第8話 蹴り潰す宣言と突き破る宣言、あと樹海エリア攻略
首位を守り、走り抜いた私は先に来て待機していたクレハ先生に2人を預ける。
クレハ先生と一緒に居れば危険は万が一にも無いはずなので私は盗賊をギルドに引き渡すため、王都のギルド本部へ空間を繋げた。途中で髪を染色し、仮面をつける。ギルド本部では基本的に素顔は晒していない。素顔を隠すように仮面をつけるのが、慣例となっていて既に仮面で色々と判断されることも多々あるほどだ。この所は護衛の仕事もあり立ち寄る機会がなかった所為か久しぶりだと言わんばかりにギルド内が静まり返る。正直、止めてほしい。珍獣が何かになった気分だ。ご丁寧に順番待ちで並んでいた冒険者も道を開けてくれる。そこまで偉くなった覚えはないんだが、折角の御好意に甘えないわけにもいかない。いや、好意と言うか畏怖だろうか。とりあえず、スペースを確保できたので、亜空間から盗賊を引っ張り出す。さすがに捕獲した盗賊を一気に出せるほどギルドは広くないため、小分けにして引き渡しを終えて行く。中には大層な賞金首もいたようで、報酬は2,500,000ダラスと結構な額になった。うむ、果実酒が2本買える程度だ。久々に立ち寄ったわけだし、依頼を受けて行くことにする。星駆ける天宮はダンジョンだから、それなりの質が良い素材が収集できる場所だ。天宮関連の依頼を受けた。受注数は5つ。1つ、クレイジーボアの牙の収集。1本に付き1,000ダラス。2つ、蜥蜴男の持つシミターの収集。1本に付き2,500ダラス。3つ、オーガ討伐。1体に付き3,000ダラス。4つ、人狼討伐。1体に付き6,000ダラス。5つ、サンドワーム討伐。1体に付き12,000ダラス。稼ぎを重視した選択だけど、Lv,アップには持って来いのラインナップだ。で、ギルドを出た私は一足飛びに星駆ける天宮には行かず、学園に戻った。どうせなら学園に寄せられる依頼も受けて行こうと思ったのだ。合宿期間中はひたすら戦闘の毎日になるはず、故に何か美味しい思いしたいと考えるのは普通の事だろう。幸い、学園に寄せられる依頼も中々良い。まあ、報酬の1割か2割は学園の儲けに十中八九差し引かれるはずだ。あと、学園の依頼は面白い。学園から出されている依頼があって、それも受注した。学園で受注した依頼は3つ。1つ、ギガ・ビートルの角を1本収集。3,000ダラス、取得単位1。2つ、氷の結晶の収集。1個に付き1,000ダラス、取得単位0.3×個数。3つ、人狼の尻尾の収集。取得単位0.5×個数。食券×個数。氷の結晶はアイスボールのドロップ。それはそうと3つ目が学園からの依頼なんだが、金の代わりに食券って、確かにうちの食堂は朝がバイキングで昼は閑散としており、夕方は食券をわざわざ買って料理と交換って形式だけど、依頼の報酬にするのは銅貨と思うのだ、さすがに。まあ、食券を買い取ってくれる奇特な生徒もいるらしいと専らの噂があるから、それを辿って金に変えることにする。
「あ、シェアラ。合宿はどうしたのかな?」
「・・生徒会長。誰も馴れ馴れしく名前を呼ぶ許可を出した覚えはないのですが、敢えて言うなれば合宿の場所には一瞬で行けるので、それなら利益を得ようかなと思い依頼を受けに戻って来た次第ですよ?特に問題はないでしょう。まだ到着している生徒は少ないでしょうし、依頼の受注を禁止された覚えもありません」
「そういうことか。ところでさ、シェアラが合宿の間、君の部屋はどうしたらいい?」
「不干渉です。絶対に不干渉を貫いてくださいね?さもなくば、最悪生徒会長がお婿に行けなくなるよう細工する必要が出てきますので」
「怖いね。あれかな、君は俺を去勢するつもりなのかな」
「ふふ、そうなったら責任くらいは取るので、安心してください」
「ヒモは嫌だよ。それならさ、いっその事俺がシェアラを養ってあげようか?」
「謹んで遠慮させて頂きたく存じます」
「あはは、地味に傷つくな。ま、精々強くなって俺を楽しませてね」
「帰って来たら、蹴り潰して上げましょう。その不遜な//自主規制です//を」
「やっぱり去勢したいんだね。なら、俺は君の//自主規制だよ//を突き破ろうか」
「新入生の女子生徒相手に堂々と下ネタを披露する生徒会長がよもやこの世に存在しようとは、しかも自分が通う学園の生徒会長であることが尚汚らわしいですね」
「うん、君は一度礼儀作法を学ぶべきだと思うよ」
「いえ、私はこれでも礼儀作法はその辺の貴族令嬢よりもしっかりしていますが?」
「・・もういいよ。行ってらっしゃい」
え、返事?返すわけがない。寧ろ返す義理さえない。全く、乙女の処女を何だと思っているんだ。あんな不遜な//自主規制です//で突き破るだなんて、屈辱以上の何ものでもない。でも私自身が少し悪ノリし過ぎたかも知れないので、矛を収める。その場を一歩も動かない生徒会長にちょっと居心地が悪くなり、さっさと空間を繋いで星駆ける天宮の入り口に戻った。到着している生徒は約半数前後で姫様とミリエはずっと先生の隣で待機していた。さすがに美少女及び美女が立ち並ぶ空間においそれと突入する勇気を持つ猛者は男子の中におらず、目の保養とばかりに眺めるのみだ。護衛の私にとっては凄く幸いなことなのだが、2人は構わず会話を続けている。ときどき、先生も混ざって話しているようだ。本当に眼福な光景である。ちなみに探索の開始は自由だったりする。生徒達は周囲の空気に同調して仲間の到着を待っているだけなのだ。私はもちろん、待たない。
「姫様、ミリエ。戻ってきましたが、私は早速探索に行くので、2人とも無理だけはなさらぬ様にお気をつけて」
2人が何か言っている。けれど、聞く必要性を感じないため、耳には止めない。
かくして、私は樹海エリアに突入した。樹海エリアは難易度が最も低いエリアだ。最初なので当然だろうと思うやつも居なくはないが、難易度が低いと言うのは魔物が弱いわけでなく、単純に道が奥地まで1本一直線だからだ。その分、距離が30kmはある。道幅は20mほどだ。道の両サイドは樹海の木々がひたすらに繁茂している。魔物はそのサイドの茂みより出現する。それに直線な分、魔物の出現数も並ではない。星駆ける天宮が金儲けには打って付けな割に人気がかなり低い理由はまさにその魔物の出現数の異常さだ。それは基本的に樹海エリア限定の事象だが、樹海エリアを抜けられる冒険者もそう多くない。ギルドランクの高い冒険者でも数で押し切られ命を落とした者が相当数いるのだ。自然と星駆ける天宮は敬遠され、今では公式で天宮の最上階に昇った者はいない。本当に金儲けには最適な場所なのに、敬遠されるのは可哀想だと思う。現に、金蔓が向こうからやってきてくれた。クレイジーボア、ボアとは格が違う強靭な巨体を誇り、反り返った太い角は雄々しさの象徴と言える。何より、敵味方の概念なく突進を敢行するその姿が由来となってクレイジーボアと呼称されている。当然のこと突進力は一撃で人の内部構造を軽く破壊し尽くすエネルギーを誇っている、それは想像に難くない。戸惑いなく私に突進の構えを取る姿はまさにクレイジー、しかしながら私は避けない。避けるつもりはない。クレイジーボア程度の突進を止められずに生徒会長の強烈な蹴りを受けきるなど不可能、自殺行為だ。故に程度の低い攻撃をわざわざ避ける気は毛頭ない。ダンッ、地鳴りを響かせながら突進が私を襲う。地を蹴る一蹴りがとんでもない爆発力を生み出し、それがクレイジーボアの突進の威力の秘訣だ。それでも私は止める。掌底を1発、眉間に叩きつけた。眉間から浸透する衝撃が生じていた突進力を弱め、完全に殺し切り、浸透する衝撃は突進力を殺すだけでなく、クレイジーボアの眼球を飛散させた。これが生徒会長なら恐らくクレイジーボア自体が肉塊となって飛散すると思う。如何にも獣らしい咆哮を上げ、怒り狂うクレイジーボア。再度攻撃の暇を与えるほど私は魔物に優しくはない。触れている手のひらから闘剣を生やして、殺した。ドロップを回収すると、既に次の獲物が出現している。前進しつつ殺さないと永遠に奥地へ辿り着けなさそうだ。
・・挟撃狙いか完全な反対方向から1体ずつオーガか走ってくる。片手には人間の頭を簡単にクラッシュできる棍棒が握られている。助走で勢い付きながら剛腕を振り上げた。ギュオンッ、棍棒が振るわれ軌跡上の空気が薙がれる。拍子を打ち生じた振動をスキルで増幅した衝撃波で棍棒を弾き返し、ぐらつく巨体を即座に生成した闘剣による360°回転斬りで断つ。でも、魔物の生命力は並外れている。腹部を完全に捌いて尚動き、棍棒を振るって来る。直撃するより速く、腕を切り落とし、返す刃で袈裟に斬り裂き、反転。振り上げる様に斬り背後の1体の息の根も止める。後方からの気配で同級生の皆さんも探索を開始したと理解できるが、私との距離がどんどん離れて行く感覚からすると倒すのが精一杯で前進出来ていないようだ。と言っても、そろそろ私も遊んでいられなくなった。前方には軍勢の如く道を埋め尽くす魔物の大群が空間を占拠していた。これは私に魔物無双をしろと言う神様の天啓なのか。
しかも、背後にも大量の魔物が出現している。確かに普通の冒険者なら敬遠したい状況だ。
私は来る者拒まずの精神故に歓迎もしないが敬遠もしない。愛用の大鎌を取り出し、スキル鬼狩りを使用。鎌を覆う様に魔力と闘気が収束する。そして、本体よりも数倍大きな鎌になる。伸びた柄をちょうど良い長さで持って、構える。柄は5m、刃渡り10m。かつて30mを超える巨躯の鬼を狩り殺した技だ。(注,ちなみに鬼狩りは決して武器を巨大化させるスキルではなく、巨大化させることもできるスキルであって、本当の効果は殺傷能力の大幅な向上と鬼系の魔物に対するダメージ上昇である)一振りで数十の生が終焉を迎える。その刃は暴威、その存在は理不尽そのもの。ドロップとなり消え行くまで血塵を噴き上げ、絶叫する魔物の間を駆け抜ける。朱に染まるメイド服、消えて行く屍を踏み越えて、振るわれる鎌の勢いに衰えはない。幾度となく振るってきた鎌だ。一週間振り続けても、疲労は感じない。次の一手でさらに鎌の誇る暴威は増した。スキル闘剣は進化して闘気物質化となっているが、そこは重要ではない。鎌の刃のあちこちから闘剣が生え出る。殺傷範囲の増大は魔物に絶望をもたらすこと、それが必然だった。本当は裂空斬で一気に片をつける手もあったが、私としては切り開いて行く方が面白い。盗賊を捕獲した時のように亜空間を使い、ドロップを回収し鬼狩りを解除する。そして、眼前にそびえ立つ扉を見た。
ボスの住まうフロアの入り口、中に入れば、ボスを倒すまで脱出不可能と結構危ない設定の空間が広がっている。まあ、ボスは倒せば数日は復活しない仕様だし、私が討伐に成功すれば姫様とミリエの手間も省けるわけだ。迷いなく扉を押しあけ、中に侵入した。勝手に閉まる扉、薄暗いフロアが急に明るくなった。そして、ボスが雄叫びを上げる。樹海エリア、フロアボス・・薄く斬り裂く悪魔《ティアスライサー・デーモン》。ボスの魔物特有のHPゲージが頭上に表示される。確か1cmで500相当。目測で2mだから単純計算で100,000だ。薄く斬り裂く悪魔はぼろく黒ずんだフード付き外套で全身をすっぽり覆い、両腕に酷く薄い刀を保持している魔物。刀は斬り裂く武器、しかも細い刀身は対象を事細かく斬れそうだ。立ち姿は身長176cm程度の人間である。ただ雰囲気はそこらの魔物とは比較にもならない濃密で邪悪だ。大鎌を刀に形状を変化させる。実は私にとって刀が一番戦闘で使いやすい得物だ。この1年で技術も習得済みである。峰に左手を添え、脇に構え、合図のつもりで闘気の凝縮球をつくり念動力でやつにぶつける。
まともに喰らって、1cm以下だがゲージが減少する。楽を言えば、念動力で制止させて切り刻みたいがボスフロアだとボスに対する念動力の作用が短時間しか及ばず解除されるのだ。しかも、回数を重ねるごとに解除までの時間が速くなる。だから精々、武器を対象に攻撃速度を遅くするのが関の山だ。
薄く斬り裂く悪魔はニ刀を胸の前で交差し、突貫してきた。
遅い。私は音速で突貫し、一瞬で間合いを詰める。しかし、ボスは一筋縄では逝かない様でしっかりと反応し、二刀のスキル交差斬を放つ。それに対し私は瞬時に身を屈め、交差斬を掻い潜り、股間から脳天までをスキル居合いで斬り上げる。それで止まらず柄を素早く持ちかえ、スキル峰打ちで首を打ち据える。瞬時に刀を引き戻した回し蹴りでやつを蹴り飛ばし距離を取る。峰打ちの効果である硬直(短時間)がなければ、蹴る前に動かれていたと思う。ゲージは15cm減。何と言うか弱いのにHPだけ多くてじれったい。なんて思っていた瞬間、やつが眼前に現れた。一足投・・限定空間内なら一瞬で指定の場所に移動できるスキル。ただ使用制限で5分に一度しか使えない。やつはニ刀の切っ先をこちらに向ける。この構えはやつの固有スキル薄斬りの乱舞!?脅威的な速度・・連続性のある斬撃が襲い来る。その速度は剣先が霞むレベルだ。ギリギリのタイミングで百連斬を割り込ませる。剣戟の奏でる音だけがフロア内で残響し、金属と金属の打ち合う音、金属同士が擦れ合い散る火花、連撃と連撃の応酬は永遠にも感じる長さだ。迫る斬撃に必死で斬撃を合わせ相殺し、攻めに転じる、転じられ、防ぎ、防がれ、崩れ、崩され、巻き起こる衝撃波、風刃はせめぎ合い霧散する。やがて訪れる剣戟の終焉による一瞬の静寂を私は壊した。右手だけで百連斬を放っていたのに、お留守の左手で何かしないわけがない。刀を逆手に持ち、脇に引き絞りながら、連動するように右足で踏み込み、拳に集約した闘気と魔力と殺気を抉り込むようにやつの腹部へと埋め込んだ瞬間に撃ち放ち炸裂させる。互いに合わさり、混じり合ったエネルギーは光線となって、やつの腹を穿つ。フードで見えない口元から一滴の血が垂れた。それだけでは終わらない。根性で左足を踏み出し、踏ん張る。引き絞り溜め込んだ力を解き放ち、刀を一閃する。腰から肩口に斬り上げ、やつの状態が泳ぐ。身体の前面に闘剣を展開し、倒れ込む様にだが、やつの身体を刺し貫く。完全に倒れる前に念動力で無理矢理、後方へ下がる。上がった息を小刻みな呼吸で整えた。あれでまだ、4分の3しかゲージが減っていない。普通は死ぬレベルの致命傷だ。いや、普通に御臨終するはずだ。よろよろと瀕死的な雰囲気を漂わせるやつは、だがしっかりと立ち直し、腕を垂らす。そして二刀を逆手に持ちかえ剣先を背後に向け、前屈みになった。やつめ、次の一撃で決める的なノリだ。あれはやつの名の由来になった固有スキル、薄く斬り裂く《ティアスライサー》。
厄介なのは二刀を使って放たれる斬撃は2撃だが、スキル発動中はやつに近付くだけで身体中のあちらこちらが切り刻まれる。つまり、今現在のやつの周囲は不可視で細かい斬撃が無数に飛び回っている状態だ。しかも、生徒会長でも絶対に捌けない類いの斬撃が。一種の絶対概念だ。正解の法則と言ってもいい。近付けば斬り裂かれるという世界の法則が働くのだ。まあ、生徒会長なら絶対概念有りのスキル持ってそうだし、実は捌けそうなので怖いが、相手が奥義で来るなら私も奥義で行く。裂空斬の上位固有スキル断絶斬。裂空斬は空間を斬り裂くスキル、言ってしまうとそれだけだ。しかし断絶斬は何でも断てる。このスキルには繋がりを断つという絶対概念があるからだ。ちなみに絶対概念に対抗し得るのは絶対概念だけである。この時点で勝負は私の勝ちだ。断絶斬は接近する必要がない。接近しないと効果を発揮しないやつのスキルでは私に勝てない。私はやつを一刀の下に斬り伏せた・・が、油断大敵とはよく言ったものでメイド服のあちこちが裂け、皮膚からは血が滲んでいる。やつが最後の最後で一足投を使いやがりました。
その所為で、ご覧の通りの惨状だと言ってもご覧になれないか。とりあえず、このメイド服は修繕する必要がある。幸い、材料は揃っているので速攻で直した。裁縫スキルMaxの私に不可能はないのだ。それはおいといて、やつを倒して残ったボスドロップはスライサーという銘の刀2本と隠蔽の外套、悪魔の呼び声、10,000ダラスだ。隠蔽の外套は認識阻害の効果がある外套で悪魔の呼び声は悪魔系の魔物との遭遇率が上がるらしい。スライサーはやつの持ってた刀。今日の分の集計。クレイジーボアの牙、200本。オーガの棍棒123本。シミター98本。スライサー2本、隠蔽の外套、悪魔の呼び声。81,500ダラス。
とりあえず、雪山エリアに到達。それだけして入り口に空間を繋げて戻った。こうしておけば、次は雪山エリアまで一気にいける。私の空間魔法は行ったことのない場所には基本的に行けないのだ。位置情報を正確無比に知っていれば、少々違ってくるが。入り口付近に設けられたキャンプ場に帰りつくと他の生徒達が疲労困憊と言った風に疲れたオーラを噴出していた。けれど、姫様とミリエは元気一杯と言った体で目立っていたので、合流は簡単にできた。さすが優秀だなと感心する。私の場合は能力的にあれくらいできないと駄目だ。別に凄くはない。経験の差であると
「さすがシェアラなの。もうボスを倒してるの」
「ちょっと呆れ気味かな?」
思っているのだが。ちょっと苦笑いされた。でも、可愛い。
テントを張る位置は姫様とミリエがクレハ先生と友好的な関係を結んだお陰で教師陣の近くになった。テキパキとテントを張り、食事をつくる時になって、他の生徒たちが騒ぎ始める。曰く、「食材はどこですか」と。教師陣は「何を言っている?現地調達に決まっているだろう」と当然だと言わんばかりの返答である。時刻は午後6時前、4月とはいえ、さすがに暗くなってくる時間帯だ。大慌てで食材確保に動く生徒を眺めつつ、私は天とはりの作業と同じくテキパキと食事の準備を続けていた。私を見た生徒の幾人に食材はどこで入手したのか問われ「食材ですか。常備してますが、何か?」と真顔で返答して上げた。
メニューは怒る魚《アングリーフィッシュ》のムニエルと煮込み野菜スープに何かの肉片を混ぜたパンである。肉片は多分、ワイバーンの腹肉だった気がする。私達+クレハ先生で美味しく頂きました。お風呂はないので、浄化で済ませます。テントは一種の魔法具(魔力を糧に効果を発揮する道具)で内部は亜空間であり、広い。ベットなどの就寝具が設置されている。姫様とミリエはさっさと寝間着に着替えて、ベットにダイブした。私は昨日と同じくラフな格好、しかしスパッツ着用である。今日も今日とて果実酒をグラス2杯飲んで、お気に入りのぬいぐるみを取り出し、抱きついて眠る。やっぱり、このぬいぐるみはもっふもふだぜ!!
姓名,シェアラ 種族,ダークエルフLv,Max
職業,極めしメイドLv,612、魔法使いLv,476、殺戮者Lv,354、死を運ぶメイドLv,312
HP,214322/219876 MP,492123/512678
腕力,149[+125621 体力,300[+46281
気力,366[+17634 精神,100[+37528
器用,627[+42658 敏捷,502[+112786
固有スキル,魔力物質化Lv,Max、投擲必中Lv,Max、百連突きLv,Max、百連斬Lv,Max
裂空斬Lv,Max、断絶斬Lv,Max、闘気物質化Lv,Max、首狩りLv,967、疾風迅雷Lv,Max、サディストLv,505、闘魔の殺Lv,10、殺気物質化Lv,652
スキル,投擲Lv,Max、ダッシュLv,Max、バックステップLv,Max、裁縫Lv,Max、
,刺繍Lv,Max、茶葉選眼Lv,Max、茶器使用Lv,Max、紅茶入れLv,Max
,家事全般Lv,Max、一撃必倒Lv,Max、薙ぎ払いLv,Max、身体強化Lv,Max
,闘気Lv,Max、風刃Lv,943、衝撃波Lv,912、鬼狩りLv,678、着せ替えLv,Max
,念動力Lv,876、居合いLv,543、峰打ちLv,526、受け流しLv,478