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第三話・ようj……自称天才、現る

サブタイは、その、察してください……。


※ステータスの書き方を変えました

 修正もしました

「なぁ、私の名前を考えてくれないか」


「……いきなりだな。別にいいけど」


 あれからしばらくしてヨルムンガンドが泣き終えるのを待った後、急に名前をつけろと言い始めた。


 確かに、これから外に出るんだったら種族名なんかで呼んだら騒ぎになる可能性もある。力欲しさにくるなら、『ヨルムンガンド』はそれなりに知られてるはずだ。


「うーん……。……ヨルとか?」


「そのまんまじゃないか!」


「いや、出会ってすぐに名付け親とか難しいからな?」


 しかし、異世界というのなら、あまり日本っぽい名前はやめた方がいいだろ。……そうだな、髪も目も青だし……。『ブルー』もそのまんまか……。じゃあ、ヨルを夜にして……『ナイト』……は女の子につける名前ではない。えーっと、たしか……兄貴が言ってたのはヘブライ語で、


「『ライラ』……?」


「……いい名前だな」


 うん、納得してくれたみたいだな。……まぁ、結局はヨルなんだけどな。……てか、俺良く覚えてたな。確か、夏休みに天体観測してたら言ってきたんだっけ?


 笑顔のライラを見ながら心の隅で兄貴に感謝し、のほほんとしていると、


「マサヤ!」


 急に俺に指をさして言ってきた。最初は訳が分からず呆然としていたが、意味が分かってからは笑みをこぼしながら同じようにライラを指差して、


「ライラ」


 と言った。すると、先ほどより笑顔をまして「ライラ、私はライラ。マサヤがつけてくれた……」とうわごとのように何度も呟いている。そんなに気に入ってくれたのだろうか。そうだったらかなり嬉しい。


 ……さて、とりあえずライラの事は置いといて。そろそろ、この後の事も考えないといけないな。まずは食料と水を確保して、出来る事なら森を抜けたい。ライラがいるぶん心強いが、ライラよりも強い化け物が出てくるかもしれない。それに、いつまでも森にはいれない。


「よし、ライラ。とりあえず森を出るぞ!」


「もう出るのか?」


「もうって、だって食べ物だって水……は湖があるな。でも、早めに行動しないと後で困るし」


 そう行ってここに来たルートを戻って行く。と、その時ーー、


「何処に行こうと言うのだ?」


「え?とりあえず洞窟を出ようと……」


 ライラに呼び止められてしまう。……何かおかしい事言ったのか?


「もしかしてマサヤは転移魔法陣の事を知らないのか?」


「転移魔法陣?」


 いきなり異世界っぽいのぶっ込んでくるな……。


「あぁ、これで森を抜けるだけではなく、近くの街まで飛べるぞ!」


「超便利じゃん!」


 しかもかなり使えるし。


「あ、でもどうやって使うんだ?」


「大丈夫だ。私が魔力を流せば転移出来る」


「ふーん、じゃあやってみようぜ」


 そう言いながらライラと一緒に移動する。それは湖の裏側にあって、まさに厨二病といった感じの模様が書かれており、なんかイタい感じを醸し出していた。


「よし、いくぞ?」


「いつでもこい」


 すると、ライラが地面に書いてある魔法陣にオーラのような何かを流してるのが分かる。見えているかぎりだと、白い靄のようなものがライラから流れ出ている。


 ……しばらくして、ライラからオーラのようなものの流れが止まった瞬間、魔法陣から眩い光が発され、反射的に目を閉じる。


 そして、目を開けるとーー、


「えーっと……、何で?」


 剣や杖を持った人がその武器を全て俺とライラに突きつけていた。


「……ライラさん?」


「……何だ、マサヤよ?」


「あれって街に転移出来る魔法陣だったんだよな?」


「……ソノトオリダ」


「何故にカタコト!?」


「し、仕方ないだろう!?私だって使うのは初めてだったんだ!!」


「じゃあそういうのも先に言っとけよ!」


「だって、大丈夫だと思ったのだから、仕方ないだろう……」


「はぁ、お主ら少し静かに出来んのか?」


 あまりに突然の出来事にかなり焦って、ライラに文句を言っていると、武器を持っている人たちの後ろから声が聞こえてくる。その声はよく響き、周りの人たちは武器をおろして脇により、頭を下げる。その間から出てきたのはーー、


「……ようj……子供?」


 俺の腰より少し高いぐらいの女の子が立っていた。……幼女と言おうとして殺気が飛んできたのは気のせいだろう。


 外見は髪も目も綺麗な緑色で、どちらかというとエメラルドという表現が正しいぐらいに透き通っている。あとは、耳が尖っているな……。あー、異世界っぽいな……。これは異世界ポイント獲得だな。ちなみにこれが100ポイント貯まると俺の攻撃力が上がったりとかしないかなー。とか思ったり。


「……お主、名は何という?」


「マサヤ……。『マサヤ・ミズノ』だ。こっちは『ライラ』」


「妾の名前は『メルラルド・ブラッドロー』。ここのギルド長であり、エルフ族の魔法の天才と言われておる」


「へー……」


 あれだな、自分で魔法の天才とか、ちょっと残念な感じがするよな。


「お主!信じてないだろう!?」


「うん」


「何故に即答するのじゃ!?もう分かった!こうなったらーー」


「マスター、その前にその方たちの用件を早く済ませてください」


 幼女が可愛らしく怒っていると、後ろから女の人が歩いてくる。しかも、ただの女の人ではない。なんと獣の耳を生やしているのだ。これを人は『ケモミミ』と言う。ぱっと見猫耳のように見える。


「そ、そうじゃったな……。おっほん!……では、マサヤとライラよ、お主らはどうやってここに来た?見てた限りだと転移魔法を使ったと思われるのだが……」


「うーん、何て言ったらいいんだろうな……。なんか気づいたら森にいて、そのまま洞窟入ったらライラと会って、そんで魔法陣でこの街まで行けるって言うから使ってみたら……っていう感じ?」


 うん、自分でも何言ってるのか分かんないや!


 だが、メルラルドは違うらしく、顎に手をやり、何かブツブツと呟いている。すると、後ろにいた猫耳女性が俺に話しかけてくる。


「失礼ですが、ライラさんは人間なのでしょうか?」


「ヨルムンガンドだ!」


「ちょーい!?」


 何カミングアウトしてんの!?あんた何で自分が狙われてんのか分かってないだろ!


 ヨルムンガンドという発言で周りもざわつき始めてしまう。そんな中、俺は必死に言い訳を試みる。


「いや、そのですね!ヨルムンガンドというのはライラの家名でしてーー」


「今更誤魔化す必要も無い」


 すると、メルラルドが何か分かったような顔で俺の方に向き直って言う。


 それはギルド長というに相応しい、有無を言わせないような迫力を持っていた。


「さて、ライラよ。お主はヨルムンガンドでよいのじゃな?」


「そうだ。私はヨルムンガンドだ。今はライラという名前をマサヤから貰った」


「ふむ、やはりか」


 そう言って頷くメルラルド。


「何が分かったんだよ」


「……マサヤ、お主は契約はしたのかの?」


 契約って、テイムのことか?


「してない。っていうかやり方が分かんない」


 俺がそう言うと、メルラルドは驚いた表情を浮かべ、挙句には呆れたようにため息をつく。……なんか幼女にやられるとムカつくな……。


「お主、それがどういうことか分かっておるのか?」


「は?知るわけねぇだろ。だって俺まずここの知識自体(うと)いからな」


「疎い、というと?」


「だって俺、違う世界から来たんだぜ?」


 自分で言ってから改めてこれまでの事を思い出す。今までは運が良かったのかもしれない。なぜなら、転移させられてからすぐに化け物に遭遇したが逃げれて、洞窟の奥でライラと出会い仲間になり、今はこうしてギルド長という実力のある立場の者と安全な場所で会話をしている。


 ……けれども、あのまま攻撃力皆無の俺が一人だったらどうなるのだろうか?それは簡単なことだ。間違いなくーー死ぬ。


「……もしやお主、『異世界の使い』か?」


「……異世界から来たのは間違いない。けれど、使いかどうかと聞かれれば違う」


 この世界についての出来事を改めて考えていると、メルラルドが良いところをついてくる。しかし、それは違う。なぜなら、


「俺はーー犠牲者だからな」


___________________________________________


「ーーふむ、なるほどな。事情は分かった」


 ライラと同じようにメルラルドにも説明する。


「……どうだ?テイムの仕方は分かるか?」


 そして、今1番聞きたかったことを聞く。


「……ちょっと待っておれ」


 そう言って席を立ち、本棚を漁り始める。そして、1つの本をとって戻ってくる。


「……これは、昔の『従魔師(テイマー)』が残した『テイム』を含めたその他のやり方らしい」


「らしい。ってどういう事だ?」


「なかに書いてある文字が読めんのじゃ。なんでも、『にほんご』とやらで書いてあっての……」


 おお、じゃあ、昔の『従魔師(テイマー)』も日本人だったのか?しかも、『テイム』も含めたという事はそれ以外もできる事があるのか?


「さて、これをやろう。……と言いたいところじゃが、条件がある」


「勿体振るなよ」


「なに、1ついう事を聞いてくれれば良いのじゃ。

 ギルドに登録してくれればな」


「……ギルドか」


 これは良いんじゃないか?ギルドという事は仕事をもらえるわけだろ。だったら、


「別にいいぞ」


 断る理由は無いので、了承する。


 ……だが、なぜかメルラルドは唇の端を上げ、そうかそうかと頷いている。


「さて、口約束も済ませた。あとはこれに手をかざすだけじゃ」


 これ?……あ、この水晶の事か?


 そう思い、ゆっくりと手をかざす。するとーー、


     『マサヤ・ミズノ』

Lv,1(固定)   職業:従魔師(テイマー)

HP:5000/5000

MP:infinity

攻撃力:F

防御力:B

素早さ:F

精神力:SSS

LUK:S


 ……あれ?これだけ?


 不思議に思い、メルラルドに聞こうと思ったのだが、……固まってるな。


「……な、なんなのじゃこれは」


「マサヤよ、本当に攻撃力が無いのだな……」


ライラにも言われてしまった。


てか、本当に攻撃力皆無だよなぁー。

「ついでじゃ、ライラも測ってみるがいい」


「うむ」


     『ライラ』

Lv,364   職業:ヨルムンガンド

HP:46000/46000

MP:5000/5000

攻撃力:S

防御力:S

素早さ:S

精神力:B

LUK:C


「これは、どうなんだ?」


「十分化け物じゃ……」

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