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冷え切った家族と食事 めぐろ有須様の漫画あり
食堂に行くと皆集まっていた。
さっき私を折檻した弟達とその母親、そして父王。
「よし、セルケトも来たな。では食事にしよう」
(漫画:めぐろ有須様)
父王がそう兄の名だけ呼ぶと私は兄の隣に座り、兄は父の隣に座り皆で食事を始める。
程よく冷めた料理は我々猫人にとってはちょうどいいものだ。誰も熱い物は食べられないのでたとえ食事にそろうのが遅くても誰も文句は言わない。
いや、言えないか。私を折檻などしなければ夕飯にいつも遅れる事はないのに…
(漫画:めぐろ有須様)
それよりも、王位継承権第一位の兄セルケトが揃わなければ食事はいつまで経っても始まらないのだろう。兄は父王の特別のお気に入りだ。
会話のない食事が進む中、私は時々咳き込んで食べ物を落としてしまう兄を介助しながら自分も食べる。
「ごめんね、セティ」
(漫画:めぐろ有須様)
静かな食卓にはそう時々兄の言葉だけが小さく聞こえるだけ。父王以外は皆嫌そうに食事をしている。
(漫画;めぐろ有須様)
食事が終わると私は兄を兄の自室に送る。
そしていつもそこで暫し語り合うのが日課だ。
(漫画:めぐろ有須様)