ニューヨークに住む妹にワクチン事情を聞いてみた
日本でも少しずつコロナのワクチン接種が進む中、旦那の海外転勤でニューヨークに住んでいる妹に、向こうのワクチン事情を聞いてみた所、コロナ事情なども含めた長文メールが返ってきた。
その内容が興味深かったので本人に許可を取り、以下、なるべく原文そのままに記載してみようと思う。
ちなみに妹の家族構成は旦那と子供二人の四人家族、子供の一人は昨年秋に出産。
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我が家と私個人の感覚(●)と、定期的に在NY日本大使館から送られてくる情報(〇)をかいつまんで。
〇現在、これからのNY (ざっくり)
7月から経済を完全再開させようとしているみたい。
観光業も復興を目指し、観光客にジョンソンエンドジョンソン(1回でOK)の予防接種を打つ案なども出てきているみたい。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN295E30Z20C21A4000000/
〜17日、クオモ・ニューヨーク州知事は、19日(水)から、ワクチン接種者に対するマスクの着用及びソーシャル・ディスタンスについて、CDCの「ワクチン接種完了者に対する公的保健の暫定的勧告(Interim Public Health Recommendations for Fully Vaccinated People)」を採用する旨を発表し、マスク及び施設等に人が集まる場合のルールについて以下のとおり改定しました。
これにより、連邦・州・地方における法令や規則、ローカルビジネスや職場におけるガイダンスで要求される場合を除き、ワクチン接種完了者については、マスクの着用及び6フィートの距離の確保が不要となりました。
ただし、幼稚園から12歳までの学校、公共交通機関、ホームレスシェルター、矯正施設、高齢者施設、医療機関などでは、更に多くのニューヨーク州民が完全にワクチンを接種するまで、州の既存のガイドラインに従いマスク着用が必要です〜
●所感
たしかに最近は公園も街も人が多くなって、あ~なんかいろいろ戻って来てるなって感じる。
ただ、我が家の暮らし自体はそこまで変わってなくて、コロナが収束しつつあるけど、アジア人へのヘイトクライム事件が後を絶たないから、用がなければマンハッタンへは行かない。
地下鉄は極力乗らない。必然的に行動範囲は今までとそう変わらず、徒歩でいける範囲の生活。
〇ワクチン接種
〜NYはvaccine打ち始めの頃は対象者が州保健局が設定する優先計画に従い、ワクチン接種が実施されます。
1A及び1Bの段階におけるワクチン接種対象者は、ハイリスクに晒されている病院関係者、高齢者施設在住者及び職員、COVID-19関連の最前線で活動する職員、65歳以上の市民、警察官や消防士等の初期対応者(first responder)、12学年までの学校の教員、公共交通機関職員、ホームレス・シェルター滞在者及び職員等です。
今後、接種対象者が拡大される予定ですので、随時確認されることをお勧めします〜
だそうです。
●我が家のワクチン事情
ニューヨーク州では、新型コロナウイルスの接種対象者の年齢が3月30日より30歳以上に、4月6日からは16歳以上に引き下げられたのだけど、旦那は4/22、5/13で接種完了。
初めはほんとに予約が取れなくて、1回目の予約がようやく見つかったのが大規模接種会場でした。
その後、どんどん予約は取りやすくなって、2回目は近くの薬局で打った。
私は今週に薬局で打つ。対象年齢が12歳以上に引き下がったから、さらにvaccineを打つ人は増える。
〇●コロナ対策全般
クオモ州知事のリーダーシップ他、アメリカの半ば強引な政策が印象的。
2020/3/22からのPM8以降の外出禁止に始まり、不要不急の外出自粛、不要不急のお店の休業、企業への全面在宅勤務要請、学校のオンライン授業への全面切り替え、レストランの内外飲食禁止(Take outのみ)。
印象に残っているのはこんな感じ。
その頃の暮らしは、週1のスーパーと散歩以外はずっと部屋で過ごしていた。マンションの共有スペースも閉鎖だからね。
少しずつ経済が再開された後も、私が妊娠中(昨年秋に第二子を出産)だったから、リスク最小限に2020年はかなり制限した暮らしをしていたよ。
それでも11月の臨月に長女のpreschoolのクラスでコロナ陽性の子供が出てしまって、長女も含めてみんな濃厚接触者になった時はどうしようかと思ったけどね。
正直、NYでvaccineが打ち始める前は、全然日本の方が暮らしやすいじゃん!と思っていた。ネットニュースから見る日本だけど、日本てコロナ拡大してないんだな、すごいなって。
ただ、今の日本に関してはワクチンに関してはびっくりするほど遅いと思う。オリンピックもどうするのか早く決めたらいいのにと思っているよ。
〇最後に直近のデータについて
5月14日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。
ニューヨーク州:感染者数 2,065,533、死者数 42,417
人口:約1900万人
ニューヨーク市:感染者数 926,650、死者数 22,249
人口:約830万人
参考(5月20日時点)
東京都:感染者数 153,390、死者数 1,969
人口:約930万人
日本:感染者数 686,216、死者数 11,847
人口:約1億2600万人
*ニューヨーク市だけで日本全体のおよそ2倍のコロナ死者が出ている。
人口の近い東京と比べても、10倍以上の死者数。
ーーーーここまでが最初の返信メール。さらに、自分から追加の質問を二つほどーーーー
・アジア人へのヘイトクライムについて、中国からコロナが広まったからアジアが敵対されてるのか?
そうだと思うけど。特に中国人に対するものだと思う。でもアメリカ人からすると区別はつきにくいから、アジア人全般へのヘイトクライムが多発しているということです。
・旦那(30代男性)のワクチン副反応は大丈夫?
打った腕がどーんと重い感じで押すと痛いとしばらく言っていたよ。あと、数日はやっぱり体調がすぐれないと言っていました。
ただ、日ごろから体調が100%良いということはない人なので、vaccineによる影響かはわかりません。
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妹からの返信メールは以上、個人的には若い人ほど強く出るというワクチンの副反応が気になっていて、やはり妹の旦那も腕や体調に異変が出た模様(数日で通常に戻ったそう)。
さて、NYといえば昨年4月頃は1日で千人近く亡くなった日もあり、テレビでは「今のニューヨークは二週間後の東京です!」と脅す人もいるほど、被害が甚大だった。
しかし一年経ってどうだろうか、NYの日々のコロナ死者数は昨年同時期に比べて劇的に減少している。
https://www.worldometers.info/coronavirus/usa/new-york/
医療体制の強化等もあるだろうけど、ワクチン接種も減少の要因かどうか、気になる所だ。
日本は欧米に比べてコロナ死者が圧倒的に少ないのは確かだが、超高齢社会ゆえにコロナ以前から医療や介護の現場への負担は多大で、ワクチンによって重症化を防げるのであれば、日本のコロナ死者のほとんどを占める高齢者へのワクチン接種は迅速に進めるべきではないかと感じる。
メールにあった通りNYは7月からは経済を完全再開し、マスクなどの義務も解除されていくそうだが、妹夫婦は当面、今まで通り制限のある生活を続けるとのこと。
その理由は文中にもあった、アジア人に対するヘイトクライムへの懸念があるからだ。
NY市でアジア系女性にハンマー殴打 憎悪犯罪5倍に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0434X0U1A500C2000000/
先月に「ブランカとギター弾き」という映画を見た時も思ったが、日本は本当に平和な国だと思う。
妹はNYの前もコロンビアにチェコにドイツとあちこち飛ばされ、言語も衣食住も全然違う上に日本では考えらえないようなトラブルが多発するような環境で暮らしてきた。
特にコロンビアではえらい目にあい、やっとNYで落ち着けると思った矢先のコロナ禍。
しかし、日本以上に制限も危険もある生活の中で第二子を産み、たくましく生きる姿に尊敬の念すら抱いたし、子育てで忙しい中、色々と情報を教えてくれた妹に感謝したい。