらしいのだが、いつの事だろうか。


俺が思い出せないでいると、横の女子生徒が声を上げる。


「五層のイレギュラーのオークを貴方が倒した時よ。全く……」

「五層のイレギュラーのオーク……?ああ、思いた!ワープゲート前で会った天王寺先輩とそちらは……」

「長谷川よ!別に覚えなくてもいいけど!」

「そうでした。生徒会長だったんですね」

「そうだよ!今年から新しく発足された新生徒会の生徒会長さ!」


天王寺先輩がきらりとした笑顔で明るくそう話す。


生徒会とかいつの間に新しくなったんだ。前生徒会はいつ解散されたのさ。


「ワン様、お待ちしておりました」


横から聞こえてきた声に顔を向けると、そこには花園が立っていた。


「花園も生徒会だったのか」

「はい!生徒会長の天王寺様にスカウトをいただきまして、未熟ながら生徒会の末席に加えさせていただいております」

「へー」


この学園の生徒会ってスカウト制なのか。


「オホン。まあそういう事だよ。個々人の紹介は別に構わないよね?君達の目的とは関係ないだろうし」


そう言って天王寺が先を促す。有難い。名前を言われても多分覚えられないし、忘れると思う。


「じゃあ早速ですが本題に入らせていただきまーす!今日こちらに伺った理由はー」

「部活設立でしょ。もう聞いてるわよ」

「そうでーす!私たちはこの『企業案件PR部』の設立の認可をいただきたいです!」


長谷川の横槍を気にする事なく、星空が明るく説明する。


「ふむふむ。なるほど、君達の配信業を生かした企業案件のPRを専門とする部活か……。これは予想外だったな。てっきり動画編集部とか動画撮影部みたいなのを予想していたんだけど」

「えへへ、それもいいなーと思ったんですけど、それだと迷宮に関連する部活としてはちょっと薄いのと、学園の利益にはならないかなーと思いまして」

「そうだね。他の普通の学校ならいざ知らず、本来動画撮影などは迷宮探索においては不要なものだ。単なる動画撮影部、では通すのは難しいと考えていたところだよ」

「やっぱりですかー!よかったー!」


星空は両手を合わせて安心した様に笑う。


「じゃあ早速、名前から想像は付くけど一応君達『企業案件PR部』の具体的な活動内容を聞かせてもらっていいかい?」

「はい!私達『企業案件PR部』の主な活動内容は、動画配信者である私達の配信を通して依頼して下さった企業様の商品をご紹介することでーす!メンバーはここにいるワン君……じゃなくて小鳥遊君を部長として副部長に私、メンバーに右京、清水と春宮の計五人です!」


え、俺、部長なの?

聞いてないけど。


そういえば一番上に名前を書かされた気がする。

あんまり紙の中身見てなかった。まあいいけど。


別にやる事変わらないし、億劫になったら解散、って叫ぶか。


「なるほど。ふむ……その企業案件PRっていうのは迷宮アイテムに限るかい?」

「基本的には迷宮関連の商品PRをするつもりです!ただ、普通の家具などの案件もいっぱい貰ったりしますので、限る、ということはないです!」

「ふむふむ。まあ依頼する企業様にもよるだろうし、時期とかもあるだろうからね」

「はい!そこはこだわりなくやらせていただこうと思います!」

「なるほどー。他の皆はどうだろう?僕はありだと思うけど」


そう言って、天王寺が他の役員を見渡す。


すると、いち早く反応した花園が嬉しそうな声で賛成する。


「素晴らしい案だと思います!是非、ワン様……いえ、小鳥遊様の企業案件、見たいと思います!」

「ちょっと千草!私情を挟まないで!」

「まあまあ二人とも。花園は賛成として、長谷川はもしかして反対かい?」

「当たり前じゃない!色々言ってるけどこいつら、昼に部室でクーラー使いたいから部活作ろうとしてるのよ?そんな事許されるわけないじゃない!」


副会長の長谷川がそう怒鳴る。あんた……文句言ってるけど、実は星空のリスナーなんだな。


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