序幕 この世の成り立ち
こちらは本編に至るまでの時系列を書き出しています。
今すぐ本編を読みたいという方は次話からですので、今話を飛ばしてもらっても構いません
数億年前
世界が誕生する。同時に1つの物体が誕生し、それは後に神と呼ばれる。
数千万年前
神が世界に、生命を創る。同時に、生命が世界での寿命を全うした後の場、冥界を創る。
数百万年前
生命の進化の過程で、どの生物をも逸した未知なる存在、人と龍が誕生する。
これを機に神は、司る7つの理の力の内の4つを分け、4柱の神を創り出した。
その後、人と龍による世界の統治に均衡を保つため、6つの人の世界、1つの龍の世界、計7つに世界を分けた。
そしてその7つの世界のあらゆる場所から、それぞれ別の世界に移動が出来る、交差地点を創り出した。
以降神は、創り出した4柱の神に世界、冥界の均衡を委ね、生命の宿主と姿を変える。後に人はこれを、心と呼ぶ。
数十万年前
龍が滅び、人となる。
その後の進化により、人は7つの人族になる。
力は弱くとも、数と知能が高く、最初に文明を起こした──人間族。〝人間界〟に暮らす。
最も長寿で、自然と共鳴し、操ることが出来る──自然族。〝自然郷〟に暮らす。
長寿で、体を巨大化させられる──巨人族。〝巨界〟に暮らす。
固有のエネルギー、《霊力》を有する──妖人族。〝妖の里〟に暮らす。
固有のエネルギー、《魔力》を有する──魔人族。〝ヘルアンドヘブン〟に暮らす。
かつての龍の力を有する──龍人族。〝龍界〟に暮らす。
目立った特徴は無いものの、身体能力は全人族で最高に位置する──和人族。〝陽ノ國〟に暮らす。
またこれらの種族は、容姿に全くの差が無いために、見ただけではどの種族かは判別出来ない。
数万年前
7つの世界の人族に共通して、ごくごく稀に、能力とは全く違う異能に目覚める者が現れ始める。人々はそれらの者を恐れ、迫害し、その異能を、呪われた力、《呪力》と呼ぶ。
《呪力》を持つ者達は、何万年と続いた迫害の歴史に終止符を打たんとし、団結し、7つの世界全体で全人類を巻き込む戦争を起こした。
始めは《呪力》を相手に為す術無く、人類は敗北の一途を辿っていたが、戦いの中で、《呪力》の対抗策を作り出してきた。その中で最も使われたものが、大気中に存在する【クレイス粒子】を利用して扱われた、《魔法》だった。
人々はそれらを駆使し、反撃をして、数十年をかけて戦争に勝利するも、呪力の研究が進み、呪力は生命を持つ者は誰もが覚醒する可能性を秘めていると証明され、人々は混乱の渦に飲まれた。
その混乱の矛先は、かつて共に戦った他国の同志達に向かい、あまりにも長い、《魔法》や《呪力》による、不毛な戦乱の世に入った。
1万年前
その戦乱の世は、たった1人の妖人族の者が、全世界に同時に放った一撃により、終わりを告げた。
その一撃により、人類のほぼ全てが死滅し、《魔法》を扱える者はいなくなり、《魔法》は完全に滅亡した。
その者は後に〝霊王〟の異名を持ち、戦乱の世の後の新時代を牽引していった。
5000年前
ある1人の男が突如として強大な力を放ち、1柱の神と闘い始める。その激化必至の戦闘に巻き込まれ、人間のほとんどが滅亡し、その男は神を退けた。
その後、力が暴走し、歯止めが利かなくなった男を、7つの世界の王が集結し止めようと試みるも、仕留める事は不可能と断定され、人間界の王が自身の命と引き換えに、男を永劫封印した。
これはこの5000年後、野望に生きる男と、仕組まれた運命に抗う少女の、冒険物語である────