第四話 大会当日…
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【私は、平和と言う化け物に全てを奪われた…】
弱々しく、無気力な声…
【私の居場所、私の家族そして…】
声は言葉に詰まりながらも言葉をつむいで行く…
【私の愛しき人さえも私から奪っていった…】
声は震えていた、それは恐怖ではなく…ただ純粋に怒りだろう…
【ならば…】
声は、いつの間にか決意を固めた強い口調に変わっていた。
【ならば…私は、今ある現実を打ち砕き…
私の理想郷を打ち立てるための礎としよう…。】
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AM 6:00
岩城家
匡倖は居間で朝食を取りながらテレビを見ていた。
今朝のメニューは、スクランブルエッグ、トースト、珈琲…と言った少し軽めの食事である。
『メロン商法で5人の重計傷者が出るなど各地で…』
「最近物騒だな…」
俺は珈琲をすすりながら、チャンネルを変える…
『では、次のニュースです…
采並市、采並町の住宅街で二人の男性の遺体が発見されました。
殺害されたのは…』
また殺人か…
切り河通りといい、最近本当に物騒になった。
『現地に長倉キャスターが行っています、長倉さん…』
やはり殺人事件があった場所は、切り河通りだった…
『…の話によりますと、凶器は鋭くとがった刀剣類とみられており…』
俺はテレビを消すと、食べ終わった食器を台所に持って行った。
すると…インターホンが鳴り響き、来客が来たことを告げる…
俺は台所から出ると、急いで玄関に向かった。
「おたくに貸した一千万、耳揃えて返してもらおうか!」
玄関のドアの向こうでそんな台詞を吐く馬鹿が居た…
俺はドアコープで外を覗いた。
「あの…アンポンタンめ」
ドアの外には、にやけながらも顔が悪人面になっている野崎…その後ろに、やれやれと言った顔の沖田 縁が居た。
沖田 縁…
彼女は俺の家の向かいに住む幼馴染みである。
縁は昔から世話焼きで良い奴なんだが…
これがまた筋金入りの頑固者、何があっても自分の決めた道を行く…そんな奴である。
「朝から近所迷惑だろおが!!」
俺は思い切りドアを開け放った。
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何かどうでも良くなって来た…