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王になる覚悟



王都に帰った私達は山賊を投獄してから次の村へ向かった。



べちゃべちゃのぬかるんだ村は何度も水害にあったのだろう。家々は色が半分で違う物や、木材が散乱した場所だった。


「皆の者、国王が来たぞ!」


片付けをしている村人と兵士が振り向く。


「セティ王!!」


「セティ王が来て下さったぞ!」


村人達も先に着いて作業をしていた兵士達も皆歓迎してくれる。


「セティ様!!どうか村をお救い下さい!」


「分かった。

現状はどうなっている?」


「雨の度に川が氾濫し、村が水浸しになります。大雨が降ると村が流される危険があります」


「……移住は考えないのか?」


移住すれば済む話だろう。


「移住するには人でも要ります。それに、先祖代々の土地を離れたくないのです…」


「…では、水害が起き始めたのは何時頃だ?」


「1年前です。それまで全く水害などなかったんです」


水害が起きたのは1年前…私は村を流れる川…そして山を見る。


(山に何かあったのだろう。調べに行くか)


私はまたグスタフと少数の兵士を連れて山へと向かった。




「あぁ…」


私の思った通りだった。


山の中腹にある湖から川へ流れるその場所が土砂崩れで崩れていた。


「グスタフ。私はここにダムを作ればいいと思うが…どう思う?」


「いいんじゃないか?アレク様もきっとそう言うだろう」


「分かった。では兵士達よ。ダムを作るのを頼めるか?」


もし自分の腕が平気だったら私も自ら作業をしたかったが…


「此処は兵士達に任せて次に行きましょう」


「あぁ…」


私はまた王都へ戻ると寝ずに飢饉の村へと出発した。






乾いた大地を馬で行く。


「寝なくて大丈夫か?王様」


「平気だ。今こうしている間も民は苦しんでいる」


私が行ったところで直接何か出来るわけではないが、いてもたってもいられない。


「そうか…無理はするなよ。あんな可愛い奥さんと子供がいるんだ。帰ったらいっぱい構ってやれよ」


「…そうだな」


しかし…私は王になると覚悟したのだ…イヴには悪いが…我慢してもらわねば。






「…見えて来たな」


それは村と呼んでいいのか分からない程…ただ、藁と木の枝だけで出来た村だった。


「これは酷い…」


既に到着していた兵士達が食料や水を配っているが…これは一時しのぎだ。根本的な解決が必要だ。

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