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第5話 ~ひとときの日常~

次の日、目を覚ますと俺はソファーで寝ていたようだ、そして俺の上で水無紗月が眠っていた

そういえば昨日彼女と夜遅くまでいろんな事を話し、そしてそのまま眠ってしまったようだ、時計を見ると9時を過ぎていた、学園が休みじゃなきゃ危なかった、とりあえず彼女が起きないと俺は動けなかった、だが気持ちよさそうに眠っている彼女を無理やり起こすのは気が引ける、仕方ないので起きるのを待つしか無さそうだ


「しかし…自分の体や紗月の体に神なんかが宿っているなんて……」


「まだ信じられないか?」


俺の呟きに誰かが答えてきた、紗月の声にしては大人っぽい感じだ、だが、俺はこの声に聞き覚えがある、昨日彼女と一緒に見た過去の記憶でこの声を聞いた


「ようやくお目覚めか、どうやら昨日はお楽しみだったんだな?」


俺の横に謎の女性が現れた、長い銀髪に紅い瞳、整った顔付きにスタイルの良い体つき、誰もが美人と認める女性だ


「…もしかして……お前は」


「もしかしなくても、お前に宿っている神だ、というか神様相手にお前とはいい度胸だな」


「いや……神を信仰してるわけじゃ無いし、なんて呼べばいいか分からないし」


「冗談だ、呼び方など気にしない、それに私も自分の名前と何を司っていたのか忘れてしまった、まぁ、名前はお前のを借りればいいからいいが………っと、私が出てきたのはお前に説明しなければならないことがあったのだった」


一体何の説明をするつもりなのだろう


「お前達の事を説明するつもりだ、それにこいつの出し方もな」


そう言って俺の中に宿る神様とやらは昨日渡された刀をどこからか取り出した、ていうか人の心を読んだのか


「こいつは対神魔殲滅型具現化武装と言って、まぁ簡単に言えば私達神が使っていた武器をお前達神宿しが具現化して使えるようになった物と考えてもらえればいい」


そうして、神様の講座が始まったのであった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「で、理解できたか?」


「ま…まぁ、なんとか……」


説明を受けたが、ほとんどちんぷんかんぷんだった、とりあえず分かることは俺と紗月は神宿しと言われ、他に神憑きという神が体に憑くタイプもいるらしい、正直違いが分からないが、対神魔殲滅型具現化武装というのは神憑きや神宿し、神や悪魔と対峙したときだけ使えるようになるらしい、まぁそんなにほいほい出せると危ないし


「でも、何で名前とかは忘れてるのにこんなことは覚えているんだ?」


「知らん、そもそもお前達が記憶を無くさなければ私達も眠らずに済んだんだが?」


「俺達のせいかよ…」


「まぁ、名前ぐらい別にいいだろう、後はお前達が死ななければいいだけだしな……(まだ何か忘れてる気がするが…)」


「?…最後何か言ったか?」


「いや、気にするな、とにかく神憑きと違って宿し主のお前が死ぬと宿っている私も死んでしまうから気を付けてくれよ」


「…分かってる、死ぬ気もないけどな」


「ふっ、ならいいんだ」


そう言って目の前の女性は消えていった、消えたというか戻っていったの方が正しいのかもしれないけど


「はぁ……とりあえず、今日は何をするかな」


学園は休みだし、何かする用事はない、事件のことは今は考えたくない、そもそも何をする以前に彼女が起きないと何もできない


「…うにゅ……んぅ…」


ようやく起きたのか可愛らしい声を漏らしながら起き上がった


「おはよう、紗月」


「ふにぁ?……おはようございます、英樹君」


目を擦りながらこちらを見て、にっこりと微笑みながら挨拶を返してきた


「起きて早々で悪いけど、どいてもらっていいかな?」


「え?……あっごめんなさい」


気がついたのか、彼女は俺の上から退けて、恥ずかしそうにしていた、そして俺が起き上がると横に座った


「あ…そうだ、お風呂借りていい?昨日入って無かったから…」


「あぁ、いいよ……」


そう言うと、彼女にお風呂場の位置を教えると、俺はタオルを用意しに部屋に向かった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お風呂場の前にタオルを置くとリビングに戻った、というか目の前が家なのだからここで入らなくてもいい気がするが、まぁ、今さらだ


「……着替え、どうするんだろうな…」


着替えのことが気になったが俺が女物の下着や服を持ってはいない


「ビーンポーン」


テレビを付けようとすると玄関の呼び鈴が鳴った


「一体誰だ……いや…あいつらだろうな……」


覗き窓を見ずに扉を開ける、俺の予想通り美菜と秋斗の2人だった


「やっほー英樹、遊びに来たわよ~」


「何で俺まで……」


玄関の前でテンションが対照的な2人が立っていた、とりあえず2人を部屋に入れてからお茶を出した


「それで…なんの用だ?」


連絡なしにこの2人がここに来るのは珍しい、何かあったのだろうか


「休みの日だから遊びに来たのよ、最近何かと物騒なことばかりだったからね、気分転換も必要でしょ?」


「とまぁ、珍しく美菜がお前を気遣って…ぐはっ!?」


「ちょっと黙ってもらっていいかしら?」


いつもの2人のやり取りを見ると、いつも通りの日常だと安心する、そうしているとお風呂を上がった紗月がバスタオル一枚で出て来てしまった


「タオルありがとうございます、そういえば私着替え持ってきてなかったですね…あれ?美菜ちゃんと吉田君?」


「さ……紗月!?ち…ちょっとどういうこと!!?」


「あ~いや…ちょっとな」


「これは説明をしてもらわないといけないな、あ、ちゃんと納得できる理由じゃないとついうっかり話しそうだし」


仕方ないので2人に昨日のことと、俺達のことを話した

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なるほどな、それなら納得だな」


「記憶操作……まぁ、あの資料に書かれた事が正しいって事が証明されたわけね、でも紗月、いくらなんでも泊まるのは危険よ?男女が二人っきりになったら何されるか分からないでしょ?」


「だ…だって……記憶が戻って嬉しくて……」


「気持ちは分からなく無いけど……」


2人に説明すると、なんとか納得したようだ

そして美菜は紗月に対してもう少し警戒しなさいとお説教をしていた


「紗月、その格好で寒くないか?」


説明をしてる間ずっとバスタオル一枚だった紗月に着替えなくて良いか聞いた、すると彼女は思い出したかのようにお風呂場の制服を取りに行った


「…そうだ、今日はみんなで買い物に行きましょ、紗月に街の案内もしたいし」


「…それって、俺もだよな……」


「当たり前でしょ?秋斗、英樹もいいでしょ?」


「まぁ、今日は特に何もすることないしな」


「じゃあ決まりね」


話が決まると、制服を着てきた紗月を連れて4人で街へ買い物に出掛けた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

バスに乗って街に向かう間4人で話をしていた


「紗月、別に着替えてきてもよかったのよ?」


制服のまま買い物に付いてきた紗月を見て美菜が着替えて来ればよかったのにと言っていたが、紗月は少し苦笑交じりの表情を浮かべながら


「あはは…私外行きの服を持ってなくて…制服と寝間着ぐらいしか無いんですよ」


孤児院から引っ越して間もないからなのかあまり普段着を持ってないらしい、そう聞くと美菜は少し嬉しそうな声で


「じゃあ、ちょうどよかった!荷物持ちが2人もいるしいろいろ服を見てみましょ」


などと言っていた、荷物持ちの為に連れて来られたのか俺達は


「おいおい、勘弁してくれよ、休みの日をただの荷物持ちとして過ごさせる気かよ」


「なによ、可愛い女の子2人とデートできるのよ?もう少し喜びなさい秋斗?」


「水無さんはいいとして美菜の荷物は勘弁願いたいね」


「なんですって!?」


「まぁまぁ2人とも、他の人もいますし」


2人のやり取りに周りの人もクスクスと笑っていた、そんな2人の隣にいる俺と紗月の身にもなってもらいたい、そんなこんなでようやくバスは街に着いた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ショッピング街に着くと紗月と秋斗は美菜に連れられて行った、俺は服にはあまり興味ないし荷物持ちは秋斗1人で充分ということでベンチで3人を待つことにした


「はぁ、まぁ外に出るだけでもいい気分転換だな」


最近事件のことを考えていたし、一昨日は先輩まで犠牲になった、さらに自分の身には神様なんかが宿っているやらで一気にいろんな事があった


「…とりあえず飲み物でも買って……」


「はい英樹、あんただけ一人っきりは可哀相だから戻ってきてあげたわよ」


何故か他の二人を連れて行った美菜が目の前にいた


「紗月の服を買いに行ったんじゃ無いか?」


「まぁ、ファッションセンスなら秋斗も結構いい線だし、大丈夫でしょ、それより隣いいでしょ?」


と言うとこっちが答える前に隣に座ってきた


「全く勝手だな」


「ふふっ、こうでもしないとあんた1人で抱え込んじゃうでしょ?」


美菜はこっちの顔を覗き込みながら話していた、どうやら美菜は気を遣ってくれているのだろう


「それとも私じゃなくて紗月の方がよかったかしら?」


「どういう意味だよ…」


「そのままの意味よ」


「紗月は幼なじみだし、家が真向かいってだけで」


「……約束、してるんでしょ?」


「…まぁそうだけど」


一体何の話をしてるのか分からないし、少し美菜の表情も沈んでいっている気がする


「それで、美菜は買い物しなくていいのか?」


「そうねぇ…一応買いたい物もあるのよねぇ…ちょっと付き合ってくれる?」


「いいけど、というか拒否権無いんだろ?」


「さすが英樹!分かってるじゃない」


美菜の言葉にため息をつきながら立ち上がると、美菜に引っ張られてショッピング街の人混みに連れて行かれた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

しばらく美菜の買い物に付き合い、その後秋斗と紗月に合流した、そしていつもみんなで行っている喫茶店に入った


「あら、美菜ちゃん達いらっしゃい」


「瑠璃姉、こんにちは~」


喫茶店のお姉さん、朧月瑠璃…通称瑠璃姉に挨拶をして俺達はいつも座っている席に向かった


「ふぅ~いい買い物をしたわ~」


「お前なぁいきなり居なくなるとか馬鹿じゃないのか?」


「なによ、紗月をよろしくって言って行ったじゃない?」


「そういう問題じゃねぇんだよ……」


席に着くなりいつもの如く秋斗と美菜の口論が始まった、毎度恒例のため気にはしない、それはそうと、紗月の服が制服からカーディガンとロングスカート姿に変わっていた


「……で、お前らはいつものでいいんだよな?」


「えぇ、いいわよ」


「あぁ、頼む」


口論しながらもちゃんと答えた、後は紗月にメニューを渡した


「なににする?」


「え…うーん……分からないから英樹君と同じのでいいよ」


「そう……んじゃ、いつもので」


「ふふっ、わかったわ」


そう言うと瑠璃姉はすぐにチョコケーキ2個とショートケーキ、モンブランを持ってきた


「きたきた、それじゃいただきます」


そしてみんなでケーキ食べてからしばらく他愛ない話をした

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて、そしたらそろそろ帰りましょうか」


時間を確認すると、既に17時を過ぎていた、あれから3時間は喋っていたことになる、途中で瑠璃姉も混じって話をしていた


「あら、もうそんな時間なのね、みんな最近物騒だから気をつけて帰るのよ?」


「分かってるわよ瑠璃姉」


「じゃあまた来るよ瑠璃姉」


秋斗と美菜は先に出ていった、いつもお会計を俺に押し付けていく2人だ


「それじゃ、瑠璃姉また今度」


「その前に、英樹君隣の娘は彼女さん?」


お会計を終えると、瑠璃姉は俺の隣にいる紗月を見て少しニヤニヤしだした、瑠璃姉はこういう話が好きみたいだ


「か…彼女っていうか……幼なじみというか…」


紗月が困惑した表情を浮かべていた、確かに記憶が戻ったからと言ってもいきなり彼女っていうのはあれかもしれない


「ふふっ、冗談よ…英樹君恋愛に疎いからね~彼女なんていつできるのやら」


「瑠璃姉こそ、早く彼氏つくりなよ」


「私はいいのよ、ケーキ作りに専念したいから」


「はいはい、行くぞ紗月」


そろそろ出ないと外で待っている2人に文句を言われてしまうのでお釣りを財布に入れると喫茶店を出た


「ほんと瑠璃姉の作ったケーキ美味しいわよね~」


「だな、瑠璃姉のケーキ人気だからな」


「美人で料理は上手、お菓子も作れるのになんで彼氏つくらないんだろう」


「さぁな、案外好きな人とかいるかもしれないぞ」


バス停に向かう道中、美菜と秋斗は瑠璃姉のことを話していた、確かに瑠璃姉の浮いた話を聞いたこと無い


「英樹君…ごめんなさい、あの時どう答えればよかったのか分からなくて」


「気にするな紗月、俺だってあれは困るし」


どうやら彼女は俺との関係を上手く答えられなくて申し訳なさそうな表情をしていた


「でも……」


「そういうのは帰ってからにしよう」


そう言うと、彼女は頷いてにっこりと笑った

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「それじゃあ、また学校でね」


「なんかあったら電話しろよ」


学園区に着くとお互い別々の帰路についた


「…あの時…私、自身持って彼女って言えなかった」


「そんなの気にするなよ……」


2人と別れてから紗月は沈んだ表情で歩いていた、そんなに気に病む事は無いのだが


「約束だろ?お嫁さんにするって」


「そう…だね、約束だもんね」


そう言うと彼女はだんだん表情が戻ってきた、そうして、彼女はこっちを見て


「これからは彼女として、頑張りますね」


「あ…あぁ……」


「ふふっ」


そして、彼女は腕に抱き付いて家に着くまで離れなかった

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