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第一話・異世界とステータス

 ども、笹 半田です。


 前作の過ちに気づき、削除をしてからずっと悩んでいました……。


 そんな中生まれたのが『The・普通』の主人公って強そうじゃね?という考え。


 その考えを上手く纏めながら、書いては消し書いては消しを繰り返して出来たのが今回の作品です。


 どうか、温かい目で見てってください!


※ステータスの書き方を変えました

 修正もしました

『ゴァァァァッ!!!!!!』


「っ!くそが!!」


 目の前に迫る巨大な化け物の拳をギリギリになりながらも避ける。……生憎と俺には攻撃する手段が無いため、避けることしか出来ないが、避けている間にも逃亡を試みる。だが、そんな事を化け物が許す訳もなく、すぐに間を詰められて殴りかかってくる。


 そんな事をかなりの時間続けていると、目の前に洞窟が見えてくる。入り口はかなり狭いが、俺が入れないわけではない。


 そして、入り口後2mといったところでスライディングを決めながら洞窟に入る。


 化け物が入り口をこじ開けようと何度も殴ってくるが、意外と硬いらしく、洞窟の中に揺れと音が響くだけ。


 ……しばらくすると、音は止み、揺れも無くなっていた。化け物がいなくなったのだろうか?


 そんな事を考えながら入り口をそーっと見てみる。すると、思った通りに化け物の姿は見えなくなっていた。


「はあ……。疲れたな……」


 気づくと、そんな事をため息をつきながらこぼしていた。……こんな事になった原因を思い出しながら。


___________________________________________


 俺の名前は『水野 雅也(みずの まさや)』。顔は中の中。ザ・普通といった感じで、17歳の高校2年生だ。身長は185cm、体重は60kgと、身長は平均より上で結構嬉しいが、今はそういう事を話してる場合じゃない。


 それが起こったのは、HRが終わり、部活へと行こうとした時だった。


 突然、床が光りだし、俺たちは知らない場所にいたのだ。しかもそれは俺たちクラスではなく、学校全体のようで、かなりの人数がこの部屋、いや、ホール?に閉じ込められている。


 中にはパニックになり、悲鳴をあげるものなどもいた。しかしこの状況だ、無理は無い。


 とりあえず、一人だけでも冷静になろうと現状を整えようとした時だった。


『ーーいきなりで申し訳ありませんが、一旦落ち着いてください』


 鈴の音のような声が響き渡る。その綺麗な声に、全員がどよめきを抑え、視点を一点に集める。


 そこには、金髪碧眼のないすばでぃなお姉さんがいた。


 …………ちょっと待てちょっと待てお兄さん。……いや、お姉さんか。どこから現れた?このホールには扉も何も無かったんだ。それに、あんなに目立つのなら、誰かが「あんた誰だ!!?」とか言うはずだ。


「あんたは誰だ!!?」


 ……今言ったね。誰だよ言った奴。……あぁ、体育教員の『ゴリラ』か……。え?本名は?いや、俺あいつの名前ゴリラしか覚えてないから無理。てか、全校生徒に名前知ってるか聞いても無理だろ。学校内でもゴリラ先生って呼ばれてんだから。


「私はーー、『アスタルテ』の『神』。『マルティナ・ドレイグル』。気軽に『マルティナ』とでもお呼びください」


 ……何言ってんのこいつ?……とか思ったけど、これは信じるしかねぇよな……。


 周りの奴は「何言ってんだ?」とか、「帰せよ!!」とか叫んでる。正直うるさい。が、普通はそうだよな……。それに対して、あのゴリラはいくらか冷静のようだな。他の教師は狼狽えてるというのに……流石ゴリラと言っておこう。


「神が、我々一般の者に何の用ですか?」


 そんな時、ある人物が神に話しかける。


 その人物は生徒会長の『山瀬 沙耶華(やませ さやか)』。我らの学校が誇るアイドルで、3年生。全国模試1位で運動神経抜群。完璧という言葉はこの人のためにあるのだろうと友人が言っていたのを覚えている。


「そうですね。では、説明いたしましょう」


 咲耶華先輩が喋り始めた事によって静かになったホールを、神の言葉がこだまする。


「あなた方には異世界にいって魔神を倒してもらいます。

 帰ることは出来ませんが、それ相応の対価も用意します。さらに、その世界に対応できるようにあなた方の世界でいう『チート』と呼ばれる能力も付けさせていたます」


 すると、周りから「異世界チートktkr!!」や、「俺の時代が来たーーー!!!」などと叫んでる奴がいるが、それほどに騒ぐことなのだろうか?


 しかし、騒いでいるのは一部の奴で、他の奴らは「帰らせてよ!」などと喚いている。


 そして、その中に神はとある発言をする。


「ただし、1名を犠牲にしなければ『チート』は与えられません」


 瞬間、場の空気が凍りついたような気がした。


「あ、犠牲って言っても死ぬわけではないですから安心してください。皆さんと違う場所に1人だけ転移するだけです。……まぁ、その後に死ぬ確率はかなり高いですけどね。


 では、今から5分以内です。よーい、ドン!」


 ……訳が分からない。何故こんな事をする必要があるんだ?魔神を倒したいんだったら、少しでも戦力は多いほうが良いはずだ……。


 ……いや、これは脅しなんだ。言うこと聞かない奴は生贄と同じ運命を辿らせる。と、実際に生贄を目の前に出すことで選択肢を狭めさせてるんだ。絶対に「はい」と言わせるために……。


「……なぁ、聞いてくれるか?」


 ざわついてきた場をおさめるように、友人の『武藤 真也(むとう しんや)』が声を出す。その声は不思議なほど響き、周りの奴らはすぐに静かになった。


「こういう場合は、普通は何も出来ない奴が選ばれる」


「だ、だったらそんなの選ばれるのは決まってーー」


「いや、あえてそうしない。なぜならそうやって選ばれた奴は後で力を持って俺らに復讐にくるんだ」


「だったら、どうすれば……?」


 ……なぜだ?なぜ嫌な感じがするんだ?先ほどから背中を通る冷や汗が気持ち悪い。神の方をチラリと見る。……あいつは何もしてはいない。ただニヤニヤしてるだけだ。じゃあ、何でーー、


「それだったら、いたって普通の奴を選べば良い。

 そう、例えば雅也とかな」


「……は?」


 全員が一斉にこちらを見てくる。嫌な目だ。自分が助かるために他人の事など構わない……そういった目。


「君達は何を言ってるんだ!」


 俺が何も出来ずにいると、沙耶華先輩が怒った口調で声を上げる。やはり生徒会長という事もあるのだろうか、その表情は落ち着いている。


「何をって、犠牲者を決めてるだけですよ」


「君は雅也の友達だろう!?何でそんな簡単に友人を裏切れるんだ!?」


「は?会長こそ何を言ってるんですか?俺はこんな奴を友達だと思った事ありませんよ」


 その言葉に俺の身体は動く。……俺は、自分でも何をしたかわからなかった。気づけば、友人と思っていた(しんや)は地面に倒れていた。


「……ほら、皆も見ただろう?こいつは自分が犠牲になると分かったら友達でも殴るんだぜ」


 こいつの言ってる意味が分からない。友達ではないと言っておきながら、友達でも殴るんだぜ。って、どんどけ俺を犠牲にしたいんだよ。


 周りの奴もだ。なぜ納得するんだ?矛盾してるというのに何で俺の事をそんな目で見るんだ?……いや、それも違うか。ただ単に怯えているんだ。逆らえない恐怖から逃れようとしてるだけだ。


「おい、真也は何を言ってるんだ!?ほら、他の先生も止めてくださいよ!!」


 ゴリラが何か言っている。……そういえば、今更なんだが『熊谷 治郎(くまがい じろう)』とかいう名前だったな。敬意を込めてただのゴリラじゃなくてこれからはクマ先生と呼ぶか……。今関係ないけどね。


 しかし、クマ先生の言った言葉は他の先生に届いてない。なぜならーー、


「そうだな、1人くらいなら別に……」


「これは仕方のないこと、これは仕方のないこと」


 もうすでにおかしくなってるからな。


 まともなのは沙耶華先輩とクマ先生ぐらいだろう。周りの雰囲気にビビっているから冷静ではないがな……。俺も多分狂ってきてると思う。(しんや)を殴っても罪悪感がなかったあたりがそうだろう。


「じゃあ、賛成多数で水野 雅也君、あなたが犠牲でいいですか?拒否権は無いで「別にいいからニヤニヤしながらこっち来んな、気持ち悪い」へぇ……。その態度。良いですね、あなた」


 うわぁ、何この神。気持ち悪いって言ったら更にニヤニヤしだした。もう最初の美人っていう印象が台無しだよ……。


 あ、沙耶華先輩が近づいてきた。……一応言わせてもらいたいことがある。


「……先輩、クマ先生とあなただけがまだ狂ってはいないです。この後、俺がいなくなっても神の言うことは鵜呑みにしないでください」


「ク、クマ先生?」


「熊谷先生のことです」


「あ、あぁ、分かった。熊谷先生にも伝えておこう」


「あとは、他の生徒、先生が言うことも同様です。特に先輩なんて力を持った奴らが襲う可能性があります。そこは気を抜かない方がいいです」


「そうか……。ふふ、君は自分の心配はしないんだな」


「してないわけじゃないです。けど、何故か今は不思議と落ち着いてるんですよ。多分、こんな状態じゃなかったらここにいる全員を殴ってますよ」


 さて、伝えることはこんなもんかな?クマ先生が不満そうに周りの奴らを見ている。俺のことを心配してくれているのだろう。……なんかごめんね、今までゴリラって呼んでて。これからはクマ先生(敬意を込めて)って呼ぶから許して。


「じゃあ、飛ばしますよ?」


「……え?ちょ、説明とかは?」


 ちょっと待って、説明なし?所詮犠牲者である俺に説明する必要はないと?


 すると、突然足元に開いた穴に俺は呑まれていってしまう。その時に、(しんや)の顔が笑っているのに気づく。そのお返しにと、俺はこれまでの最高の笑顔で中指を立ててやった。


___________________________________________


 そして、変な場所についてすぐ、イラつきをそのまま叫んでたらさっきの化け物が来て、追われてた。という訳だ。本当に何やってんだろうね、俺。


「……にしても、ここはどこなんだよ」


 そう言いながら入口から顔を出し、辺りを見渡す。


「ジャングル……いや、森か?まぁ、どちらにしろ自然が多いから近くに食べ物と飲み物があるか探さないと……」


 そして、洞窟の奥まで一旦戻り、使えそうな物を自分の鞄から探す。洞窟は思ったより明るいため、手元などがよく見える。


 そして、鞄は即行で部活に行こうとしていた時なので、運良く持っていたのだ。他にも数名、持っていたのは見たが、それでも俺の方が有利だろう。なぜなら、


「いやー、天文部で良かったー」


 天文部だからである。鞄から取り出したのはランタンとマッチ。そして、軽食用のパンと2本用意してあったペットボトル。後は毛布なども入っている。


 今日は金曜日だったため、学校に泊まって星を見ようという話になっていた。だから教科書などは机の中に入れ、必要な荷物だけ鞄に入れていたのだ。


「いやー、本当に部長には感謝だわー」


 とりあえず、毛布を下に敷き、そこに座る。それだけで不思議と気持ちが落ち着くのだ。


「にしても、異世界か……。確か、そういうのって大半は『チート』とか『能力』があるんだよな……。

 あとは、『ステータス』だったっけか……って、何だこれ?」


 かなり前に友人(屑ではない)が話してた内容を思い出していると、いきなり目の前に透明のプレートが出てくる。


「……浮いてるし。『マサヤ・ミズノ』?俺の名前じゃねぇか。しかも、Lv・HP・MP・攻撃力・防御力・素早さ・精神力・LUKって全部ゲームみたいじゃねぇかよ。……にしても、何なんだよこのステータスは……」


 そこには、


     『マサヤ・ミズノ』

Lv,1(固定)   職業:従魔師(テイマー)

HP:5000/5000

MP:infinity

攻撃力:F

防御力:B

素早さ:F

精神力:SSS

LUK:S


魔法適正:テイム・補助魔法・召喚魔法・空間魔法


【スキル】

・テイムLv,10 ・命令Lv,10 ・鑑定Lv,10


【オリジナルスキル】

・従魔擬人化 ・異世界言語+読み書き


【称号】

・世界に1人の従魔師(テイマー)


……これは、何というか……。上がり下がりが酷いな……。

 ご指摘、ご感想がありましたらコメントをどうかよろしくお願いいたします。

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